旅レポ
毎日が感動でいっぱい! アウトドア天国ニュージーランドの旅(その3)
世界で最も美しい星空の一つ! レイク・テカポの星空と絶景の氷河フライト編
2016年8月13日 00:00
ニュージーランドツアーレポートも折り返し地点、ここからは南島編です。北島のハミルトンからニュージーランド航空の国内線でクライストチャーチに飛び(所要時間2時間弱)そこから最初の目的地レイク・テカポまで約240kmのドライブでした。北島とはまた違ったダイナミックな風景が楽しめる南島、今回はレイク・テカポ周辺でのとっておきのアクティビティ2つをご紹介します。
レイク・テカポは人口約360人の小さな街
美しい山々に囲まれた湖の街・レイク・テカポに着いたら、まずその寒さに身が引き締まりました。15℃前後あった北島に比べて最高気温が1桁台と、5~6℃くらい低い印象です。そのかわり雪化粧した山々の稜線は神がかった美しさで、この時期ならではの光景に見入ってしまいました。
さて、北島と比べてさらに人口密度が低い感のある南島ですが、ここレイク・テカポも人口400人に満たない小さな街。カフェやレストラン、ホテルやガソリンスタンドなどは街の中心地に密集していて、通り過ぎればまたなにもない牧草地が続くといった感じです。
レイク・テカポの観光スポットと言えば湖畔に建つ「善き羊飼いの教会」。ニュージーランドの旅行パンフレットでよく目にする人気の観光スポットです。陽が落ちた夕方に着いたため、ミルキーブルーと形容される湖の色は見られませんでしたが、トワイライトタイムの幻想的な風景をたっぷり堪能できました。山肌が刻一刻と色を変えていく様子は言葉にならない美しさで、ずっと見ていたいと思ったほどですの。
「レストラン湖畔」で絶品サーモン丼に出会う
レイク・テカポでのディナーはなんと和食、それもサーモン丼でした。ここ「レストラン湖畔」はレイク・テカポに行ったら立ち寄るべきお店! なぜなら「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」のキャストも来たことがあるくらい有名なお店だからですの!(>そこかいっ!)
聞くところによると、ガンダルフ役のイアン・マッケランやレゴラス役のオーランド・ブルームも訪れたそうですわ。で、ガンダルフも食べたかもしれないそのサーモン丼ですが、身がしまっているのに脂はしっかり乗っていて、でもさっぱりと食べられるという素晴らしいどんぶりでした。
ツアー3日目にして早くも白いご飯が恋しくなっていた私にとって、この酢飯の美味しさは涙モノ! お味噌汁も漬物もあっという間に胃袋に収まったのでした。そして日本でも食べたことがなかった「蕎麦の実のスープ」がこれまた絶品で、和食っていいなと異国の地でしみじみと思ったのでありました。
レイク・テカポの夜は長い! 世界一の星空鑑賞ツアー
北島から南島に移動してロングドライブで夕方到着したレイク・テカポ。夕食に美味しいサーモン丼も食べて、あとはホテルでゆっくり……かと思いきや、レイク・テカポのハイライトはそれからでしたの! 星がキレイなニュージーランドのなかでも、晴天率が高いレイク・テカポの星空は特に美しいことで知られています。
現在その星空をユネスコの世界自然遺産にしようという試みもあるほど。ユネスコには“星空”というカテゴリーがまだ無いため、もし登録されたら世界初の“星空世界遺産”ということになります。
そんなわけで、レイク・テカポでは「光害」を食い止めるために街灯に傘をつけたり、照明の種類を変えたりと“空を明るくしない”星空環境保護活動を街ぐるみで行なっているのですが、その活動の中心人物と言っていい人がなんと日本人! レイク・テカポで星空ウォッチングの会社「アース&スカイ」を運営する小澤英之さんです。
1989年にワーキングホリデーで訪れたレイク・テカポの星空に感動し、その後ニュージーランドに移住した小澤さん。「ここの星空があって今の自分があると思います」と独特の語り口調で控えめながらも熱く語ってくださいました。2000年から始めた星空ツアーは、今では年間2万5000人が参加するレイク・テカポで大人気のアクティビティになっているんだそうです。というわけで私たちも満天の星を眺めにレッツゴー!
