ボーカリスト琴音の音楽旅

冬の蔵前散歩! ピリ辛インドネシア料理やホットチョコレートで、寒い日もポカポカ街歩き

浅草からすぐそばの話題スポット、蔵前にお出かけ

 紅葉や色づいた銀杏の葉も落ち、すっかり冬の訪れを感じる今日この頃。東京でも寒い日が増えて、どこか出かけたいけれど寒くてちょっとおっくうだなぁ、なんて思う季節になりました。

 前々からずっと浅草からすぐそばの蔵前に外国人向けのホステルなどができ、そこからおしゃれなカフェやおもしろいお店がたくさんあると聞いていて気になっていました。

 しかし、なかなかゆっくり散策する時間がなかったのですが、旅行に行くだけの時間はないけど日帰りで旅気分でお出かけしたい!というわけで、冬の雨のお休みの日に旦那さんと2人で1日蔵前をお散歩してきました。

まずは異国情緒あふれるインドネシア料理でランチ

 蔵前は浅草からほど近く、ほぼ隣接していると言ってもよいエリアになります。浅草の観光地である雷門までも歩いて10分ほどですし、確かに外国人観光客が宿を取るならベストな立地と言えます。

 そんなことから外国人向けのホステルやゲストハウスがたくさんでき、それに合わせておしゃれなカフェやおもしろいお店が増えてきたそうです。

 雨がぱらつくなか、蔵前に到着しまずはお昼ご飯を食べようということで、特に目的地を決めず歩きながら感じのよさそうなお店に入ろうということに。そこで見つけたのがインドネシア料理店「SUKA」。1階にはインドネシア食材店もあり、こちらも気になります。

 考えてみたらインドネシアの専門料理店には2人とも行ったことがないな、と旦那さんと話しここに決めました。アジア料理の一環として、インドネシア料理のサテやナシゴレンなどは食べたことがありますが「インドネシア料理だけ」は初めて。

 ほかにもおもしろそうなランチのお店はたくさんあったのですが、めずらしいもの好きな我々夫婦は本場の味を求めてこちらに飛び込みました。

SUKA外観、レストランは2階
レストラン店内の様子
SUKAのスペシャルドリンク
ミー・アヤム・バクソ
シオマイ・コンプリート

 私は少しピリ辛そうなスペシャルメニュー「シオマイ・コンプリート」、旦那さんは定番メニューの汁なしチキンヌードル「ミー・アヤム・バクソ」を注文。

 異国情緒あふれる店内で、日本人のお客さんは私と旦那さんの2人だけ。そうそう、こういう雰囲気が最高なんですよ。こういう現地に近い雰囲気のお店、大好物です。

 運ばれてきたシオマイ・コンプリートは、いかにもインドネシアらしい一皿。ピーナッツソースとチリソースが甘辛い味になっていて、雰囲気で言うとタイ料理に近い味付けな気がします。ピリ辛のチリソースに揚げ焼売、そしてポテトと茹でたキャベツが添えられていて、コッテリとサッパリのバランスよく食べられます。

 私はこれにライスをつけようかと思っていたのですが、ポテトも入っているし、焼売の皮も炭水化物なので、これ一つでも十分お腹いっぱいになりました。

 旦那さんのミー・アヤム・バクソも少し試食させてもらったら、まぜそばのような感じでとても食べやすく、特にクセのあるスパイス感は感じられませんでした。辛いのが苦手でなければ、日本人のどんな人でも美味しいと思えるのではないでしょうか。

 異国の料理を試すときは、どんなものか少し不安になることもあると思います。が、こちらのお店のお料理は現地に近い味なのでしょうが、日本人の口にも合う味付けだったように感じます。

1階のインドネシア食料品店

 そして、食事が終わってからは1階の食料品店で少しお買い物。うちの旦那さんの得意料理がグリーンカレーということで、ココナッツミルクやインドネシア唐揚げの素などを購入。

 日本では手に入りづらい食材もあって、見ているだけでも楽しい買い物になりました。

クオリティの高いスイーツとコーヒーで、まったり食後のカフェタイム

 お腹が満たされたところで、落ち着くカフェ「コフィノワ」に行きました。最近、私がカフェインを少し制限しているのもあり、どうせなら「めちゃくちゃ美味しいコーヒーしか飲みたくない」というモードになっているので、美味しいコーヒーが飲めそうなこちらのお店をセレクト。

