旅レポ

身も心もリラックスしたい人におすすめしたいインドネシアの旅(その3)

リラックスは一休み、インドネシアの海や山でアクティブに遊びまくる

今回のツアーのハイライト、青い炎が揺らめくイジェン火山へのナイトトレッキング

 インドネシア共和国観光省主催の「インドネシア メディアトリップ」レポートの第3回はジャワ島東部のバニュワンギに位置する火山イジェンでのトレッキング体験とサーフスポットの紹介という、記事のタイトルとは少々趣の異なるアクティブなお話です。

サーフ天国、インドネシア

メラ島ビーチ(Pulau merah beach)

 まずは海のお話。ジャワ島東部にはGランドという世界的に有名なサーフスポットがあるそうです。テレビや写真で見たことのある大きな波のチューブに颯爽と乗るサーファーの姿はぜひ見てみたいと思っていましたが時間が足りず今回はおあずけ。

 そのかわり、というわけでもないのでしょうが、バニュワンギの中心街からも比較的アクセスのよいメラ島ビーチ(Pulau merah beach)へ立ち寄ってみました。“merah”は赤という意味ゆえレッドアイランドとも呼ばれるところです。

 サーフィンの世界においては超のつくハイレベルなGランドに対し、こちらは初心者向けという位置付け。基本的には穏やかなビーチリゾートで、我々が訪れたときにも数組の家族が波打ち際で遊んでいました。そんなビーチがサーフスポット? と少々疑問に思いながら沖に目を移すと結構な波。残念ながらサーファーの姿は見かけなかったもののサーフィン未経験の筆者にしてみれば十分すぎるように見える波です。

 でも、ジャワ島においてはこちらが初心者向けだそうです。ジャワ島は初心者から上級者まで幅広い層のサーファーを受け入れるバリエーションに富んだサーフスポットが数多くある、まさにサーフ天国なんですね。

家族連れでも楽しめる穏やかなメラ島ビーチ(Pulau merah beach)
売店も並んでいて、裏にはトイレもあります
トイレは有料で1回2000ルピア、日本円で約15円(2016年6月現在)程度
沖を見ると大きな波。これでもサーフィン初心者向きとのことです

 ちなみに今回利用したガルーダ・インドネシア航空では受託手荷物以外ににダイビング用品やサーフボード、自転車などのスポーツ用品(23kgまで、自転車は30kgまで)いずれか1点を無料で預かってくれます。インドネシアはまさに遊びに行くところだと主張するようなサービスですが、成田空港のカウンターで大きなサーフボードを抱えた旅行客がやたらと多かったのも納得です。

青い炎が揺らめく神秘的な火山、イジェン

青い炎と硫黄の黄色い山肌のコントラストが美しいイジェンの火口

 山頂の火口付近では、山肌から吹き出す硫黄ガスの燃焼により青い炎が揺らめく風景が広がるというジャワ島東部の火山、イジェン。そんな神秘的な地を求め行なう深夜のトレッキングが、今回のツアー最大の目玉である「イジェン・トレッキング」です。

 入山は時間が規制されていて、深夜1時より山道のゲートが開きます。我々ツアー一行は少し遅れて1時半頃スタート。真っ暗ななか、懐中電灯などの光を頼りにただひたすら登り続けます。

 ちなみにイジェンの標高は約2800m。2時間程度暗闇を登り続け、山頂付近で今度は火口方向へひたすら降りるのです。スタート地点の標高は定かではありませんが標高が上がるたび硫黄の臭いが鼻をつき、それをガスマスクでしのぎながらのトレッキングは、普段から運動不足かつメタボ気味の筆者にはかなりこたえました。

 山頂付近ではもうフラフラです。事前に調べた情報ではその美しさばかりが目に付いていましたが、運動不足で体力に自信のない方はそれなりに心の準備が必要なレベルです。到着時に夜が明けてしまえば美しい炎は見られないのですからペースも落とせません。もちろん普段から運動している人や登山経験者にとっては、たかが2時間程度のトレッキングですから心配はいらないと思います。

青い炎を見ているとトレッキングの疲れも忘れてしまいます
世界中の人がこの地の訪れています
至近距離で記念写真を撮る強者もいます

 さて、そんな筆者にとって苦行のようなトレッキングの成果ですが……よく伝わってくる情報どおりの美しさです。もちろん自然現象ですからそのタイミングによって見え方はさまざまですが、少なくとも揺らぐ炎を眺めている間は苦しさをしばし忘れます。いや、揺らぐというよりは結構ボウボウと勢いのよい真っ青な炎です。このまま見続けていたいなぁ……とか、帰りたくないなぁ……と思っているうちに夜が明け、周りの風景も照らされます。

 ここで初めて暗闇の中で自分が辿ってきた道のりがいかに険しいものだったか目の当たりにします。違った意味で再び帰りたくないなぁ(もう歩きたくないなぁ)なんて正直思いました。

 もっとも、過ぎてしまえばそれも旅のスパイスで、楽して得られたものよりずっと思い出深い風景となったわけですが、それもホテルに帰れば極上のリラックス空間が待っているからこそ。このコントラストも旅の楽しさです。

夜が明けてくるとアッというまに炎は見えなくなり、硫黄の山肌が見えてきます
見えてくるのはこれから登らなければならない帰り道の現実……
正直言ってしんどいです
途中、採掘した硫黄を運ぶ人を見かけます。ものすごいパワーですね
火口から這い上がると眼下に大きなカルデラ湖。ガスっぽい天候と煙がちょっと残念

 ちなみに、山頂付近では硫黄でできたお土産物を売っていますが、硫黄は飛行機には機内持ち込みも預け入れもできませんのでご注意を。

火口から這い上がれば眼下に広がる火山らしい風景を見る余裕もでてきます。火口の縁にたくさんの観光客の姿が見えます
あとは下りのトレッキングのみ。登っているときには真っ暗だった道も見えれば楽勝です
途中、山小屋もありました
スニーカーでも十分に登ることはできますが火口へ降りる岩場や悪天候時を考えるとしっかりとした足元の準備をしたほうがいいと思います
登山道入り口と駐車場

 下山後、一旦ホテルに戻り徹夜のトレッキングで疲れた体を休め、ツアー一行は再びフェリーに乗ってバリ島へ戻ります。バリ島では海沿いのレストランでシーフードをいただいたあと、帰国に向け空港のあるデンパサールにほど近いホテルへ。

ホテルに一旦戻り、自分たちが登った山を眺めながら休憩しました。イジェン リゾート&ヴィラから見る風景は本当に心が癒されます
このツアー最大の山場を越えた一行はジャワ島をあとにし、再びフェリーでバリ島に向かいます
バリ島最後の夜は海沿いのレストランへ
バリ島最後の夜はシーフードを満喫しました

 さて、翌日はインドネシア最終日。バリ島随一の繁華街クタ地区での観光です。

高橋 学

1966年 北海道生まれ。仕事柄、国内外へ出かける機会が多く、滞在先では空いた時間に街を散歩するのが楽しみ。国内の温泉地から東南アジアの山岳地帯やジャングルまで様々なフィールドで目にした感動をお届けしたいと思っています。