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JAL赤坂社長「羽田は内際のハブ、成田は際際のハブに」。成田から9路線を移管する羽田発着枠を説明

成田~シカゴ線を2021年2月15日開設

2019年11月19日 実施

日本航空株式会社 代表取締役社長 赤坂祐二氏

 JAL(日本航空)は11月19日、本社で定例会見を開き、代表取締役社長の赤坂祐二氏と常務執行役員 国際路線事業本部長の大貫哲也氏が出席。2020年度の路線計画を説明した。

 既報のとおり、羽田空港では2020年度夏期スケジュール(2020年3月29日~)から昼間時間帯の国際線発着枠を拡大し、1日あたり50便の増便が行なわれる。このうち、JALとANA(全日本空輸)が25便、相手国企業が残り25便を運航することが決まっている(関連記事「羽田空港国際線、昼間増枠の配分が決定。JALとANAはコメントを発表」)。

 また、25便のうち、JALに11.5便分、ANAに13.5便分が配分されている(インド路線は深夜早朝枠と組み合わせるため0.5便扱い)。会見でも、羽田の国際線運航便数が現在の1日22便から34便へ大幅に増えることが説明され、具体的な計画としては、成田発着で運航していた主要路線の一部(9便)を羽田に移管、さらに3便を純増する。

 一方成田では、空いた枠を使ってウラジオストク、ベンガルール(バンガロール)、サンフランシスコなど発表済みの路線を開設するほか、グアム線は増便実施、2021年2月15日からは夕方発着のシカゴ線を就航する。空いた枠はJAL運航便だけでなく、ZIPAIR Tokyoが運航するバンコク線とソウル(仁川)線も割り当てられている(関連記事「JAL、成田~サンフランシスコ線開設。ウラジオストク線は2月28日、バンガロール線は3月29日就航」)。

羽田空港

成田から羽田へ移管(2020年3月29日~)

ニューヨーク、ダラス、シカゴ、モスクワ、デリー、ホノルル2便、シドニー、ヘルシンキ

純増分(2020年3月29日~)

ロサンゼルス、大連、上海

成田空港

JAL運航便

ウラジオストク(2020年2月28日~)
ベンガルール(2020年3月29日~)
サンフランシスコ(2020年3月29日~)
グアム(2020年7月1日~)
シカゴ(2021年2月15日~)

ZIPAIR Tokyo運航便

バンコク(2020年5月14日~)
ソウル(2020年7月1日~)

未定

2020年度中に3~5便を予定

 今後の羽田/成田の運用イメージについて、赤坂氏は「羽田は内際のハブ、成田は際際のハブ」と表現した。羽田は国内線の大きなネットワークを活かして、首都圏利用者の利便性向上、地域活性化、インバウンドの送客促進を図り、内際(国内線と国際線)のハブ機能を強化していく。

 その結果、2020年度末の就航都市は海外23都市、国内33都市となる見込み。

 一方、成田は2021年開設予定のシカゴ線が象徴するように、北米~アジアをつなぐ際際(国際線と国際線)のハブ機能を強化していく。同時にウラジオストクのような新路線への挑戦、ZIPAIRの運航拠点、インバウンドの促進も実現して、「新しいものを作り上げていく」という。

 成田の2020年度末の就航都市は、海外約30都市、国内4都市になる見込み。

 なお、会見で示したスライドでは成田の新規路線について「2020年度中に3~5便」と表現しており、ZIPAIR運航便も含めて「既存路線の強化と新路線への挑戦、両面を検討している」とのこと。

日本航空株式会社 常務執行役員 国際路線事業本部長 大貫哲也氏
会見で示されたスライド
成田からの移管路線と新規路線