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星野リゾート、旭川グランドホテルを「OMO7 旭川」へリニューアル・報道公開
新ブランド1号店。「ご近所専隊 OMOレンジャー」が旭川をガイド
2018年5月1日 14:09
- 2018年4月28日 リニューアルオープン
星野リゾートは北海道旭川市にある「星野リゾート 旭川グランドホテル」を、新ブランド「星野リゾート OMO7 旭川」として4月28日にリニューアルオープンするのにあたり、地元関係者や報道を招いてのセレモニーと内覧会を行なった。
1920年(大正9年)に「北海屋ホテル旭川支店」として開業した長い歴史を持つ「旭川グランドホテル」を母体に、「星のや」「リゾナーレ」「界」に続く星野リゾート4つ目のブランド「OMO」の1号店として新しいスタートを切ることになる。
星野リゾート OMO7 旭川
所在地:北海道旭川市6条通9丁目
アクセス:JR旭川駅から徒歩13分
客室数:237室(DANRAN Roomは115室)
チェックイン/チェックアウト:15時/11時
料金:2名1室利用時の1名あたり5000円~(サービス料込み)
TEL:0166-24-2111
Webサイト:星野リゾート OMO7 旭川
「OMO」は「旅のテンションを上げる都市観光ホテル」
星野リゾート 代表の星野佳路(よしはる)氏は、OMOブランドとOMO7 旭川の概要について説明した。
新ブランド「OMO」のコンセプトは「旅のテンションを上げる都市観光ホテル」。「都市型ホテルがビジネス客ではなく観光客のことを考えて建物とサービスを提供するときにホテルはどうあるべきか」をテーマに掲げている。
ラグジュアリーホテル「星のや」、リゾートホテル「リゾナーレ」、温泉旅館「界」とは別に、星野リゾートが手がける新しい都市型ホテルを検討していたときに「旭川グランドホテル」という案件に出会ったことから、OMOブランドとOMO7 旭川が生まれることになったという。5月9日には東京・大塚に2号店として「星野リゾート OMO5 大塚」が新規開業する予定だ。
地方都市にある従来型の典型的なグランドホテルは「宿泊」「ブライダル」「宴会・会議」「レストラン」の4つを主な柱にしてきたが、宿泊に特化したチェーン系のビジネスホテル、ハウスウェディングのようなスタイルの普及、宴会・会議やレストランも地域の専門業者と競合し、日本の各地にあるグランドホテルは苦戦している。
そしてこれらの分野について、地域と対決するのではなく共存しながら育て、都市型ホテルの新しい成長モデルを形作るためにも「長く使ってきたグランドホテルという名前を変える必要がある」という。「旭川グランドホテル」という名前は地元・旭川の多くの人が知っているが、日本全国で見ればこの名前の認知率は非常に低いそう。チェーン展開しているホテルはブランド名の認知率が高く、予約が集まりやすい環境ができている。旭川グランドホテルにも予約が集まりやすい環境を作るには、日本人にも海外の人にも知って・覚えてもらい、スケールメリットを活かせるようなところまでいかなければならない。それが「OMO」という新しいブランドを作り、旭川グランドホテルを改名することにした最大の理由だという。
また、地域のホテルのなかで旭川グランドホテルの最大の強みは長年務めているスタッフ、特に調理陣の人員の数は「ほかの競合ホテルより圧倒的有利」であり、星野リゾートが得意とする滞在の演出や料理を通じて、より充実したサービスを提供できる。「グランドホテルをどう変えられるか、全国のホテル業界、投資家にOMOは注目されています。なんとか目標どおりの顧客満足度、成長、業績を残すことで、次の世代のグランドホテルのあり方を模索していきたいと思います」と述べて、あいさつを終えた。
旭川観光の拠点としての「星野リゾート OMO7 旭川」
続いて星野リゾート OMO7 旭川 総支配人の日生下(ひうけ)和夫氏がホテルについて説明した。
全237室ある客室のうち、115室を「団らん」をコンセプトにした「DANRAN Room」(広さは約18m2)に改装。2台のベッドの間に設けた「DANRANテーブル」には緑の芝生シートが敷かれ、ベッドをソファ代わりにして2人でテーブルを囲めるようになっている。ベッドの下に収納スペースを設けており、スーツケースを滑り込ませることもできる。それぞれのベッドにはプライベート感のあるヘッドボードが設けられ、読書灯、AC電源コンセント、充電用USBポートなどを備えている。
地元民ならではの情報を宿泊客に提供する「Go-KINJO(ゴーキンジョ)」
ホテルを中心とした街全体を「1つのリゾート」とし、宿泊客には「ホテルにこもらずどんどん街に出かけてほしい」というOMOブランドの考えに基づき、OMO7 旭川を旭川観光の拠点としてもらうために、1階のロビーラウンジを「OMOベース」としてリニューアル。地元民だからこそ知っている情報を宿泊客に提供するサポートサービス「Go-KINJO(ゴーキンジョ)」を展開する。
Go-KINJOは「ご近所マップ」「ご近所専隊 OMOレンジャー」「体験レポート(街探索のおすすめコース案内)」「ご当地ワークショップ」の総称。OMO7 旭川、ホテル周辺のショップ、旭川大学吉田ゼミナールが産学連携で共同制作した「ご近所マップ」という観光案内冊子を宿泊客に配布。ラム酒だけを取り扱う独自のポリシーを持った店、地元の常連客が集うアットホームな雰囲気の店など、ガイドブックにも載っていない地元民だから知っている64店舗の紹介と地図を掲載している。
