ニュース
星野リゾート、リニューアルした「界 伊東」を披露。3世代ファミリーが泊まれるブランド初の8名客室が誕生
2018年12月26日 13:24
- 2018年12月21日 リニューアル
星野リゾートは12月21日、静岡県伊東市にある「界 伊東」を“温泉づくし花暦の宿”をコンセプトにニューアルオープンしました。
今回のリニューアルでは大浴場を全面改装したほか、客室もすべてご当地部屋へと生まれ変わり、星野リゾートとしては初となる8名定員の特別和室を設けたことが大きなトピックです。
発表会ではまず、星野リゾート代表の星野佳路氏から星野リゾートと4つのサブブランドの概要について次のような説明がありました。
星のや
ラグジュアリーリゾートとして現在6施設を展開中。2019年には「星のや グーグァン」が台湾に開業予定で、こちらは「星のや バリ」に次いで海外2軒目の施設。
リゾナーレ
スタイリッシュで洗練された雰囲気が特徴の「リゾナーレ」は、豊富なアクティビティをそなえる西洋型リゾート。ファミリーやカップルはもちろん、企業研修など幅広い利用が可能。
OMO(オモ)
2018年に開業した都市観光客をターゲットとした「OMO」は、旭川と東京大塚に2施設。ビジネス客向けのサービスや設備の代わりに観光客向けのサービスに投資しており、5月にオープンした東京大塚は稼働率90%以上と好評なスタートを切っている。
続いて、全国展開している温泉旅館ブランド「界」について。「温泉旅館出身の私にとって大事なブランド」という星野代表は、「界」を日本で最初の高級温泉旅館チェーンに成長させることが目標と述べました。現在は「界 伊東」を含む15か所の施設があり、直近では「界 仙石原」が2018年7月にオープン。最終的には全国30か所、室数にすると1200室を目標にしているといいます。
代わって「界 伊東」総支配人の岡本昌裕氏が登壇し、今回のリニューアルについて、「伊東温泉は全国有数の温泉湧出量を誇る人気の温泉地。そのなかでも『界 伊東』は4つの源泉を持ち、毎分600Lもの温泉が湧き出ています。今回のリニューアルでは、その豊富な湯量を存分に感じてもらえるような改装を行ないました」と説明しました。
中央に湯口を設けた男女それぞれの大浴場のほかに、客室内の内風呂や足湯もすべて温泉を利用している「界 伊東」。湯上がり処もより寛げる空間に生まれ変わりました。
「界 伊東」は、界15施設のなかで唯一、プールのある施設です。水温が30℃前後に保たれているのは4つの源泉をミックスして温度調整をしているから。季節を問わず源泉のプールに入れるなんて贅沢ですよね。
また、客室について岡本支配人からは、「星野リゾートでは初の8名定員の部屋を設けました。人数が多い3世代の旅行にぴったりなので、還暦や米寿のお祝い・お子さまの温泉デビューなどで利用していただければ」と、8名定員のご当地部屋をアピール。実は星野リゾートでは8名定員の客室を持つのはここ「界 伊東」が初めてなのだそう。
代表の星野佳路氏も、「8名定員の客室は、星野リゾートにとっても象徴的な部屋になるはず。この部屋の稼働実績でほかの施設の改装や新築案件にも影響を与えるはず」と大きな期待を寄せていました。
全国の「界」には、その土地の文化や風土が体感できる“ご当地部屋”と呼ばれる特別客室があります。「界 伊東」は今回、全30室をご当地部屋「伊豆花暦の間」としました。伊東エリアで古くから伝わる「吊るし飾り」や、河津桜などの植物で染め上げた糸を使って四季を草花などで表現した「花暦スクリーン」など、館内のいたるところで伊豆の四季を草花で表現した上品なしつらえになっています。
食事の一例としては、冬の特別会席料理の台の物として提供される山海鍋が紹介されました。これは伊東が相模湾と天城連山の間にあることから、海の恵み「金目鯛」と山の恵み「牛肉」を、それぞれの素材に合った出汁で楽しめるように作られたオリジナルの鍋のこと。椿が描かれた素敵な土鍋にも注目です。
その地域やその季節ならではのサービスやおもてなしを特に大事にしている「界」では、“ご当地楽(ごとうちがく)”と呼ばれるオリジナルの特別なおもてなしがあります。例えば「界 熱海」では、芸妓文化が残る熱海ならではのおもてなしとして毎晩、芸妓の舞が披露されます。
そのご当地楽、「界 伊東」では、伊東市の花である椿に着目し、椿油を絞るところから体験できる「椿油づくり」を用意。地元のガラス作家さんが作ったガラス瓶に入れて持ち帰ることができます。
伊東にもう1つ、船旅をテーマにした滞在ができる「界 アンジン」
リニューアルされた「界 伊東」の魅力を目の当たりにしたところで、「実際に界ブランドを体感してみてください」という願ってもないお声がけをいただき、この日は伊東にもう1つある「界 アンジン」に宿泊することができました。どちらも伊東にありながらコンセプトやテーマがまったく違っているのは、地域や文化・季節など、その土地ならではの魅力でもてなす「界」ブランドだからこそ。どちらも上質な空間で旅気分を盛り上げてくれます。
「界 アンジン」のアンジンとは、日本で初めて西洋式の帆船を造船したイギリス人航海士ウィリアム・アダムスの日本名・三浦按針(みうらあんじん)から来ています。16世紀末に日本に漂着したウィリアム・アダムスは徳川家康に気に入られ、西洋式帆船を造るよう命ぜられます。船大工たちとともにその造船にあたった場所が静岡県伊東市、現在の界 アンジンの建つあたりだと言われています。
そんな歴史背景を持つ「界 アンジン」は船旅気分を味わえる全45室の温泉宿。館内のあちこちで船や海、三浦按針の故郷イギリスににちなんだモチーフやデザインを目にすることができます。船旅をテーマにした滞在ということで、チェックインの際にはBoarding Passを手渡されるという演出も。
今回は「按針みなとの間オーシャンビューダブル」に宿泊しました。縦長の造りの客室は39m2とほどよい広さで落ち着く大人の空間。定員は1~2名ですが、この部屋を利用する1人旅の女性客が多いというのも納得です。
界 アンジンの一番の魅力は、何と言っても全室オーシャンビューというロケーション。リビングスペースのソファに座って海を眺めるという非日常のひとときは何ものにも代え難い貴重な時間でした。
朝夕の食事は2階にある食事処でいただきます。パーティションで仕切られ“ちょうどいい”プライベート感がある空間となっています。食事は伊豆の食材に三浦按針のふるさとイギリスのエッセンスを加えた和会席となります。
夕食を堪能したあとはリキュールを片手に地域の文化を体感できる無料プログラム「ご当地楽」を楽しみました。界 アンジンのご当地楽は「青い目のサムライ紀行」と題した三浦按針のショートムービー。ときどきクイズなどを盛り込みながらスタッフさんが臨場感あふれる語り口で進行します。ほかのゲストさんたちと一緒に楽しめた時間もよい思い出になりました。
夜は着心地のよい麻浴衣に界オリジナル寝具の「ふわくもスリープ」で、ぐっすり眠ることができました。目覚めた朝の、窓の外の景色が美しかったこと! ゆっくりと朝食をいただいたあとは、潮風にあたりながらの港散策がお勧めです。チェックアウトが12時とゆっくりなのも界の大きな魅力です。