旅レポ

マリメッコづくしのフィンエアーで行くルスカシーズンのフィンランド旅(その4)

カヌーにファットバイクにベリー摘み、ラストは癒やしのハスキーファーム編

森の朝。足下は“ルスカ(紅葉)”真っ盛り

 9月上旬に開催されたフィンエアー主催のプレスツアーレポートもいよいよ最終回。北極圏でオーロラ鑑賞にサウナ三昧の前回に引き続き、大自然のなかで楽しんださまざまなアクティビティをご紹介します。

 ルスカ(紅葉)がラップランド地方を彩り始めた美しいシーズンの風景をたっぷりとお楽しみください。

メールもSNSもない世界! 俗世から切り離された森で迎える朝

 泊まっていたトラシエッピ湖のほとりにあるホリデー・キャビン。朝食はレセプションハウスにあるレストランまで歩いていきます。ちなみにこちらの宿泊施設、Wi-Fiはこのレセプションにしかなく、各自部屋にはテレビもないという徹底ぶり。いわゆる「デジタルデトックス体験」ができますの。

ロッジで食べる朝食は空気もごちそうです

 その唯一Wi-Fiが拾えるレストランの脇に小さな売店があって、ポストカードやアクセサリーなどが売られていたのですが、私はそこで見つけたハスキー犬形のリュックに一目惚れ。くたっとしたユルさの割りには毛並みのクオリティが半端ないハスキーリュック。20ユーロ(約2640円、1ユーロ=約132円換算)でお買上げして日本に連れて帰ることにしました。

レセプション横の売店でひっそり売られていました
背負うとこうなるハスキーリュック

一体どこまで行くですの~!? トラシエッピ湖でガチのカヌー体験

 朝食を食べたらさっそくこの日のアクテビティスタート。目の前のトラシエッピ湖でカヌーをやるということで、内心「寒いしサウナに入っていたいですわ~」と思っていた私ゆきぴゅーですが、インストラクターがワイルド系のイケメンで俄然やる気が出ました。

こちらの格好いいインストラクターさんが指導してくれました
湖のほとりからこんな感じでスタート
カナダでカヌー経験がある別の参加者とペアを組みました

 2人乗りということで、男女を混ぜたり経験者と未経験者をペアにしたりと4班に分かれてスタートです。で、このカヌー体験、目の前の湖の見える範囲をぐるっと漕ぐ程度かなと思っていたら大間違い! 細長いトラシエッピ湖をどんどん北上して、水草が生えた蛇行する水路を通ってその先の湖まで行き、こんなに遠くまで来たのだから帰りは向こう岸で送迎車が待機していて、ぴゅ~んと送ってもらえるに違いないですわ~! という淡い期待は見事に外れて、腕をプルプルさせながら同じルートを再び戻るという、かな~りハードな“カヌーの旅”だったのでした。疲れたっ!

最初はよかったのですが……
あれ? 私達だんだん離されてる???
かっ、完全に置いていかれてますわ~!

 でもご覧のとおり、周りはとっても絵になる景色で、写真だけ見ればまるでアウトドア雑誌のグラビアのよう! 青空が出ていたら黄色く色づいた針葉樹がもっと映えたことでしょう。

オーロラドーム。私はこのうちの一つにその晩泊まりました
いつまでも戻ってこない私たちが心配になったのか迎えに来てくれた先生
腕が筋肉痛になったカヌー体験

 カヌーのあとは、イメケン先生自らが作ってくれたスープランチを食べて生き返りました。食べたのは先住民・サーミ人の住居「コタ」を模した小屋のなか。フィンランドをはじめノルウェー、スウェーデン、ロシアに住んでいるサーミの人たち。「コタ」はその昔、サーミ人の呪術医が儀式を行なっていた場所なのだそうですよ。形はアメリカインディアンのティピにも似ていますよね。

薄暗いコタの中は火が焚かれていてとってもよい雰囲気

 カヌーの先生が「疲れたかい? さぁ召し上がれ」と(言ったかどうかは忘れましたが)手渡してくれたのは、あったかスープが入った「ククサ」。ククサとは、白樺の木のコブの部分をくりぬいて作られるラップランド地方の伝統工芸で、お土産屋さんでよく見かけます。材質によって価格はピンきりですが、本物はかなりよいお値段。いつか私も欲しいなぁと思っています。

フィンランドのランチの定番、スープとパン
デザートはベリーのババロアっぽいもの

ファットバイクでダートな森のなかを駆け抜ける爽快感

道があるようでないような森のなかをファットバイクで散策です

 次なるアクティビティはファットバイク。今回私は初めて乗りましたが、ファットバイクというのはタイヤが太い自転車のこと。ダート道や雪道を走りやすいように作られたものだそうで、多少のデコボコや石などはまったく気にならずに走れますの。しかも身体に伝わる衝撃が抑えられるのでふわふわした乗り心地なのです。これは楽しい♪ ヘルメットを装着してさっそく森へレッツゴー!

太いタイヤが衝撃を抑えてくれてお尻が痛くないのです

 途中、湿地帯があって引き返したり、抜け落ちたトナカイの角を見つけたりとフィンランドならではの森を感じることができたファットバイク体験。カヌー旅の後でなかなかハードでしたがとっても楽しかったです。

馬やトナカイがいる牧場に立ち寄りました
餌をもらえると分かると近寄ってくるトナカイ、かわいい♪
途中で立ち寄った民族資料館(?)でトナカイの毛皮で作ったサーミ人の衣装試着中
極寒の中でも温かいというサーミ・ブーツはとってもキュート
くすんだ赤色の建物は、ザ・ラップランドという景観

フィンランドに行ったらやっぱりベリー摘み体験しなくっちゃ!

