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ニュージーランドに5番目の「星空保護区」が誕生。光害のないワイララパ・ダークスカイ・リザーブ

2023年2月8日 発表

ワイララパ・ダークスカイ・リザーブ

 ニュージーランドは、ウエリントンの北東に位置する南ワイララパ地区とカータートン地区が、国際ダークスカイ協会に「星空保護区」として認定されたことを発表した。

 またこれにより、同地区は「ワイララパ・ダークスカイ・リザーブ」と名付けられた。ニュージーランドでは5つ目の保護区となり、広大な手付かずの自然のなか、3600km2を超える漆黒の夜空に星座や流れ星を見上げることができる。東と南に太平洋を臨み、西側はレムタカとタラルアの森林地帯の立地で、光の侵入から守られている。保護区の範囲を北部のマスタートン地区まで拡大する計画もあり、実現すれば5895km2となる。

 さらに、今後も暗く美しい星空を保護するため、ニュージーランドは「星空保護国」としての認定も目指すという。

ニュージーランドの星空保護区

ダークスカイ・リザーブ

 700km2以上の面積を有する公有地・私有地が認定対象で、自然保護や科学的・教育的・文化的目的のために暗い環境と美しい星空が保たれている。

・アオラキ・マッケンジー・ダークスカイ・リザーブ(カンタベリー)
 レイク・テカポやアオラキ・マウントクック国立公園を擁する4300km2におよぶ、世界最大規模の国際ダークスカイ・リザーブ。1980年から光害が制限されており、南半球最南端のマウント・ジョン展望台から星空を観測できる。

アオラキ/マウント・クック国立公園

ダークスカイ・サンクチュアリ

 周囲に屋外照明がほとんど存在せず、世界で最も隔絶された場所であることから、非常に暗い環境と美しい夜空が保たれている地域。公有地・私有地は問われない。

・アオテア(グレート・バリア島)
 2017年に、島として世界初のダークスカイ・サンクチュアリに認定された。ニュージーランド最大の都市、オークランドから30分程度のフライトで行ける距離だが、島民は太陽光や風力、ガスで電力を自給しておりネオンサインや街灯がないため、光害がない。

・ラキウラ(スチュアート島)
 2019年に、世界で5番目のダークスカイ・サンクチュアリに選ばれた場所。島の85%以上が国立公園として保護されている。地名の「ラキウラ」はマオリ語で輝く空を意味し、運がよければオーロラを見ることもできる。

ダークスカイ・パーク

 自然公園、森林公園、エコパークなどとして運営されている場所が認定対象。自然保護のために質のよい屋外照明を使用し、非常に暗い環境と美しい星空が保たれている。ビジターに対して、星空観察や自然観察のイベント、光害に関する教育プログラムなども提供している。

・ワイ・イティ・レクリエーション・リザーブ(ネルソン)
 2020年にニュージーランド初のダークスカイ・パークに認定された。ネルソン市からの日帰り旅行先として知られる森林公園で、星空観察イベントや光害に関する教育プログラムなどを提供している。