耐寒素材のインナーを重ね着し、セーターを着てフリースを羽織ったら、さらにその上からモコモコのダウンジャケットを借りて着込んで、まるで南極越冬隊みたいな格好で向かったのはレイク・テカポの畔の山、マウント・ジョンです。ここには世界最南端の天文台があるんですの。
レイク・テカポの街からも空を見上げれば素晴らしい星空を見ることができるのですが、マウント・ジョン山頂はそのレベルがケタ外れでした。なんというか“夜の暗さ”がまったく違うのです。
そして今まで見たことのない数の星がそこにはありました。向こうの地平線から反対側の地平線までびっしりと! そしてミルキーウェイとはよく言ったもので、本当にミルクを流したかのような天の川が頭上を横切っていて、「レイク・テカポの星空は私たちのいる銀河系の姿が浮かび上がって見えるんですよ」という小澤さんの言葉がよく分かりましたの。“あぁこれが銀河なんだ~”と、自分が宇宙に存在するという自覚を生まれて初めて感じました。
今回私たちにガイドをしてくれたのはアース&スカイのSatoshiさん。レーザーポインターを使っての星空ガイドは分かりやすくて、話上手なとっても楽しいガイドさんでしたの。まずは南半球に行ったらぜひとも見たい南十字星を探すところから。
ニュージーランドの国旗にもある有名な南天の星座ですわね。近くにニセ十字というのがあるのは知りませんでした。その後も大マゼラン雲や小マゼラン雲などを教えてもらい、設置されている大型望遠鏡では土星などを観察しました。
レイク・テカポでは一年中素晴らしい星空観察ができますが、一番キレイに見えるのは空気がさらに澄み切って天の川が天頂に広がるニュージーランドの冬(6、7月頃)なんだそう。日没が早く夜が長いので観察時間が多くとれるのも大きなポイントですわね。
ベストシーズンと言われている12月~3月をあえて外して、世界一の星空を見る旅、オススメですよ! そしてその時はできれば月の出ていない新月頃をスケジューリングすると尚ベター! まぁお天気ばかりは運なんですけどね。今回心の底から感動したレイク・テカポの星空が10年、20年先もずっとあのまま変わらずにいますようにと思いながら眠りについた、長い長いレイク・テカポの夜でした。
ニュージーランド南島レイク・テカポ マウント・ジョン山頂からの星空 #theta360 -Spherical Image - RICOH THETA
アース&スカイ
料金:大人145NZドル(約1万700円)
所要時間:2時間
所在地:State Highway 8,Lake Tekapo 7945
TEL:+64-3680-6960
Webサイト:マウント・ジョン天文台星空ツアー(英語)
小型飛行機で氷河の上を遊覧飛行
世界一の星空を堪能してホテルに戻って寝たのは2時過ぎという翌日は、朝早くホテルをチェックアウトして街からすぐのところにあるエア・サファリ社の飛行場へ。そんな過密スケジュールでしたが、この日はプレスツアー最大のアクティビティが待っていたのです!
それは小型飛行機に乗ってマウント・クック周辺のサザンアルプス山脈上空を遊覧飛行というもの! ニュージーランド最高峰マウント・クックを空から眺めることができるなんて、もう考えただけでもワクワクですの。
お天気もパーフェクト、絶好のフライト日和です。それにしてもこのプレスツアー、お天気に恵まれて本当にラッキーですの。きっと日頃の行ないがとってもよい強烈な晴れ女が参加していたに違いないですわ!
レイク・テカポは南北に30kmもある長~い湖。その湖の真上を飛行しながら北に向かいます。ミルキーブルーともコバルトブルーとも形容される独特の水の色は、岩石の成分が混ざって溶け込んでいるため。いよいよ山岳地帯に入ります。
眼下に広がってきたのはアルプスの山々が抱く“氷河”。ニュージーランド南島の西海岸側は偏西風に乗って湿った空気が流れ込み、3000m級の山々からなるサザンアルプスにあたって雨や雪を降らせます。それが圧縮されて凍り長い年月をかけて堆積したものが氷河となって、ゆっくりと谷を下っていきます。
このエア・サファリでは、ニュージーランド最長の氷河・タスマン氷河(長さ29km)や、フランツ・ジョセフ氷河、フォックス氷河といった、いくつもの氷河の絶景を見ることができるんですの。何百年という長い年月をかけて作られたダイナミックな自然界の造形美にただただ目を奪われてしまいました。
間違いないく一生の思い出になった今回の遊覧飛行「グランド・トラバース」以外にも、エア・サファリ社にはヘリコプターで行って氷河の上に降り立つフライトや、陸路で移動したら6時間かかる西海岸側にひとっ飛びするトランス・ディバイド飛行など色々な遊覧飛行が用意されています。
チャーター便でのフライトもオッケーで、可能な限りさまざまな要求に答えてくれるそう。詳しい飛行ルートが書かれた日本語パンフレットが用意されているので、パイロットさんの英語での説明を聞きながら読むと完璧です。
エア・サファリ&サービス
料金:レイク・テカポ発着の遊覧飛行料金:360NZドル(約2万6640円)、※料金は2016年9月31日まで有効
所要時間:約1時間
TEL:0800-806-880(ニュージーランド国内フリーダイヤル)
Webサイト:エア・サファリ&サービス(日本語あり)
再びドライブスタート!牛渋滞や可愛らしいドライブインも
次に向かうはニュージーランドきっての人気観光地クィーンズタウン。距離にして約250km、再びロングドライブです。レイク・テカポを出発してしばらくすると右手にプカキ湖が見えてきます。レイク・テカポと同様に縦に長いプカキ湖は、遥か遠く正面にマウント・クックが見える湖。午前中、手の届きそうな距離から見たその姿を、今度は地上から眺めると、また格別なものがありました。
ニュージーランドは日本のようにヘビーな交通渋滞とは無縁の国。ただし思いがけないところで足止めを食らうことがあります。それがこれ! アニマル渋滞! (と勝手に命名)あれあれ!? 反対車線の車がなにやらノロノロ運転してるですわと思ったら、前方に黒い大群が。そう、牛ですの。
ニュージーランドならではのパプニングにまたしても大興奮。ちなみに今回は牛だけでしたが羊の移動もよく見られる風景です。
ドライブ途中のトイレ休憩で立ち寄ったタラスという小さな小さな街のドライブイン。ここにはニュージーランドで一番有名な羊“シュレック”のミュージアムがありますの。毛刈りが嫌で6年間逃亡し続けた結果、モッコモコの姿で見つかったシュレック。
2004年に発見された当時は大きな話題になり、毛刈りの様子はテレビ中継されるなど一世を風靡したようです。残念ながらシュレックは2014年に天国に旅立っているようですが、このミュージアムには当時の写真や実際の羊毛も展示されていましたよ。偶然立ち寄ったタラスでしたが、カフェも可愛らしくてステキだったので最後にご紹介します。
さて次回はいよいよ最終回。旅の最終目的地クィーンズタウン編です。ワイナリーレストラン、ファームツアー、そして定番のあのアクティビティと最後の最後まで盛り沢山の内容でレポートしますよ。お楽しみに~!