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夏休みの自由研究に、NEXCO東日本「北海道ハイウェイ探検隊」実施
管制センターや工事現場を見学
2018年8月6日 15:16
- 2018年8月4日 実施
NEXCO東日本(東日本高速道路)北海道支社は8月4日、建設中の後志自動車道 余市IC(インターチェンジ)~小樽JCT(ジャンクション)の建設現場を小学生と保護者で見学するイベント「北海道ハイウェイ探検隊」を実施した。
117組の応募から抽選で選ばれた15組(30名)の小学生と保護者を招待し、後志自動車道建設事業への理解を深めてもらい、夏休みの自由研究などに役立ててもらう学習支援が目的となっている。
NEXCO東日本 北海道支社に集まった探検隊は、防災対策室で今回のイベントの説明を受けたあと、大きなモニターの並ぶ札幌道路管制センターを見学。約700kmにも及ぶ北海道の高速道路を24時間体制で監視し、対応する「交通管制室」や、道路やトンネルに設置された設備を計測・監視・制御する「施設制御室」などの説明を受けた。
札幌道路管制センターを探検したあと、探検隊はバスに乗り込み高速道路完成までの流れや高速道路の役割、まめ知識などの説明を車内で聞きながら札樽自動車道の朝里ICへ。朝里ICで一般道に出て、建設中の小樽JCTから後志自動車道に入り、目的地である朝里川橋に到着。
朝里川橋は道道1号 小樽定山渓線をまたぐ形で建設されている長さ615.5m、一番高いところで約50mという橋で、落下物を防止する柵は景色を楽しめるように透明な板でできている。探検隊は恐る恐る高所からの眺めを確かめたり、写真を撮るなどして見学した。
次に探検隊はバスの中でトンネル工事がどのように行なわれているのか説明を受けた。トンネル工事は約1mずつ穴を掘り、土を外に出す。次に土壁が崩れてこないようにコンクリートを吹き付けて固め、山と一体になるようロックボルトという鉄筋を打ち込み、また約1mずつ掘り進むという形で順番に進めていく。また、変形を防ぐためトンネルの下にもコンクリートを打って力を全体で受ける円の形にして作っているそうだ。
探検隊は第二天神トンネル内でバスを降り、仮設の照明しか灯っていない薄暗いトンネル内を探検しながら第一天神トンネルとの間にある恩根内橋に進む。第二天神トンネルと第一天神トンネルの接続部分は100mちょっとの距離しかなく、冬季間の氷雪対策としてスノージェットやスノーシェルターが建設されていて、探検隊は説明を受けながらこの独特な形をした建造物を見学した。
探検隊はバスに乗り一度建設現場を離れ、小樽天狗山ロープウェイで天狗山に登り、「望遠レストランてんぐ」で昼食。お弁当はシェフがハイウェイ探検隊のために用意してくれたスペシャルメニュー。お弁当を食べ終わった探検隊は天狗山を自由に探検。この天狗山の第3展望台からは、先ほど探検した第一天神トンネルの小樽塩谷IC側にある建設途中の天神橋が一望できる。
天狗山から戻った探検隊はバスで伍助沢橋の下をくぐり、再び後志自動車道に進入。バスに乗りながら道路の向こう側に見える建設途中の小樽塩谷IC料金所や除雪作業の車両基地、除雪用の薬剤庫を見学した。
小樽塩谷ICを過ぎたところでバスは停車。探検隊はカラフルなチョークを手渡され建設中の高速道路上にお絵描き開始。今日1日で探検した高速道路・トンネルの絵や交通安全に関するメッセージ、NEXCO東日本のマナーアップキャラクター「マナーティ」も人気で、それぞれ思い思いに描いていた。
この高速道路に描かれたこの絵は消されずに、もう一層アスファルトを上から敷いて、見ることはできないが、長い期間残ることになる。最後に書き終わった絵とともに手を振りながらドローンで上空から記念撮影なども行い、探検隊は今回の探検を無事終えた。後志自動車道が完成すると今日探検した場所へは徒歩で入ってはいけなくなるので、子供にとっても保護者にとっても貴重な体験となった。
NEXCO東日本 北海道支社によると、後志自動車道は土木作業の約95%が完成、アスファルトの敷設や料金所などの建築作業が43%終了していて、余市IC~小樽JCT間は2018年度中の開通を目指している。
後志自動車道の必要性と効果については、高速による時間短縮により、整備前は大量出血による救命率の限界と言われる第三次医療施設(手稲渓仁会病院など)へ60分以内に搬送できるのが小樽市までだったが、整備後には余市町、仁木町も60分圏内に入り、より多くの救急搬送患者を素早く搬送できるようになるという。
また、災害への備えとして、余市~小樽間の国道5号線が津波で進入規制があった場合や、有珠山や樽前山の噴火で胆振エリアの国道や道央自動車道が通行できなくなった場合などの代替路として活用することができると説明している。