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成田空港、航空旅客11億人達成。田村社長「皆さまに愛され選ばれる空港になるように努力」とあいさつ

11億人目の家族はANA便で豪パースへ出発

2019年11月21日 実施

成田空港の開港以来の航空旅客が11億人を突破し、記念のセレモニーが開かれた

 NAA(成田国際空港)は11月21日、開港以来の航空旅客数が11億人を達成。11億人目の旅客を迎えて、セレモニーを実施した。

 成田空港は1978年5月20日に開港して以来、約41年6か月が経過。2014年12月22日の航空旅客9億人達成から2017年7月28日の10億人達成まで2年7か月を要したのに対し、10億人から2019年11月21日の11億人までは2年4か月で達成している。

 セレモニーであいさつしたNAA 代表取締役社長の田村明比古氏は、「1978年5月に開港しているが、その年の旅客数は年間900万人だった。当時は1本の滑走路、1つのターミナルで開港したが、航空需要の増大に対応し、2本目の滑走路ができ、第2ターミナル、第3ターミナルと増築され、いまでは年間4300万人を超えるお客さまにご利用いただいている。昨年(2018年)は4300万人だが、今年(2019年)はさらに増えており、開港当初の900万人からほぼ5倍のお客さまとなる」と、旅客数の伸びをデータで紹介。

 今後の成田空港については、「来年(2020年)は東京2020オリンピック・パラリンピックがある。当空港も日本の玄関として世界に恥ずかしくないように、安全で安心、そして快適な空港として外国のお客さまをお迎えできるように、いろいろなプロジェクトを会期までに完遂できるよう進めている。ちょうど2週間前には、当空港のさらなる機能強化に向けた施設変更の許可申請を出した。機能強化が1日も早く実現できるよう、地域の皆さまのご理解をたまわりながら、これまで以上に丁寧に取り組みたい」との意気込みを示し、「空港作りは地域作りの理念の下で、地域とともにさらに発展していきたい。お客さま、航空会社、地域の皆さまに愛され選ばれる空港になるように努力してまいりたい」とあいさつを締めた。

成田国際空港株式会社 代表取締役社長 田村明比古氏

 続いて登壇した、成田空港圏自治体連絡協議会 会長で成田市長の小泉一成氏も、開港に至る経緯や開港後の発展について触れ、「(開港時の)式典で、時の運輸大臣であった福永健司氏が『難産の子は健やかに育つ』と祝辞を述べたのは有名だが、その言葉どおり、今日に至る41年の間に、第2旅客ターミナルの完成、並行滑走路の供用開始、第3旅客ターミナルの完成と、着実に日本の空の玄関としての道を歩んできた」とコメント。

 年間旅客数や発着回数、外国人旅客数が年々増える昨今の状況に言及したうえで、「そのような状況のなか、2018年3月に第3滑走路整備をはじめとする成田空港のさらなる機能強化が合意された。先月10月27日の2019年冬ダイヤからは、A滑走路において成田空港開港以来初めて、夜間の離着陸時間を1時間延長した24時までに変更され、着々と機能強化が進みつつあり、さらに大きく飛躍しようとしている」と将来を見据え、「成田空港は日本の空の玄関であると同時に、この地域にとっては大きな核となる財産でもある。来年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、成田空港を擁する周辺市町としては、これらの追い風を千載一遇のチャンスと捉え、空港周辺地域の振興・発展につなげたいと考えている」との意欲を語った。

成田空港圏自治体連絡協議会 会長を務める成田市長 小泉一成氏

 セレモニーではその後、くす玉開披を実施。NAAの田村社長のほか、11億人目の旅客を迎えたANA、国交省、農林水産省、財務省、法務省、千葉県、成田市、芝山町、香取市、多古町、富里市、栄町、横芝光町、神崎町の代表者、そして11億人目の旅客となった近藤敬秀さん、泰夏さん、路生くんのご家族が参加し、くす玉を開いて11億人達成を祝った。

 近藤さんには司会者からのインタビューも行なわれ、11億人目の旅客となったことへの感想を求められると、「ご連絡いただいたときは驚き、同時に半信半疑だったが、こういったセレモニーでくす玉割りやインタビューを通じて、本当に11億人目に選ばれたと実感してきた。多くの方のなかから11億人目になったことを光栄に思うし、息子がとても楽しみにしていたのでよい記念になった」とコメント。成田空港の利用は7回目で「ラッキーセブン」と笑いと誘った。

 この日はNH881便で豪パースへ出発とのことで、「メインは家族旅行。妻との結婚6周年の日が今月末なので。少しビジネスも兼ねている」と紹介。「息子がコアラやカンガルーを楽しみにしているので、自然と触れ合うことをメインに楽しみたい」という。

 インタビューでは成田空港への印象と今後に期待することについても問われ、「以前と比べてどんどん大きく、きれいになっていると感じる。期待することとしては、2019年のラグビーワールドカップが終わったが、来年はオリンピック・パラリンピックで多くの外国の方が来られるので、外国の方に使いやすい空港、そして、また日本に戻ってきたいと思っていただけるような成田国際空港を作っていただければと思っている」と話した。

 近藤さんへはNAA、ANAからそれぞれ記念品を贈呈。ANAからは路生くんにもモデルプレーンがプレゼントされ、喜びの表情を見せていた。

11億人目の旅客となった近藤さんご家族が招かれた
くす玉開きには関係省庁、航空会社、周辺自治体の代表者が参加
成田国際空港株式会社 代表取締役社長 田村明比古氏から記念品を贈呈
全日本空輸株式会社 執行役員 成田空港支店長の石田洋平氏からは、近藤さんと息子の路生くんへそれぞれエアバス A380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」のモデルプレーンをプレゼント

 NAAは11月21日、第1~第3の各ターミナル出発ロビー保安検査場前で、旅客11億人達成を祝う記念品「サクラ箸」を配布した(10時30分~12時30分に配布)。

航空旅客にプレゼントした記念品の「サクラ箸」
ターミナル内の至るところで11億人達成を祝うサイネージを掲出