 さっきお昼を食べたばかりなんですが、自家製カスタードプリンとシナモンハニートーストがとても美味しそうだったので、ついつい注文してしまいました。この人達はどれだけ食べるんだろう?と読者の皆さんに思われているかもしれませんが、書いている筆者も毎回書きながらそう思っています。

 少し待ち時間はありましたが、オペレーションもよくスムーズに案内していただきました。自家製カスタードプリンはとてもなめらかなのにクリーミーで、バニラがしっかり効いています。

 お近くの人気ベーカリー「ペリカン」の食パンを使ったシナモンハニートーストは、バターがたっぷり塗ってあって、シナモン、ハチミツ、バターの三位一体の素晴らしいハーモニーがお口のなかで大合唱。

 くつろげる店内と絶品のスイーツ、そして純喫茶をイメージしたというブレンドコーヒーもとても美味しく、ゆったりとした時間を過ごしました。

コフィノワ入口
焙煎機のある店内
自家製カスタードプリン
シナモンハニートースト
この日のオススメ、桂ブレンド

かわいいアメリカンな雑貨屋さん、レトロな洋菓子屋さんなどで気の向くままにショッピング

 食後にくつろげるカフェタイムを過ごしたあとは、かわいいアメリカンな雑貨屋さん「ガラクタ貿易」に入ってみました。どれもこれも、ツッコミどころ満載の遊び心にあふれたかわいい雑貨たち。

 音楽好きの心をくすぐる楽器の形のスポンジや栓抜きなど、おもしろいものがたくさんありました。私の好きなお香が売っていたので、今回はお香を購入。小学校の頃に使っていた、よい匂いの消しゴムとまったく同じ香りでつい購入してしまいました。

 考えてみると、昔はこういうアメリカンな雑貨屋さんがたくさんあったように感じますが、最近はあまり見なくなりましたね。私が中学生くらいの頃、こういうお店が大好きでよく原宿に通った覚えがあります。そんな懐かしい気持ちになりながらの買い物になりました。

ガラクタ貿易
食器や洋服、バッグなども
遊び心にあふれたかわいい雑貨たち

 続いてレトロでかわいいお菓子屋さん「菓子屋シノノメ」に入ってみました。こちらは喫茶店「半月」の姉妹店で、内装も古めかしくてすごくかわいいです。大正浪漫という言葉がぴったりくるような店内で、蔵前はこういった雰囲気のお店が多いですね。

 古いものやヴィンテージ好きな私と旦那さんは、こういうお店が大好きなのでスイーツを買い物しているだけでも、まるでアトラクションに乗っているようなワクワクした気分になります。今回はフロランタンとシュトーレン風ビスコッティを購入しました。

 ビスコッティはシナモンが効いていて、ドライフルーツもたっぷり。コーヒーにつけて食べるとホロホロになり、そのままでも「硬過ぎて食べられない」というほどではないので、硬いものが好きな人なら美味しく食べられると思います。

 フロランタンはクッキー部分が厚めのタイプで、アーモンドヌガーはネットリとしつつも、クッキー部分はバターがたっぷりでサクサク。2つの食感のコントラストを楽しむことができます。

レトロな雰囲気で絶品スイーツが買える菓子屋シノノメ

 ここからまた少し歩いていくと、お茶屋さん「Nakamura tea life store」がありました。こちらは静岡県のお茶屋さんで、有機栽培のお茶が売りだそうです。

 レトロな店内と雰囲気がとても素敵で、お茶の甘い香りがたまりません。特にほうじ茶や緑茶が香り高く、お茶の香りを嗅いでいるだけでもリラックスできました。

Nakamura tea life store

 そして、そこから近くにサンドイッチ屋さん「マルセリーノ・モリ」を発見。イートインもあるそうですが、この日は持ち帰りで「えびステーキサンド」を購入しました。

 お行儀がわるいけれど、まさに食べ歩きで歩きながら美味しくいただきました。ほかのフルーツサンドなども、次回は試してみたいところです。

サンドイッチ屋さん「マルセリーノ・モリ」
えびステーキサンド

寒い日ならではのホットチョコレートとスイーツで暖を取り休憩

 そして、すごく寒い日だったので、暖かい飲み物をということでダンデライオン・チョコレートのファクトリー&カフェに行きました。こちらは行列ができるほどの人気店ですが、私たちも少し並んで入店。

