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JAL、第70期定時株主総会。ハワイ路線はJALの優位性を強調、羽田発着枠増に向けて秋ごろに増便など発表予定

2019年6月18日 開催

JALが第70期定時株主総会を開催した

 JAL(日本航空)は6月18日、第70期定時株主総会をTKPガーデンシティ品川(東京都品川区)で開催した。

 代表取締役社長の赤坂裕二氏が議長を務め、株主の出席者は1149名(12時51分閉会時点)、議決権を行使した株主数は4万1651名(議決権数は207万6064個)。なお、3月31日時点の株主総数は12万3474名で、株式発行数は3億4902万8700株、議決権を有する株主は14万2504名、議決権数は294万2191個となっている。

 総会の冒頭では2017年から2018年にかけて起こった乗務員の飲酒問題に触れ、会場の株主に陳謝した。「本件につきましては、着実に再発防止策を実行するとともに、本質的な課題抽出に着手しています。皆さまからの信頼を1日も早く回復できるよう、全力で取り組んでまいります」と話した。

 その後、株主に対して2018年度の事業報告を行なうとともに、2019年度以降の事業計画を説明した。そして2018年度のグループ売上高は1兆4872億円、営業利益は1761億円、営業利益率は11.8%であったことを報告した(関連記事「JAL、2018年度連結決算は増収増益で営業利益1761億円。有償座席利用率が国際線/国内線ともに史上最高を更新」)。

議長を務めた日本航空株式会社 代表取締役社長 赤坂裕二氏

 事業計画については「世界のJAL×一歩先を行く価値の創造×常に成長する」という3つの柱を掲げた「JAL Vision」に加えて、「2017~2020年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2019」では具体的な数値目標を設定し、2020年に予定されている羽田空港や成田空港の発着枠拡大を活用した東京オリンピック・パラリンピックの成功、さらなる訪日外国人の誘致など「首都圏空港の機能強化への対応」に注力することを紹介。国際線の就航便数が約4割増加予定の羽田空港については、2019年の秋ごろに同社の具体的な便数や航路を発表する予定だ。

 成田空港では、JALの100%子会社である中長距離LCC「ZIPAIR Tokyo(ジップエア トーキョー)」が2020年の夏期から運航を開始する(関連記事「JALの新LCC『ZIPAIR Tokyo』発表会。『太平洋を渡りたい』と西田社長」。

 ANA(全日本空輸)が超大型旅客機「エアバス A380型機」を投入してきたハワイ路線について、JALでは東京~ホノルルに加え、ハワイ島のコナまで飛ぶ直行便を就航しており、大阪や名古屋からの便があること、ハワイアン航空とのコードシェア提携によりハワイ各地への渡航も便利なことから、自社の優位性を強調した。

 一方、後発であるシアトル線は、同地を拠点とするアラスカ航空との提携を強化することにより、アメリカ西海岸を中心としたネットワークを構築するとしている。

 また、低騒音で燃費の改善が図られたエアバスの新型機であるA350-900型機を導入することも報告。機内では垂直尾翼に取り付けられたカメラからの迫力ある映像が楽しめることも合わせて紹介された。

質疑応答抜粋

 総会に上程された議題は3つで、剰余金処分については、株主への配当を1株につき55円とする(第1号議案)、取締役10名の選任(第2号議案)、監査役1名の選任(第3号議案)。1株あたりの配当は、中間配当55円と合わせて110円とした。

 質疑応答は総会終了予定時刻の12時を過ぎて12時51分まで行なわれ、飲酒問題に絡む安全について多くの株主が質問した。以下、主な質疑を抜粋する。

 飲酒問題は2018年10月28日のJL44便(ロンドン・ヒースロー国際空港~羽田空港線)に乗務予定だった副操縦士から、英国の基準を上回るアルコール量が検出され、現地警察に拘束されたのちに逮捕された件や、12月17日のJL786便(成田~ホノルル)において、ビジネスクラス担当のCA(客室乗務員)から機内の呼気検査でアルコールが検知された飲酒事例が立て続けに起きたもの。

 安全上、重大なリスクをはらむ行為であることから質問者からは「飲酒問題で本質的な課題を抽出して解決を目指すとしているが、まったく具体的なものが見えてこない。それと合わせて労働環境はどうなっているのか」と厳しい声が上がった。

 これに対しては3つの改善策をもって対応しているところであり、厳格なアルコール検知システムの導入、訓練状況などからストレスがかかっていないかのチェック、安全のプロとしてアルコールに対する意識教育の徹底を図っていると担当役員が説明した。加えて赤坂氏も「いろいろな施策を持って乗務員のストレス解消を図ってきましたが、一人一人のレベルにまでは届いていなかった可能性があります。全体としての健康管理をもっと踏み込んだ形で行ない、組織としてしっかりチェックするような仕組み作りに取り組んでいます。私としても非常に重要な問題であると認識しています」と回答した。

「離陸直前に子供連れがトイレに入ってしまったのに、そのまま離陸してしまったという話を聞いたが、安全上問題ないのか」という質問に対しては、離陸や着陸の直前はパイロットに安全第一で操縦に専念してもらうためにCA(客室乗務員)から連絡しない時間帯があることを紹介。非常にまれなケースではあるが、その際は必ずCAが声をかけて、トイレから出ないよう、しっかり手すりにつかまってもらうよう指示するとのこと。また、そのような事態が起きないように、搭乗直後の時間帯にトイレ使用の案内をしたり、着陸前はパイロットからシートベルト着用サインが出る時間帯を聞き取り、子供を中心に事前に済ますよう積極的にアナウンスをしていると答えた。

 3つの議案はすべて原案どおり可決され、総会は閉幕した。