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国交省、「羽田発着枠配分基準検討小委員会」初開催。ANA、JALなどがオブザーバーに
2020年以降の発着枠配分のあり方について検討
2019年1月31日 00:38
- 2019年1月30日 開催
国土交通省は1月30日、2020年以降の羽田空港の発着枠配分のあり方について検討を行なう「羽田発着枠配分基準検討小委員会」を初開催した。
羽田発着枠配分基準検討小委員会では、2020年1月に5年の期限となる羽田空港の使用許可について、羽田空港を取り巻く状況の変化などを踏まえて、2020年夏期ダイヤ(2020年3月29日~)以降の羽田空港の発着枠配分のあり方について、専門的・技術的見地から検討を進め、夏ごろを目途に発着枠配分のあり方について内容をとりまとめる。第1回は羽田空港発着枠の検討課題と現状について議論が進められた。
委員会は、東京女子大学 現代教養学部国際社会学科教授 竹内健蔵氏を委員長とし、千葉商科大学 サービス創造学部教授 安藤和代氏、東京大学大学院 経済学研究科教授 大橋弘氏、慶應義塾大学 商学部教授 加藤一誠氏、東京工業大学 環境・社会理工学院融合理工学系教授 花岡伸也氏、東洋大学 国際観光学部教授 矢ケ崎紀子氏が委員として参加した。
また、オブザーバーとしてソラシドエア 代表取締役社長の髙橋宏輔氏、AIRDO 代表取締役社長の谷寧久氏、JAL(日本航空)常務執行役員 経営企画本部長の西尾忠男氏、ANA(全日本空輸)執行役員 企画室長の平澤寿一氏、スターフライヤー 代表取締役社長 執行役員の松石禎己氏、スカイマーク 専務取締役 執行役員の本橋学氏が参加した。
冒頭にあいさつした国土交通省 航空局 航空局長の蝦名邦晴氏は、「昨年度の我が国の国内の航空旅客数は1億人を超え、そのうち6割が羽田空港を利用しております。羽田空港は我が国航空ネットワークの中核となる基幹空港で、我が国の競争力の強化という観点でも重要な役割を担う拠点となっております。この大変混雑している混雑空港で、国内線の使用許可の期限が2020年1月末に到来するということで、前回とりまとめていただいた考え方にもとづいて、各航空会社の発着枠の使用状況や取り組みを検証して、その後の発着枠配分のあり方について基本的な考え方を整理していただくためにこの小委員会を開催いたします」と述べた。
加えて、「航空を巡る状況はさまざまに変化しており、LCC(格安航空会社)路線の拡大、新幹線網の発達、旺盛なインバウンド需要とそれに伴う国内の人の流れの変化といった大きな変化があるなかで、委員の皆さまには羽田空港における競争の促進、多様な輸送網の形成などのさまざまな視点から、きたんのないご意見をいただきたい」と考えを示した。
委員長の竹内健蔵氏は「少子高齢化など世の中が変化している状況にうまく対応できるのか、(空港は)国民にとって貴重な資産でありますからそれをいかに有効に活用するのか、地域にネットワークが行き届くことも大事なことです。(そういった)さまざまなことを考えながら、よりよい枠の配分ができるようにしていきたい」と考えを述べた。
第1回の議事では、羽田空港発着枠の検討課題と現状について議論が進められ、委員からさまざまな意見が出された。そのなかで、羽田空港を発着する地方路線については、収益性だけではない地方の足としての路線維持の重要性を確認するとともに、羽田発着枠へのLCCの参入の可能性、インバウンド需要に向けて将来的な国内線枠と国際線枠の配分見直しが議論になりえるかなどの意見も出された。
今後、委員会は月1回程度開催され、「各航空会社の発着枠の使用状況や取り組みの確認」「発着枠の回収・再配分における基本的な考え方」「発着枠の回収ルールと回収の規模」「再配分にあたっての評価項目等」「市場メカニズムを活用した配分方法」「羽田発着枠政策コンテスト等の制作枠の取扱い」などについて検討が進められ、夏ごろをめどにとりまとめを予定している。
次回、第2回では羽田空港の国内線就航6社より主な検討事項等を中心とした内容についてヒアリングが実施される。