また、OMOベースには「ご近所マップ」の象徴として直径2mの巨大マップが設置されており、OMO7 旭川から歩いて500歩圏内のラーメンや新子焼き(若鶏の半身焼き)、塩ホルモンなどローカルに愛される路地裏の味や、カフェ、雑貨屋などOMOのスタッフがおすすめするこだわりのスポットを紹介。情報は随時更新されるため、このマップを見れば街の「最新」を知ることができるという。
友人のように街を案内するガイドチーム「ご近所専隊 OMOレンジャー」
友人が暮らしている場所に旅すると、行きつけのお店や地元民しか知らない特別な場所に連れて行ってもらえたり、地元のコミュニティに参加できたりと、ガイドブックには載っていない特別な体験ができる。その体験を提供するのが、友人のように街を案内するガイドチーム「ご近所専隊 OMOレンジャー」。散歩ガイドの「OMO GREEN」、旭川の飲み歩きガイドの「OMO RED」、路地裏グルメガイドの「OMO YELLOW」、旭川の定番グルメガイドの「OMO BLUE」、インスタ映えするスポットガイド「OMO PURPLE」の5人から選んで前日の22時までに予約すれば、旭川のディープな魅力をガイドしてくれる。
星野リゾート OMO7 旭川「ご近所専隊 OMOレンジャー」
得意分野:
[OMO GREEN]散歩
[OMO RED]飲み歩き
[OMO YELLOW]路地裏グルメ
[OMO BLUE]定番グルメ
[OMO PURPLE]インスタ映えスポット
所要時間:OMO GREENは1時間、それ以外は2時間
料金:OMO GREENは無料、それ以外は参加1名あたり1000円 ※ガイド中に発生する飲食料やプログラム参加料は別途有料
「OMOカフェ&バル」では朝からテンションが上がる「北海道の美しい朝食」を提供
星野リゾート OMO7 旭川 料飲オペレーション ディレクターの工藤勝志氏が、1階の「OMOカフェ&バル」について説明した。
OMOカフェ&バルでは朝食ビュッフェ、ランチ、カフェ、バータイムと時間帯によってスタイルが変化する。朝食ビュッフェでは、「北海道の美しい朝食」をコンセプトに「朝からテンションが上がる」メニューを提供。ホテルクオリティのパンなどとともに注目なのは、目の前で焼き上げるワッフル。北海道らしく生地にジャガイモを加え、「香ばしくそれでいて朝から楽しめるライトな仕上がり」で、自家製のソースやトッピングで、食事ワッフルとしてもデザートワッフルとしても楽しめる。
朝食ビュッフェ
営業時間:6時30分~9時30分
料金:大人2500円、7~11歳2000円、4~6歳500円
ランチメニューは、ぎっしりとタラバガニの身が詰まったクリームコロッケ、エビやホタテなど存在感のある海の幸が魅力のグラタン、煮込んだ牛ホホ肉が入ったホテルカレー、フォアグラ丼など「ランチ7(セブン)」と題して7種を用意。「ご当地サンドイッチ」は半年ごとに新作を投入。第1弾のサンドイッチは、北海道民のソウルフード「ホッケフライ」を挟んだものを提供する。
ランチ
営業時間:11時30分~14時
カフェ
営業時間:14時~16時
バータイムではOMOカフェ&バルは「ディナーのスタートとゴール」という位置付けで、食前酒や前菜を楽しむ場、近所の飲食店で夕食を終えてからもう1杯、あるいはデザートを楽しむ場として機能する。塊から切り立ての生ハムを赤肉メロンと合わせたものや、北海道の文化となっている「シメパフェ」などを提供する。
バータイム
営業時間:16時~24時(ラストオーダー23時30分)
スタンダードなツインルームも必要なものが揃い快適に過ごせる
そのほか公開された1階部分、17階の「スカイバンケット」、記者が試泊させてもらったスタンダードなツインルームなどを写真とともに紹介する。1階正面玄関から入ってすぐ右手には「ウェルカム蛇口」があり、クマがサケに噛み付き、サケがクマに噛み付いたおもしろいデザインの蛇口をひねると、ハスカップジュースが出てくる仕掛けだ。旭川グランドホテル時代から活躍している外気温計は残されている。スポーツ用品店を併設しているので、自転車などのアクティビティ関連のレンタルサービスも提供している。自転車なら活動範囲もぐっと広がる。館内は無線LANが提供されており、1階はOMOベースを中心に各所にAC電源コンセントが豊富にあるため、PCやスマホで観光の下調べをしたり、一仕事したりと利便性が高い。
ツインルームには有線LANのコネクタとケーブルも用意されていた。枕元にはコンセントは備わっているが、充電用USBポートはDANRAN Roomだけの仕様のようだ。DANRAM Roomもツインルームもバス・トイレはほぼ同じつくりで、トイレはもちろん温水洗浄便座(TOTOのウォシュレット)。ツインルームの広さは27~30m2で、140cm幅のベッドが2台置かれていた。テレビ、ミニ冷蔵庫、電気ポット、お茶セット、ドライヤー、アメニティ(ハブラシ・歯磨き粉、ヒゲソリ、ヘアブラシ、シャワーキャップ、ヘアゴム、綿棒)、シャンプー、リンス、ボディソープ、ハンド・フェイスソープなど、必要なものはひととおり揃っている。タオルも大中小、パジャマや部屋用スリッパもあるので、不自由なく快適に過ごすことができた。