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NEXCO東日本、お盆の渋滞予測と回避方法を渋滞予報士が説明「8月9日と10日は渋滞長が短く料金も安い」

2018年8月1日 実施

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 小畠徹氏

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は8月1日、「平成30年度第3回定例記者会見」を実施し、高速道路リニューアルプロジェクトの進捗や北関東自動車道にオープンした「太田強戸PA(おおたごうどパーキングエリア)」「太田強戸スマートIC(インターチェンジ)」の説明、お盆期間における休日割引適用日の変更などについて説明した。

 まず高速道路リニューアル工事について、2018年は19か所での工事が予定されており、春期で6か所の工事が完了したと説明した。8月下旬からは、道央自動車道の勇払川橋と千歳川大橋(いずれも下り線)、東北自動車道の梨子野木橋(上り線)、北陸自動車道の高瀬橋(上り線)の4か所で床版取替工事を実施する予定だ。なお高瀬橋床版取替工事については、混雑する時間帯における渋滞解消を目的として、移動式防護柵を利用して車線を変更するロードジッパーシステムを活用する。

 7月28日にオープンした太田強戸PAと太田強戸スマートICは、北関東自動車道の太田藪塚ICから太田桐生IC間に新たに設置されるもの。PAについては北関東道の駐車マス不足の解消が目的であるとし、波志江PAおよび出流原PAの渋滞解消が期待できるとしている。

 太田強戸PAの駐車マスは西行きと東行きのそれぞれで108台。トイレや商業施設、セルフサービス方式(大型車のみフルサービス方式)のガソリンスタンドを備える。商業施設はフードコートのほか、ショッピングコーナーやテイクアウトコーナーがある。

 営業概要についても説明が行なわれた。2018年6月実績で通行台数は1日平均で291万7000台であり前年同月と比較して1.6%の増加、料金収入は686億2800万円で前年同月比1.7%増とした。

 2018年1月から6月までの交通死亡事故の発生状況についても説明が行なわれた。主な事故形態は停止車両衝突(6件)、対向車線飛び出し(4件)、自動二輪(4件)、対人(4件)、車外放出(3件)で、前年同期比で事故件数は7件の増加、死亡者数は9名の増加となった。

 7月4日に発表された、休日割引適用日の試行的な変更についても説明があった。これはお盆期間における高速道路の平準化を目的として、8月11日(土・祝日)と12日(日)の休日割引を適用除外とする一方、8月9日(木)と10日(金)の平日に休日割引を適用するというものである(関連記事「高速道路各社、渋滞対策で2018年お盆期間のETC休日割引適用日を変更」)。

 この施策についてNEXCO東日本 代表取締役社長の小畠徹氏は「今回の休日割引適用日の変更はトライアルの性格が強いものとなります。適用日をずらすことによって渋滞が緩和するだろうと期待していますが、天気などの外的要因もあります。実施後に関係者間ですべてのデータを分析し、今後どうするかを検討していきたい」と述べた。

 お盆時期の渋滞について、下り線のピークは8月11日、上り線のピークは15日と予測する。10km以上となる渋滞は159回と予測されており、天候不良などで渋滞が131回(事故などの影響を除いた交通集中による渋滞)にとどまった2017年よりも増加する可能性が高いとした(関連記事「高速道路各社、2018年お盆シーズンの渋滞予測。下りは10日~11日、上りは14日~15日がピーク」)。

 NEXCO東日本の渋滞予報士である外山(とやま)敬祐氏は、特に長い渋滞として下り方面は11日の関越自動車道の東松山IC付近を先頭にした最大40kmの渋滞、上り方面は15日に高坂SAを先頭とする最大40kmの渋滞を挙げた。また11日は早朝から各方面で激しい渋滞が発生するとしたうえで、場所によっては夕方近くまで渋滞が残る可能性あるため、この日の出発は避けるべきと話す。

NEXCO東日本の渋滞予報士である外山(とやま)敬祐氏

 上り線の渋滞については、大半が午後から発生するため、渋滞に巻き込まれないためには午前中の移動がお勧めだとする。さらに東北方面から東京方面に向かう場合、東北道は混雑する一方、常磐自動車道は16日以降は渋滞が発生しない見込みであることから、常磐道の利用が狙い目だとした。

11日の下り方面は各所で渋滞が発生。20km以上の渋滞も多く発生する見込み
13日から16日の上り方面で混雑するのは午後からで、午前中は渋滞が少ない
16日以降の上り方面は、東北道は引き続き混雑するが、常磐道は渋滞が発生しないためお勧めとした
休日割引適用日の変更により、11日の混雑が緩和されると予測する

 休日割引の適用日が変更される影響について、外山氏は「東北道を例に見ると、ピークの11日と比べると9日と10日は渋滞長が短く料金も安いのでお勧めです。11日は割引変更により渋滞長は約20%減で、ピーク時の所要時間も約10%減になると見込んでいます。日付変更が難しいお客さまにおいても、休日割引の適用日変更についてご理解ご協力が得られるのではないかと考えています」と話した。