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星野リゾート、初のエアポートホテル「OMO関西空港」開業。星野代表「これまでは泊まってよかったと思ったことがない」

2022年9月14日 実施

星野リゾート関西プレス発表会で登壇する星野リゾート 代表 星野佳治氏

 星野リゾートは9月14日、大阪府内に2つの新たなホテルを開業すると発表した。

 12月に西日本初進出となる「リゾナーレ大阪」、2023年冬に「OMO関西空港 by 星野リゾート」の2施設。いずれの施設も星野リゾートとして新たなアプローチの宿泊施設となる。

西日本初進出。子供たちの創造力を育むリゾートホテル「リゾナーレ大阪」

リゾナーレ大阪

 12月16日に、ハイアットリージェンシー大阪内に西日本初進出となる「リゾナーレ大阪」を開業する。

「リゾナーレ大阪」は星野リゾートが展開するリゾナーレブランドの6施設目で、西日本では初進出。星野リゾート傘下のHROが運営するホテル、大阪南港にある「ハイアットリージェンシー大阪」のなかの4フロアを新たにリゾナーレ大阪として改装し、1つの施設のなかに「ハイアットリージェンシー大阪」と「リゾナーレ大阪」という2つのブランドのホテルが入るコラボレーションホテルとして運営する。

 この方法はこれまでの同社のホテル運営のなかでも新たな試みで、1つの建物に異なる2つの客層をターゲットとし、効率よく稼働率を上げるのが狙い。運営はハイアットリージェンシー大阪と共同で行なう。

 宿泊棟の23階・24階・26階にリゾナーレ仕様の客室全64室を用意。1泊1万8000円から利用が可能。28階の最上階には、日本最大級の「アトリエ」を開設。アトリエの利用は12歳以下の子供が対象で、利用には宿泊料とは別に滞在料1万5000円がかかる。

 客室サービスや飲食に関してはハイアットリージェンシー大阪が提供し、リゾナーレ大阪は、リゾナーレ大阪宿泊者に専用アクティビティを提供する。またハイアットリージェンシー大阪のクラブラウンジやレストラン、フィットネスセンター、ガーデンプールなどの付帯施設も利用が可能となる。

リゾナーレ大阪の宿泊者にはハイアットリージェンシー大阪が運営する「リージェンシークラブ」が利用可能なプランも用意する
最上階28階に設置される日本最大級の「アトリエ」。設けられた4つのエリアでは「創造性を引き出すアプローチ」が丸ごと体験できる

 リゾナーレブランドはこれまで北海道・栃木県・山梨県・静岡県・沖縄県の5か所に展開しており、地域の特性を活かしたテーマがあり、施設内には豊富なアクティビティを備え、大人だけの時間を演出するサービス、子供が楽しく成長できるアクティビティなどを用意している。

 新たに開業するリゾナーレ大阪では、コンセプトを「創造力を遊びこむ」とし、イタリア初の先進的幼児教育の1つ「レッジョ・エミリア・アプローチ」を採用。子供たちの創造力を育むリゾートホテルとして新たな価値の提供を目指すとしている。

 施設に用意されたアクティビティにはさまざまな経験を子供たちに提供し、子供たちの新たな可能性を広げたいとの思いがこめられているという。軸となる「レッジョ・エミリア・アプローチ」は創造性を引き出す教育アプローチとして高い評価を受けており、施設には子供たちの興味や関心をかき立て、さまざまな表現方法で遊びこむことができる日本最大級の「アトリエ」を用意する。

 28階の最上階に設置する「アトリエ」はカラフルなパレットを積み上げた空間で、物流の拠点である大阪南港をテーマにしている。アトリエ内には「興味」「探索」「表現」「振り返り」の4つのエリアが設けられており、子供たちの創造力を引き出す仕掛けを提供する。

子供の興味や好奇心をかき立てる「興味エリア」
さまざまな素材や道具を手にして自分の表現方法を模索する「探索エリア」
アトリエスタとの対話を通して自分の表現を深める「表現エリア」
アトリエのスタッフと会話しながら取り組んだ内容を振り返る「振り返りエリア」

 客室は全10タイプ、64室を用意している。そのうち3タイプがコンセプトルーム「アトリエルーム」で、壁一面に赤を基調としたさまざまなモチーフをデザインしている。室内に用意されたクレヨンで壁や窓一面に思い切り表現ができる仕様になっている。さらに「アトリエルーム デラックス」では天井から張り巡らされたネットに登ったり寝転んだり、全身を使って思い思いの遊びできるようになっている。

 開業は12月16日。予約開始は10月1日を予定している。

室内に張り巡らされたネットで全身を使って思い切り遊べる「アトリエルーム デラックス」
赤を基調にした壁面の「アトリエルーム」室内に用意されたクレヨンで壁や窓に思い切り表現ができる。

星野リゾート初のエアポートホテル「OMO関西空港 by 星野リゾート」

星野リゾート初のエアポートホテル。「OMO関西空港 by 星野リゾート」イメージ図

 大阪府内ではOMO7大阪に次ぐ2番目の施設となる「OMO関西空港 by 星野リゾート」を、大阪府泉佐野市のりんくうタウンで2023年冬に開業予定と発表した。

 関空島の対岸、泉佐野市のりんくうタウン内に新設し、関西国際空港駅から1駅のりんくうタウン駅から徒歩1分の場所に位置する。

 建物は地上22階建てで客室数700室。1泊1室1万6000円~の提供。大浴場やサウナ、レストラン、ルーフトップバーなどを備える。

 コンセプトは「空チカ、ファンタイム」。ホテル~関空間でシャトルバスを運行し「空チカ」なアクセスを提供。エアポートホテルとしての本来の利便性はもちろん、関空から旅に出かける人、関空へ旅を終えて帰ってくる人に「ファンタイム」を提案するとしている。

 施設内には航空機のエンジンや座席をモチーフにデザインされたパブリックスペースや、空と雲をテーマにした開放的空間の海と空をのぞむレストランなど、随所に旅を演出する仕掛けを用意する。

モチーフに航空機のエンジンや座席などのデザインを採り入れたパブリックスペース
大浴場やサウナを備え癒やしの時間を提供する
ホテルビュッフェのクオリティでセルフ型式やテイクアウトが選べる利便性の高い食事スタイルを提供する「エクスプレス・フル・ビュッフェ」とルーフトップバー

 従来のエアポートホテルは「価格」「アクセス」「清潔さ」こそがホテル選びの基準となっており、利用客は寝るためだけにホテルを利用し、ホテル滞在に多くをのぞんでいない現状が調査の結果判明したという。

 星野リゾート 代表の星野佳治氏も発表会見の場でエアポートホテルでの宿泊は「人生最悪の夜。前向きにホテルを選んだことがなく、エアポートホテルに泊まった夜がよかったと思ったことがない」とし、この現状を変えるべく、これまでのOMOブランドの4つのサービスカテゴリー「OMO1・OMO3・OMO5・OMO7」に「エアポート」を追加。「OMO関西空港 by 星野リゾート」として従来のエアポートホテルの概念を覆し、旅の前後に利用するエアポートホテルでの滞在も充実した時間の提供を提案するとした。

 なお、開業時期に関しては2023年冬としているものの明確な期日を設けておらず、政府が検討している国内への入国者数上限撤廃や個人旅行の解禁などと合わせて、現状の関空の国際線就航率を鑑みて開業日を決めるとしている。

これまでの4つのサービスレンジに新たに加わった「エアポート」。OMOブランドで新たなエアポートホテルのあり方を提案する
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