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JAL、“2時間半で行けるヨーロッパ”ウラジオストク線就航。藤田副社長「令和の使節団として文化交流を」

2020年2月28日 就航

JALが成田~ウラジオストク線を就航した

 JAL(日本航空)は2月28日、成田国際空港~ロシア・ウラジオストク国際空港線を就航した。

 2月28日から3月28日までは週3便で運航し、3月29日からは毎日運航する。機材は144人乗りのボーイング 737-800型機で、ビジネスクラス12席、エコノミークラス132席の2クラス制。往路は約2時間30分、復路は約2時間10分と短いフライトだが、軽食ながら食事の提供も行なう。

JALの成田国際空港~ウラジオストク国際空港線(2020年2月28日~3月28日)

JL423便: 成田(11時30分)発~ウラジオストク(14時55分)着、水・金曜運航
JL423便: 成田(10時40分)発~ウラジオストク(14時05分)着、日曜運航
JL424便: ウラジオストク(16時15分)発~成田(17時30分)着、水・金曜運航
JL424便: ウラジオストク(15時35分)発~成田(16時50分)着、日曜運航

JALの成田国際空港~ウラジオストク国際空港線(2020年3月29日~)

JL423便: 成田(10時50分)発~ウラジオストク(14時15分)着、毎日運航
JL424便: ウラジオストク(15時25分)発~成田(16時40分)着、毎日運航

駐機場で出発を待つJL423便(ボーイング 737-800型機)
初便の利用者には記念品として、搭乗証明書、クリアボトル、ウェットティッシュ、ボールペンを配布した
「2時間半で行けるヨーロッパ」
ウラジオストク行き。3月28日までは週3便で運航する
飾り付けにはところどころにマトリョーシカのバルーンが
搭乗橋でも発見

 ウラジオストクはロシアの極東に位置する港町で、東京(成田)からなら沖縄よりも近い。日本のパスポート保有者なら、2017年から無償の電子ビザで渡航できるようになっており、「2時間半で行けるヨーロッパ」として観光人気の高まっているエリアだ。

 遡れば、1855年(安政2年)に日本とロシア帝国(当時)の間で結ばれた日露和親条約を機にロシア船が下田や函館を訪れるようになり、往来が活発化。日本からもウラジオストク(ロシア領になったのは1860年の北京条約後)などへの交流が始まったという。その後、旧日本軍が支配する時期などを経て、現在もウラジオストクには旧日本人街の面影が残っている。

 就航当日、成田空港ゲート前の式典に出席したJAL 代表取締役副社長の藤田直志氏は、ロシアの航空会社であるS7航空と2018年からコードシェアを実施していること、アエロフロート・ロシア航空と3月29日からコードシェアを実施することを説明するとともに、2023年までに両国で年間40万人の交流を目指しており、この就航で拡大を促進したいと意欲を見せた。

 また、1855年が浦賀沖へのペリー来航(嘉永7年の二次来港)の翌年であることを紹介しつつ、「165年が経過して、新たに空から就航するのは感慨深い。皆さんが令和の使節団としてロシアで積極的に文化交流してほしい」と利用者に呼びかけた。

日本航空株式会社 代表取締役副社長 藤田直志氏
「この就航が交流拡大の刺激になることを期待している」と話した駐日ロシア連邦特命全権大使 ミハイル・ガルージン氏
JL423便の機長を務めた鈴木大介氏

 新型肺炎の影響で式典は当初の予定より縮小して実施したが、ほとんどキャンセルはなかったようで搭乗者は117名(ビジネスクラス11名、エコノミークラス106名)。初便搭乗者には記念品を用意しており、藤田氏が先頭に声をかけながら手渡していた。

藤田副社長が先頭に立って記念品を手渡していた
737-800型機のビジネスクラスのシート
エコノミークラスのシート
機内でもマトリョーシカのバルーンがお出迎え
成田空港を飛び立つJL423便(撮影:編集部)
2時間半の短いフライトながら食事も提供
初便を記念したチョコレートケーキも
軽食の包装紙はウラジオストクの案内図になっていた
空港に到着
ウラジオストク空港では歓迎式典と出発式典が行なわれていた
現地メディアのインタビューに応える日本航空株式会社 代表取締役会長 植木義晴氏
ウラジオストク国際空港