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NEXCO東日本、廣瀨社長が最後の定例会見。6年間は「しゃにむに務めてきたという印象」

2018年5月30日 実施

NEXCO東日本が定例会見を実施。出席者は左から、取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 遠藤元一氏、代表取締役社長 廣瀨博氏、取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 萩原隆一氏

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は5月30日、「平成30年度第2回定例記者会見」を開き、今後の取り組みや営業概要などを説明した。なお、22日の閣議で次期社長に小畠徹氏が就任する人事が了解されており、現社長の廣瀨博氏が出席する最後の定例会見となった。

 その廣瀨氏からは、年度内の運用開始を予定している「NEXCO東日本 総合技術センター」や6月2日に開通する外環道(東京外かく環状道路)三郷南IC(インターチェンジ)~高谷JCT(ジャンクション)開通式などの実施について説明があった。

 総合技術センターは以前の定例会見で設置を公にしていたもので、維持管理業務など技術開発の推進と技術者の育成を目的に、埼玉県さいたま市岩槻区の岩槻IC内に建築を進めており、この度正式名称を明らかにした(関連記事「NEXCO東日本、道路維持管理の技術者育成のため研修施設を整備」)。

 施設内には冬の低温状態や腐食状態を再現する設備が設けられ、同社が重点課題としている雪氷対策技術や構造物点検、非破壊検査などの研究・検証・開発を行なう。また、技術者の成長は現場での実践やOJT(On-the-Job Training)にあるとしながらも、構造物の劣化メカニズムや技術基準の変遷などの理解を深めるために、座学のほかに実物や映像技術によって体験・体感できる研修設備も併設する。あわせて、ETC設備などの料金研修施設も設けられる。

 現地では基礎工事をまもなく終え、鉄骨など骨組みの工事に移りつつあり、2018年度内に運用を開始する見込みという。

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 廣瀨博氏

 会見の最後には、同社の社長人事が閣議了解されたことに触れ、6月の定時株主総会で廣瀨氏が退任することを説明。廣瀨氏は「高速道路の運営というそれまでとは別世界の仕事に身を投じたのですが、なんとか6年間勤め上げることができそう」「今後は次期社長 小畠氏のもとで、安心安全、快適便利な高速道路を提供していく」として6年の任期を振り返り、関係者へ感謝を述べた。

 質疑応答で6年間の任期について問われると、「以前の職場(住友化学)とはまったく異なる業界で、しかも関西人なので北海道や東北というなじみの薄い土地に難しさもあったが、政権交代後の国との関係を再確認しながら経営体制の立て直しをした」と述懐し、「それにも増して、東日本大震災から間もない時期で、現場に足を運んでしゃにむに務めてきたという印象」と感想を述べた。

 また、「常磐道の全線開通や圏央道の茨城区間開通、6月2日の外環道開通など、重要幹線路線の整備を進められたのが印象的」「雪氷の問題に取り組んできたが、着任当時から技術力の強化の重要性を痛感しており、今回の総合技術センターはそうした方向性を示すもの」などが任期中の所感であるという。

 次期社長の小畠氏については「今朝に会ったばかりだが信頼の置ける、前向きな方」で、安心してバトンタッチできると感想を述べた。