旅レポ
ベトナム南部・ホーチミンからメコンデルタへの旅(その2)
マジェスティック・サイゴンに宿泊したホーチミン観光編
2018年3月17日 00:00
ベトナム航空主催のプレスツアーその2。
今回はベトナム最大の街・ホーチミンの観光編をお伝えします。
さすが5つ星の品格! 宿泊は憧れのホテル・マジェスティック・サイゴン
蛇行するサイゴン川を見渡せる最高の立地に建つ「ホテル マジェスティック・サイゴン」。その昔、プライベートの貧乏旅行でホーチミンを訪れたときに通りかかって、そのたたずまいに「なんてエレガントで品格あるホテルなんですの~!?」と感動したのを今でも覚えています。そんな憧れのホテルが今回の宿泊先。ベトナムがフランスの植民地だった時代から続く歴史あるマジェスティック・サイゴンは、世界中のセレブリティが訪れるホーチミンを代表する5つ星ホテルです。
ホテルの開業はホーチミンがまだサイゴンと呼ばれていたころの1925年なので、90年以上も前。現在はスパやジム、プールも備えていて欧米人にも人気です。
今回泊まったのはリビングとベッドルームが分かれているコロニアルスイートのお部屋。インテリアがウッディな上にお部屋の照明が全体的に暗いので、気分的には落ち着くのですが、夜はデスクワークには向かないかも。
リビングの壁には薄型テレビが控えめに。中央には4、5人は座れる大きなソファーセット。ノートPCや書類などを広げられるデスクもあって、レトロな電話はインテリアかと思いきや、ちゃんとフロントにつながる館内電話でびっくりでした。
続いてベッドルーム。バスローブやセーフティボックスが入った大きなクローゼットに、ドレッサー。ベトナム刺繍の施されたベッドシーツがいかにも高級そう! 奥は壁が大理石のバスルームでバスタブも。レトロなシャワーヘッドにまたまたびっくりしちゃいました。でもこれちょっと重いんですのよね。
さすがマジェスティック・サイゴン! と思ったのは、ハンドソープディスペンサーやバスタオルなどホテル名が書かれた専用アメニティを販売していること。例えばバスローブは75万ドンなので3600円ほど(1万ドン=約48円換算)。ちょっと欲しくなってしまいましたわ~。
朝食は見晴らしのよい屋上のレストランでビュッフェ形式です。種類豊富に山積みされているパンも気になるところですが、私はやっぱりフォーを。真剣な表情でライスヌードルの湯切りをするおじさんの前に毎朝並んでおりました。それにしてもここからの眺めは本当に素晴らしい。この景色を見ながら朝食を食べられるというだけでマジェスティック・サイゴンに泊まる価値があると思うのです。
マジェスティック・サイゴンといえば、作家の開高健さんが朝日新聞社の特派員としてベトナム戦争を取材中に滞在していたホテルというのをご存じの方も多いかもしれません。開高さんが使っていた旧館の103号室は“開高ルーム”と呼ばれ、ドア横に説明プレートがかかっています。実はこの103号室、空いていればフツーに誰でも泊まれるお部屋。今回はほかの参加者さんが泊まれることになったので、押しかけて写真を撮らせてもらいました。
マジェスティック・サイゴンに泊まったら、夜はぜひ新館の屋上階にある「エム・バー」へ。ルーフトップとはいえ8階なので、それほど高層階の雰囲気はありませんが、下の道路を行き交うバイクの音やクラクションの音に、あぁホーチミンに来ているな~という旅気分が高まりますよ。
ホーチミンの王道観光スポットその1
ここからはサイゴン大教会や中央郵便局、ヒンドゥー教寺院といったホーチミン市の中心部にある観光スポットをご紹介しましょう。開高健さんは「ベトナム戦記」の冒頭で、南ベトナムはどこの街にいっても“ニョク・マム”のにおいが染み込んでいる、と書いていますが今はそんなことはありません。その代わり(?)、現在のホーチミンで感じるのは異様なほどのバイクの数(と排気ガス)と言えるでしょう。
まずはサイゴン大聖堂から。ホテル マジェスティック・サイゴンからはドンコイ通りをまっすぐ歩くだけ。1kmくらいなのでゆっくり歩いても15分くらいでしょうか。ここはいつも観光客でにぎわっている撮影スポット。お隣のレモン色の建物は中央郵便局で、こちらも大聖堂とセットで訪れる観光名所です。この中央郵便局は切手やハガキが買えるのはもちろん、ザ・観光地といった超ベタなお土産が並んでいるので、それを見るのが私は好きです。ちなみに奥の壁に架かる肖像画はベトナム建国の父、ホー・チ・ミンさんです。