ベリー摘みはフィンランドの定番アクテビティ

 フィンランドの森といえばベリー。「自由に歩き回って好きなものを採取してよい」という自然享受権があるこの国では、腰を下ろして草をかき分けてみるとブルーベリー、リンゴンベリーなどあちこちに黒や赤の小さなベリーを見つけることができます。「スーパーフード」として注目を集めるそれらは、ジャムやソースなどに使われ、フィンランドならではの「森の恵み」なのです。

ベリーだけじゃなくてキノコもたくさん(食べなかったけど)
ふと頭をあげると馬に乗った人が現われてびっくり

ハスキーファームで大興奮! 冬は僕らがソリを引くよ!

ワクワクする看板ですの

 続いて向かったのはハスキーファーム。そうなのです! 超りりしいハスキー犬がたくさんいるファームが、泊まっていたキャビンから歩いていける距離にあったのです! ココ、犬好きの私としては今回一番楽しみにしていた場所の一つでした。

いっぱいいる! こっち向いてる!

実はここのハスキー犬たちは、雪の中でソリを引くワンちゃんたち。訪れた9月中旬はまだシーズン前なので“休職中”とのことでしたが、雪が降れば大興奮で走ってくれそうな頼もしい子たちばかり。あぁ、真冬にまた行って雪景色の中で彼らを見たいっ!

ハスキー! ハスキー! ハスキー!
こんにちはですの

 ラップランドではこのようなハスキーファームが各地にあって、ウィンターシーズンに人気のアクティビティがこの「犬ぞり」です。気軽に申し込める2、3時間の体験もあれば、5日間で約160kmを走るなんていうハスキーサファリなんていうツアーもあるのだそう。5日間も一緒にいたら、お別れのとき絶対に泣いちゃいそうですわ~。

シベリアン・ハスキーやアラスカン・ハスキーなど犬種もいろいろ
それぞれ性格が違って、この犬は一人でいるのが好きな子なのだとか
たくさんいるので名前を付けるのも大変。クルマの名前シリーズで「スズキ」も!
この透き通った目がカッコイイ!
早くソリを引きたいなぁと思っているかは不明
これがソリ。6匹くらいで引くのだそうです

ラップランド最後の夜はオーロラドームに宿泊

ここに泊まりました

 滞在していたトラシエッピ湖のほとりのホリデー・キャビンにはオーロラドームが4つあって、じゃんけんに勝った私は最終日にそのうちの一つに泊まることができました。

コージーなお部屋はレイクビュー(夜は真っ暗でちょっとコワイ)

 オーロラドームといっても、前回ご紹介した天井がガラス張りになっているゴージャスタイプではなく、手作り感満載のウッディなドーム型ルームといったところ。トイレ付きではないので夜中に行きたくなったら真っ暗な夜道を200mくらい歩かないといけないのが難ですが、その素朴さがトラシエッピらしくてよかったなと今になってみれば思います。

ハスキーのクッションやぬいぐるみがあって、なかなかツボを押さえていますの
翌朝のワンショット。前の晩みんなで飲んだワインボトルがいい感じでお気に入りの1枚

キッティラ空港からヘルシンキ経由で日本へ

空港で見かけたトゥントゥ

 大自然のなかでアクティビティ満載だった「ルスカのスローシーズンに巡るラップランド旅」もいよいよ終わり。着いたときと同じキッティラ空港からヘルシンキ・ヴァンター空港を経由して帰路に就きました。

どんだけハスキー犬押しなんだというキッティラ空港
フィンエアーのAY557便で、まずはヘルシンキのヴァンター国際空港へ
フライト時間は1時間30分。美味しいベリージュースを飲んでいると到着です
ヘルシンキ・ヴァンター空港にはマリメッコなど誘惑多し、要注意

 17時15分発のAY073便で成田空港へ。この復路フライト、夜の飛行なので左側席なら運がよければ機内からオーロラが見えることがあります。出発して数時間後、機内食を食べ終えたころに窓の外を覗いてみましょう。この日は何度も外を見たのですが出ていませんでした。

ビジネスクラスにドキドキのハス君。帰りはエアバス A330型機でした
「お連れさまにどうぞ」とCA(客室乗務員)さんからアクティビティブック(キッズ用)を頂きました。っていうかお連れさまってハスキー犬のことですの!?

 写真がないのですが、帰りのフライトで往路でプレオーダーしておいたフィンランド産のジン「NAPUE48」を受け取りました。支払いもクレジットカードで楽々。飲みやすかったジンは、1カ月もしないうちに終わってしまいましたとさ。

アミューズブッシュと赤ワイン
どれにしようかな? パンも豊富です
前菜は「エビとサワークリーム入りクミン味のザリガニのスープ」
メインはタイム風味のチキン。クリームソースが美味しかった
マリメッコのティーセット、これ欲しい!
フィンランドのオーガニックアイスJYMY(ルバーブ味)をデザートに

 美味しい機内食を食べて、あとはフラットシートでぐっすり眠ってしまえば、起きたら朝9時の日本という帰りのフライト。所要時間は9時間30分です。マリメッコに囲まれたフィンエアーのビジネスクラスでの旅なら、最終日に感じる疲れ度がまったく違うのです。

AY073便は翌朝8時55分に成田空港到着

今回のフィンランド旅のお供カメラは、ニコンD5600

 今回私が持っていったカメラは、ニコンからお借りした一眼レフD5600に標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本がセットになった「D5600ダブルズームキット」。それにプラスして、オーロラ撮影用に2017年6月発売の超広角ズームレンズ「AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR」も持っていきました。軽量小型のボディは旅のお供に最適♪ しっかりとフィンランドの美しい景色を写し撮ってくれました。特にバリアングル液晶モニターは、三脚を使用するオーロラ撮影時にとっても便利でしたよ。

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。