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沖縄観光コンベンションビューロー、3都市での離島コンテンツフェア開催ほかを発表

2016年度の沖縄入域観光客数は877万人、2030年度に1742万人を目標

2017年5月31日 実施

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 会長の平良朝敬氏(右)と、参与の前田光幸氏(左)

 OCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)は、5月の定例記者懇談会において開催予定のイベントなどを発表した。

 発表されたイベントは次のとおり。

「OKINAWA離島コンテンツフェア2017」を東名阪3都市で開催

 沖縄県とOCVBは、沖縄県の各離島の地域活性化を図るための商談会およびセミナー「OKINAWA離島コンテンツフェア2017」を東京、大阪、名古屋の3都市で開催する。

 今年で5年目となる同フェアは八重山諸島、宮古諸島、久米島、沖縄本島周辺15離島の観光関連事業者が出展。旅行商品造成アドバイザーによるモデルコースを紹介するなど、商談の成立確度の向上と持続的な離島観光の発展を目指す。

 また、フェアに参加した旅行会社やメディアを対象とした助成事業や招聘事業を行ない、さらなる商談成約の獲得につなげたいとしている。

 6月1日から「OKINAWA離島コンテンツフェア2017」のWebサイトで、事前マッチングの申し込みを受け付けている。

 出展は沖縄県内離島観光協会、観光関連事業者(宿泊施設、観光施設、マリン事業者、体験プログラム事業者など)、想定来場者は県外旅行会社、航空会社、そのほか観光関連事業者、メディアなど。

「OKINAWA離島コンテンツフェア2017」東京

開催日時:2017年6月27日11時~19時
会場:TKPガーデンシティ品川(東京都港区高輪3-13-3 SHINAGAWA GOOS 1階)

「OKINAWA離島コンテンツフェア2017」大阪

開催日時:2017年6月29日13時~18時
会場:梅田クリスタルホール(大阪府北区中崎西2-4-12 梅田センタービル)

「OKINAWA離島コンテンツフェア2017」名古屋

開催日時:2017年9月8日13時~18時
会場:中日パレス(愛知県名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル 5階)

韓国新安山大学ホテル調理科学生、沖縄県内専門学校を見学

 OCVBは、海外からの教育旅行誘致拡大・受け入れ環境整備を目的に2015年度から実施している調査プロモーションの一環として、韓国の新安山大学ホテル調理科の学生160名の学校見学を実施した。

 見学先は沖縄調理師専門学校と琉球調理師専修学校。学生たちは2グループに分かれ、教育技術や学校設備などを見学。海外の各学校からは、学校見学や現地学生との交流希望の問い合わせが増加傾向にあり、OCVBでは今後も訪日教育旅行の誘致および受け入れ環境整備に注力したいとしている。

平成28年度多言語コンタクトセンター分析報告書完成

 沖縄県とOCVBは、外国人観光客の満足度向上を目的に運営している多言語コンタクトセンターにおいて、2016年度の事業分析報告書を完成させた。

 2月19日の那覇~バンコクの直行便就航に合わせ、タイ語での対応も開始。現在、英語、中国語、韓国語、タイ語の4カ国語での問い合わせ対応を行なっている。対応手段は電話、Skype、メールの3つ。三者間通話(外国人観光客、通訳事業者、OCVB職員)により、情報提供を行なうとともにマーケティング分析をもとにしたデータを関係各所と共有し、プロモーション強化に活かしている。

 2016年度の実績は、電話での問い合わせは前年度比134.6%、Skypeは前年度比88.9%、メールは前年度比81.8%、全体で前年度比108.7%となった。
電話、Skypeは主に沖縄滞在中の問い合わせ、メールは主に旅行前の海外からの問い合わせとのこと。それらを考察すると、実際に現地に来てからの問い合わせが増えていることが分かる。

 問い合わせ内容の例として、現地での交通アクセスやツアーの予約方法、ケガをしたので治療できる場所はないかなど。また、タイの観光客からは沖縄のお寺への観光・宿坊の問い合わせがあったことなどが挙げられた。

 外国人観光客の増加にともない、問い合わせ内容も多様化している。ニーズに対応できる事業者不足が課題になってきている。今後も、多言語コンタクトセンターの周知を図り、受け入れ体制の強化に努めたいとしている。