 外国人の方もちらほらいらっしゃってました。2階にも席があり、広々としていてゆったり時間を過ごすことができます。私たちは、私はオーソドックスな「ハウスホットチョコレート」、旦那さんは少しスパイスの入ったスパイシーな「ミッションホットチョコレート」を注文。

 さらに、季節限定の「シュトーレン」とこのお店の代名詞とも言えそうな「H2Oチョコレートムース」を注文しました。このチョコレートムースが本当に濃厚なカカオの香りと舌触りがなめらかで、高貴さすら感じるお味でした。

 店内全体がカカオの香りで満たされていて、それだけでもとてもリラックス効果があります。

 その昔、私はカカオセレモニーというものを受けたことがあります。鼻からカカオの粉を吸い、ものすごい多幸感に包まれ、そこから自分の人生や身体へのインスピレーションを受け取る、というような不思議なセレモニーです。やっぱりカカオには、人を幸せにする力があるんですね。

 私が頼んだハウスホットチョコレートは、少し酸味を感じる爽やかさもあり、カカオ本来の味をしっかり感じることができました。旦那さんの頼んだスパイス入りのミッションホットチョコレートは少しピリ辛で、香りだけでなく味覚でも刺激があるようなホットチョコレートでした。

 カカオとスパイスが合うというのは、なんとなく想像がついていましたが思った以上の相性のよさでした。シュトーレンもドライフルーツがたっぷり入っていて、しっとりしていてとても美味しかったです。

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ
スイーツの種類も豊富
どれも絶品で、カカオの豊かな風味を堪能

最後は日本らしいお蕎麦で締め

 ホットチョコレートで温まったら、少しお散歩しようということで浅草寺方面に歩いてみました。最初はお参りするつもりで歩いていたのですが、参道を歩いていたら旦那さんが「思ったより遠いな」と言い出し、仲見世を少し見てから方向転換。

 そろそろ夕飯を食べておこうということで、おそば屋さん「尾張屋」に入りました。ここに来て初めて日本を感じるような流れになりましたが、私はちょうど季節の柚子のおそば「柚子切り」、旦那さんは「上天ぷらそば(車えび)」を注文。なんだか江戸前という雰囲気です。

 冬のこの時期の柚子のおそばは爽やかで喉越しもよく、ツルツルのおそばはとても美味しかったです。旦那さんの海老天も少しいただきましたが、ごま油が効いてさっくり揚がっていて絶品。やっぱりおそばというと江戸というか、和を感じますね。そばつゆがしょっぱいところに、江戸を感じます。

 私の祖母の家の福井県は、かなり甘めのそばつゆなので、地方によっていろいろ違いがあるのがおもしろいです。おそば自体もツルツルのプリプリで、江戸前らしいおそばでこの日を締めくくれて大満足でした。

浅草のお蕎麦屋さん「尾張屋」
老舗らしい店内
冬限定の柚子切り
上天ぷらそば(車えび)

 レトロなお店を求めての蔵前散歩でしたが、思った以上に多国的な雰囲気で異国情緒も楽しめました。

 浅草寺が近いこともあり、浅草の江戸前な雰囲気も味わうことができつつ、おしゃれなカフェやレトロな空気感を楽しめる蔵前は、最高のお散歩スポット。

 そして、カフェも飲食店も、どこも提供してくれる飲み物や食べ物のクオリティが高く、満足度がめちゃくちゃ高かったです。特にスイーツは本当に美味しかったので、甘いものやお菓子が好きな方はぜひ蔵前のカフェ巡りを楽しんでほしいと思います。

 寒い冬になると外に出るのもなかなかおっくうになってしまいますが、お店に入りながら端から端まで歩く街歩きだと、旅行気分も味わいつつ楽しくお散歩することができました。浅草観光のついでに、蔵前も寄ってみる価値は十分あると思います。

 外国の方だけでなく、日本の方でも蔵前を訪れたことがある方はまだそう多くはないと思うので、ぜひ浅草観光のついでに蔵前散歩はいかがでしょうか。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。たまにアルトサックスも吹きます。1986年10月10日生まれ。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。
ブログは https://kotone1010.com/