ニュース

ANA、リニューアルした新千歳空港カウンターを公開。自動手荷物預け機など「ANA FAST TRAVEL」で時間短縮

プレミアムチェックインカウンターはラウンジ、搭乗口直結

2017年11月8日 導入

ANAが新千歳空港のチェックインカウンターをリニューアル

 ANA(全日本空輸)は11月8日、北海道・新千歳空港 国内線旅客ターミナルビル 2階チェックインカウンターのレイアウトを変更し、合わせてデザインもリニューアルした。シンプルで分かりやすく、スムーズな搭乗スタイルを「ANA FAST TRAVEL」として展開し、自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」や「Special Assistanceカウンター」を導入。これは、2015年3月から着工している新千歳空港 国内線旅客ターミナルビル施設整備工事に合わせて行なったもので、空港における搭乗客の手続きの極小化、待ち時間の抑制などを狙うものだ。

 リニューアルの前日である11月7日、出発カウンターでは「ありがとうございました。明日ANAカウンターは生まれ変わります。」と書かれた横断幕が掲げられ、夜の出発便搭乗手続きと同時に新カウンターへの引っ越し作業を行なっていた。

 最終便である羽田行きNH988便の搭乗手続きが終了すると、ANAのグランドスタッフが横断幕の下がった出発カウンターに対して「ありがとうございました」と感謝とともに一礼し、1992年7月から25年間運用してきた出発カウンターに別れを告げた。その後も旧チェックインカウンターから新チェックインカウンターへの引っ越し作業は夜通し行なわれた。

このカウンターでの業務はこの日で最後
これまでチェックインカウンター前に配置され、使われてきた大きな手荷物X線検査機は撤去される
「ありがとうございました」と一礼
横断幕を手に持って笑顔で記念撮影
工事中のパーティションが外れる前の新カウンター
パーティションを外す作業が行なわれ、シンプルなデザインのカウンターが出現
新設された10台もの自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」が整然と並ぶ
各所に点在していた自動チェックイン機の接続を外し……
14機すべてを一カ所に集約
ラウンジ入口の新しいカウンターもパーティションで隠れていたが……
取り外され、中から「ANA プレミアムチェックインカウンター」が姿を現わす
白い壁の向こうに「Special Assistanceカウンター」の文字が
業者によりどんどん壁が外されて、大きな車いすのマークが見えてきた

 11月8日のリニューアル当日、早朝の5時20分にはすでに旧カウンターはパーティションで隠され、新チェックインカウンター前はベルトパーティションが配置されて準備が終わっていた。ブリーフィングを終えたANAグランドスタッフたちはリニューアルされた新しいチェックインカウンターで利用客を迎える。

早朝、旧カウンターは布で隠され、引っ越しが終了していた
業務開始前のチェックインカウンター
ANAグランドスタッフによる早朝ブリーフィング
6時20分、リニューアルしたカウンター前で初めての朝の挨拶
業務開始。早朝から利用客が訪れる

 8時30分からは「新千歳空港 ANAカウンターリニューアル式典」が行なわれた。はじめにANA 千歳空港支店長 兼 ANA新千歳空港 代表取締役社長の新川新一氏から、「この新千歳空港は、国内屈指の拠点空港でありまして、ANAにおきましては1日約1万1千人の出発のお客さまをお迎えしております。今日この日、カウンターを新たに大きく刷新いたしましたけれども、これから本格化する冬休みシーズンに向けてご家族連れのお客さま、ビジネスのお客さま、多くのお客さまをお迎えして快適な空の旅をお約束することを大変うれしく思っております」と挨拶があり、今回の4つのリニューアルポイントを紹介した。

新千歳空港 ANAカウンターのリニューアル点

・チェックインカウンターレイアウト変更、デザイン変更
・自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」の新設
・「Special Assistanceカウンター」の新設
・プレミアムチェックインカウンターリニューアル

 さらに「2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、これらの新しいカウンターで日本国内のお客さまはもとより、訪日外国人、多くのお客さまに向けて、さらなる快適な空の旅を提供してまいります」と抱負を語った。