なお、分析報告の詳細はWebサイト「沖縄インバウンド.net」で参照できる。

2030年度までの沖縄入域客数見通しを発表

 OCVBは、2016年度の確定実数と沖縄県の2017年度目標値の発表を受け、2030年度までの沖縄県への入域観光客数推移の予測を発表した。

 2016年度の確定実数は877万人と過去最高を記録。沖縄県への入域観光客数の年平均成長率が過去20年で4.3%となっており、直近5年では10.3%と伸びていることから、2017年度の目標値を950万人(前年度比8.3%増)に設定した。内訳は、国内観光客685万人、外国人観光客265万人となっている。

 2018年度以降の予測は、2021年度までを6.5%増、2021年度以降を4.2%増としており、2030年度の目標値を1742万人としている。なお2020年度については、那覇空港第2滑走路が供用開始されることを鑑みて11.5%増と予測している。

 2016年時点では、2030年度の目標値を1523万人としていたが、好調な実績を受けて上方修正した。国内客については、日本の人口減少や多方面との競争などこれまでの順調な成長を遂げてきた環境に変化が見られることから、平均成長率2.0%と予測。

 一方、外国人客については過去20年の伸びが13.8%、直近5年が53.6%と大幅に増加。未来の人口予測、GDP予測など総合的に踏まえ、平均成長率10.6%と予測。クルーズ船の寄航も順調であり、那覇においては10~20年内に新バースの整備を目標に議論・検討がなされているほか、宮古島の平良港や沖縄本島北部の本部港の国際クルーズ拠点形成計画、石垣港クルーズ船専用バースを20万トン級受け入れに計画変更(当初計画では7万トン級)するなど、さらなる伸びが期待される。

OCVB営業推進室の営業方針と取り組みについて

 OCVBでは、2017年度よりこれまでの「営業推進課」を格上げし「営業推進室」として新たに活動を開始している。同室は誘客事業部下に配置され、国内チーム5名、海外チーム3名の計8名体制。国内各エリア市場動向ヒアリング、海外市場動向ヒアリング、OCVB内各課との事業連携、収益事業所セールス活動がメイン業務となる。

 国内チームは、東日本エリア、中部エリア、西日本エリア、九州エリアの4つに分け、それぞれの2017年度沖縄観光入域客数の目標値を、358万人、57万人、162万人、108万人と設定。計685万人で前年度比21万人増となる。

 東日本エリアは、2016年度は私鉄系旅行会社組織「クラブエキスプレス」との店頭促販を展開したほか、今年度はJR東日本「びゅうプラザ」19店舗で夏期販売促進の展開が決定。またMICEの取り組みとして、電気系インハウス「電気インハウス会」へのアプローチを行ない、7社の沖縄訪問とMICE課との連携を行なっているとのこと。また、営業強化地域として札幌、新潟、仙台を挙げている。

 唯一、前年度比2桁増となった中部エリアは、2016年はスカイマークの早朝深夜便の運航による低価格商品ができたことなどがプラス要素となった。また、名鉄とのタイアップにより名鉄グループおよび旅行会社連携が図れたとのこと。2017年度は、より平準化を意識した施策や、中部~宮古直行便の通期運航などによる離島への販売拡大を図りたいとしている。

 西日本エリアの2016年度は、機材変更やLCC便数減などにより関空の利用が減少。一方で宮古島直行便の通期運航などにより離島人気の構図が広がったとしている。また、阪急阪神ホールディングス、近鉄グループホールディングスなどの私鉄との連携で、旅行会社との連携や販売拡大が図れたとのこと。2017年度は、関空利用減の歯止めに向けて航空会社や旅行会社との施策を実行すること、販売単価引き上げやリピーター増を意識した仕掛けの具現化などを取り組みとして挙げている。プラス要素として、岩国空港からの通期運航、神戸空港からの増便などが挙がった。

 九州エリアは、2016年度上半期は熊本地震の影響もあったが7月ごろからは「自粛からの自粛」をきっかけに改善が見られた。2017年度は、21路線が運航する福岡地区からの安定した誘客、熊本と鹿児島についてはメディア・旅行会社との連携プロモーションの展開、宮崎と鹿児島については航空会社と連携し修学旅行の誘致に取り組むとしている。

 2017年度に新設された海外チームでは、重点市場(台湾・香港・韓国・中国)、戦略市場(タイ・シンガポールほか)、新規市場(欧州・北米・豪州・ロシア)の3市場ごとに課題や取り組みを設定。2017年度の外国人誘客265万人のうち、重点市場は200万人、戦略市場10万人、新規市場7万5000人、その他市場47万5000人と設定。取り組みとしては、沖縄独自の魅力ある情報を海外市場に発信するほか、優良パートナーの選定により誘客や協力体制を固めること、効果的な市場へのトラベルフェア出展の検討、受け入れ体制の強化などを挙げている。