次に向かったのは、高島屋ベトナムのすぐ近くにある「スリ・タンディ・ユッタパニ寺院」。気付かないで通り過ぎちゃいそうな地味な入り口ですが、一歩なかに入るとそのカラフルな色彩に圧倒されます。
こちらはヒンドゥー教寺院なので、いろいろな神様が極彩色で描かれた額が飾られています。注目はかわいらしい模様が描かれた壁のタイル! 実はここ最近は“インスタ映えする寺院”ということで日本人女子に人気なんだとか。お寺もインスタ映えの時代とは、きっとガネーシャもびっくりでしょう。
お次は気分をガラッと変える場所へ。ベトナムという国の歴史を語るうえで欠かせないのがベトナム戦争ですが、その戦争の真実や悲惨さを今に伝える施設「ホーチミン戦争証跡博物館」です。
建物は3階建てで、上の展示室から順に見て回る造りになっています。写真パネルをはじめとする展示品は充実していて見応えがあり、誰もが一度は目にしたことがあるピューリッツァー賞を獲った1枚も。英文の説明のほかに日本語訳があればもっと理解できるのになぁとちょっと残念な気がしました。
ランチは雑居ビルの屋上にあるレストラン「シークレットガーデン」へ
ホーチミンでは昨今、雑居ビルや古アパートの一室を改装したレストランやカフェが急増中。今回ランチを食べたベトナム料理店「シークレットガーデン」もそのうちの1つで、名前のとおり、本当に場所はシークレット! というのも「えっ!? 本当にここで合っているんですの~!?」という汚い(失礼!)路地を入っていき、「本当にこのビルの上にあるですの~!?」という階段を上らないとたどり着けないからですの。
ホーチミンの王道観光スポットその2
ランチのあとはホーチミン観光を再スタートです。向かったのはホーチミンの西側エリアにある「チョロン」地区。ここは華僑が多く住むいわゆる中華街になっていて、よく見ると漢字が書かれた看板が街のあちこちに。チョロンでは観光名所にもなっているベトナム最古の中国寺院、ティエンハウ寺院を参拝です。
このお寺は天井から吊るされた渦巻き状のらせん線香が見モノ! これは「塔香」といって私たち観光客も1個3万ドン(約144円)で吊るすことができます。上からときどきぼたりと線香のカスが落ちてくるのはご愛敬?
フリータイムのときに、一人でふらりと立ち寄ったお店で夜食用のバインミーを買ったのですが、あとで調べるとそこは「Nhu Lan(ニューラン)」という老舗惣菜店だったことが判明。マジェスティック・サイゴンのスイートルーム(←これ大事)で、夜な夜な食べたこのバインミーがびっくりするくらい美味しくて感動的でしたの。あぁ、近所に欲しいぞ、ニューラン!
ホーチミン市の中心部に戻って夜の街をウロウロしてみました。メインストリートのドンコイ通りと平行するグエンフエ通りは、夜になると歩行者天国になるので、夕涼みにやってきた地元の人でいっぱいに。輪ゴムの仕掛けでぴゅるる~~~っと光りながら飛ぶオモチャを売る人、スパイダーマンのコスプレをする人などお祭りっぽい雰囲気。夜になるといくらか暑さは和らぐのでお散歩も楽しかったです。
ディナーはまたまた雑居ビルのなかにあるレストランへ(エレベータ希望!)
ディナーはこれまた雰囲気抜群のベトナム料理のお店「マウンテン・リトリート」へ。ランチを食べたお店同様にこちらも雑居ビルの屋上。しかも6階! らせん階段をヒーヒー言いながら上ると、提灯がぶら下がる小洒落たレストランが。西洋人の姿もかなり多く人気店のようです。
ディナーのあとは、おのおのホテルに戻りましょうということでフリータイムに。私は街スパで1時間のフットマッサージ(約1400円)を受けたあと、昼間に外観を見て気になっていた「KATINAT Cafe」へ行ってみました。2階席は夜のドンコイ通りを見下ろせる絶好シート。フリーWi-Fiにアクセスしコーヒーを飲んでほっと一息付いた瞬間に、夜になっても静まらない街の喧騒が一切気にならなくなっていた自分に気が付きました。ベトナムに来るといつもこんな感じでふっと身も心も“ベトナム仕様”になる瞬間があるのです。
次回は、ホーチミンから南西へ約70km、メコンデルタ地帯の街ミトーで乗ったメコン川クルーズや、カントーの水上マーケットなどの様子をお伝えします。お楽しみに~♪