式典は自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」の前で行なわれた
全日本空輸株式会社 千歳空港支店長 兼 ANA新千歳空港株式会社 代表取締役社長 新川新一氏による挨拶

 続いてANA 空港センターの島田俊哉氏から「ANA FAST TRAVEL」について、「お客さまが空港に到着してから航空機に搭乗するまでのプロセスを、いかに簡単、スムーズ、イノベーティブにするかというものがANA FAST TRAVELのコンセプトです。ANA FAST TRAVELの導入は羽田空港に次いで千歳空港が2空港目です」と切り出し、4つのリニューアルポイントについて細かく紹介した。

出発カウンターのデザイン変更とレイアウト変更について

・案内表示を非常に大きな文字にすることで「お客さまに一目で分かるようなカウンター作り」というコンセプト
・濃い青、薄い青、白という形で色によるカウンター機能識別
・簡単で分かりやすいデザインを採用したピクトグラム

カウンター上部の案内板の文字は大きく4カ国語で表示している
ピクトグラムの説明をする全日本空輸株式会社 空港センター 島田俊哉氏
カウンター上部のピクトグラム表示は、横からでも見やすいよう張り出している
通路側の案内板にも大きくピクトグラムが表示されている

自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」

羽田空港に次いで2番目に新千歳空港へ導入された自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」
文字と図、そして音声で操作を案内する。日本語、英語、中国語(繁体語/簡体語)、韓国語に対応

「Special Assistanceカウンター」

 新たに設置された「Special Assistanceカウンター」は、体の不自由な搭乗客、子供連れなど、搭乗に際しスタッフの手伝いが必要な利用者のための専用カウンターだ。ANAカウンタースペースのうち、最も中央保安検査場に近い場所に設置されており、利便性向上に努めている。また、カウンター内の床材は車いすやベビーカーで利用する際の快適性を考慮した素材となっており、カウンターのテーブルも低めの設計で、車いすのままでも手続きが可能なよう配慮している。

半個室の室内には、車いすのまま搭乗手続きができるよう低いカウンターを設置している(写真は準備中のもの)

「ANA プレミアムチェックインカウンター」

「ANA プレミアムチェックインカウンター」は、羽田空港に次いで2番目の室内型カウンターとなっており、同室内にある新設された専用保安検査場を通ると、2017年9月13日にオープンしたばかりの隅研吾氏監修によるプレミアムメンバー向けラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」や「ANA LOUNGE」、搭乗口に直結している。今までより搭乗手続きからラウンジの利用、そして搭乗までがスムーズにアクセスできるよう考慮されている。

「ANA SUITE LOUNGE」「ANA LOUNGE」入口。入室して左手にプレミアムチェックインカウンターが新設された
室内型の落ち着いた雰囲気のプレミアムチェックインカウンター

 4つのリニューアルポイント説明のあと、島田氏は「ANA FAST TRAVEL」について、「これからも弊社が就航している空港にどんどん展開していきたい」と語った。今後、伊丹空港、福岡空港、那覇空港への導入を予定しており、そのほかの空港にも施設設備要件などに応じて展開を検討中とのことだ。

 最後に、新設された自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」操作方法の説明と報道陣向けにデモが行なわれた。操作はタッチパネルで、表示された案内と音声で手順を簡単に把握することができる。新千歳空港には10台導入しており、平均70秒ほどで手荷物を預けられるため、混雑の緩和が期待できる。スキーやスノーボードなど、自動手荷物預け機に入らない大きな荷物は、今までどおり有人手荷物カウンターで預ける必要がある。

まず手荷物を中に入れる
チケットをタッチ
注意事項などの表示・確認
手荷物タグが発行される
手荷物タグを手荷物に貼り付ける。貼り合わせるだけで簡単に取り付けることができる
「黄色の線までお下がりください」とアナウンスが流れた後、ドアが閉まり荷物が自動で運ばれていく
最後に手荷物控えが発行されて操作は完了