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星野リゾート、関西地区のアップデート。星野佳路代表「“万博だけ”ではなく関西の観光需要、リピーター創出に」
OMO関西空港はルーフトップにビアバー開業
2024年9月27日 13:06
- 2024年9月25日 実施
星野リゾートは9月25日、大阪市内で「関西プレス発表会 2024」を実施した。
関西圏に展開する星野リゾートの各施設が、この秋冬にかけて実施する新企画をプレゼンしたほか、2025年春に開幕する大阪・関西万博を見据えた今後の観光業界の展望などを星野佳路代表が語った。
主なトピックとしては、2023年3月に開業したOMO関西空港 by 星野リゾートに新たに誕生するクラフトビアバーの話題。これまでの星野リゾートのコンセプトとは異なるエアポートホテルとして注目された同ホテルだが、コロナ禍の航空需要の回復とともに順調に推移。11月1日にはルーフトップにクラフトビアバー「よなよなムーンウォーク」が新たにオープンすることを発表した。
長野県軽井沢で創業したヤッホーブルーイングの看板商品である「よなよなエール」とコラボし、ルーフトップテラスでクラフトビールを片手に、抜群の眺望を楽しんでほしいという。また、そのほかにも機能性とデザインを兼ね備えた大型のバゲージルームを新設。空港ターミナル内をイメージしたバゲージルームでは、大きなバゲージを広げて荷物の整理も可能なパッキングテーブルや、荷物の重量計測ができる機器なども用意。空港に行く前にバゲージルームで荷物を整理することで、ストレスフリーで空港でのチェックインを迎えられるよう配慮している。
そのほかにも関西圏で注目されているのは、昨年の同プレス発表会で情報解禁となった、2026年春開業予定の「星のや奈良監獄」についての話題。こちらについての情報のアップデートはなく、予定どおり2026年春開業予定で順調に進捗していると言及するにとどまった。
そして、やはり一番の注目は、来年春に開幕を控える大阪・関西万博を見据えた今後の観光需要についての星野佳路代表の言葉だった。
コロナ前の2019年の日本の旅行市場規模が27.9兆円に対し2023年は微増の28.1兆円。これだけを見るとコロナ前の水準に戻っているように見えるが、これはインバウンドが増加したことが要因で、国内旅行需要は若干落ちている。これは日本の観光産業が抱える懸念材料。日本の旅行市場規模に占める国内旅行需要は非常に大きいため、インバウンドが成長しても国内需要が落ち込めば日本全体の旅行市場規模は落ちてしまう。そのためには、やはり足元の国内旅行需要をしっかりと維持していくことが重要と語った。
インバウンドに対しても、大阪・関西万博などの大きなプロジェクトだけが目的にならないように、大阪・関西万博を通じて関西(大阪)観光への需要につなげていく必要がある。イベントを通じて継続的な需要、リピーターを生み出すことが大事。また、2023年の数字ではインバウンドの75%が、東京・大阪・京都・北海道・福岡の5都市に集中してしまっている。万博に訪れるインバウンドをいかに地方分散させるかも重要な課題だとした。