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サイクルシェアリングサービス「沖縄バイクシェア」の実証実験スタート
那覇市内に5カ所のサイクルポートを設置、観光客の移動手段に
2017年3月9日 20:19
- 2017年3月6日 実証実験開始
自転車とモバイルを融合させたサイクルシェアリングシステムを提供するドコモ・バイクシェアのシステムを用いた「沖縄バイクシェア」の実証実験が、3月6日に沖縄県那覇市内でスタートした。
エリア内の情報配信にはNTTBP(エヌ・ティ・ ティ・ブロードバンドプラットフォーム)がフリーWi-Fiと「ささっとパンフ」を提供。自転車のメンテナンスは沖縄輪業、運営のサポートはOCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)が担当する。
同日、ドコモ・バイクシェア、NTTBP、OCVBの代表者が揃い、共同記者会見を開いた。
サイクルシェアリングシステム「沖縄バイクシェア」
提供期間:2017年3月6日から3カ月の予定
サイクルポート:沖縄かりゆし アーバンリゾート・ナハ、KARIYUSHI LCH. 県庁前、KARIYUSHI LCH.PREMIUM、ロワジールホテル那覇、沖縄観光コンベンションビューロー
有人窓口:沖縄かりゆし アーバンリゾート・ナハ、KARIYUSHI LCH. 県庁前、KARIYUSHI LCH.PREMIUM
料金:30分200円、1日2000円
利用申し込み・決済方法:有人窓口で専用ICカード(FeliCa)を現金で購入するか、下記Webサイトから会員登録を行ないクレジットカードで決済(身長140cm以上の人が利用可)
TEL:050-3531-6108
Webサイト:沖縄バイクシェア
ドコモ・バイクシェアは、特定のエリア内に複数箇所設けられた専用のサイクルポートに駐輪された自転車を24時間自由に借りることができ、どのサイクルポートでも返却できるレンタルサイクルサービスを展開している。
これまでに東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、神奈川県横浜市、宮城県仙台市、広島県広島市でサービスを提供するほか、青森県・岩手県による「東北自転車旅」、山梨県による「ぐるりん」などにもシステムを提供している。
この沖縄バイクシェアでは、サイクルポートは「沖縄かりゆし アーバンリゾート・ナハ」「KARIYUSHI LCH. 県庁前」「KARIYUSHI LCH.PREMIUM」「ロワジールホテル那覇」「沖縄観光コンベンションビューロー」の5カ所に設置され、実証実験として20台の専用自転車を導入。観光客が観光や買い物などの際の移動手段として利用することが見込まれる。
利用するには事前に有人窓口での申し込みか、専用サイトでの会員登録と利用予約が必要になる。
有人窓口は「沖縄かりゆし アーバンリゾート・ナハ」「KARIYUSHI LCH. 県庁前」「KARIYUSHI LCH.PREMIUM」のホテルフロントとなり、専用ICカード(FeliCa)を現金で購入し、そのカードをシェアリングサーバーにかざすことで利用できる。
専用サイト経由の場合、個人情報や支払いに使うクレジットカード情報などを登録。利用予約後に発行される4桁のパスコードをシェアリングサーバーに入力するか、FeliCa機能を搭載したモバイル端末をシェアリングサーバーにかざすことで利用できる。
開錠したところから課金が始まり、料金は30分で200円。そのあと30分ごとに200円ずつ追加される。また2000円の1日パスも用意されている。
各サイクルポートではNTTBPのフリーWi-Fiスポットも設置し、地図や周辺店舗などの情報を提供する。コンテンツは同社の「ささっとパンフ」を利用し、レンタサイクルの利用方法やサイクルポートの地図、モデルコース、交通安全情報などを掲載。また那覇市との連携により、那覇市観光マップへのリンクも張られる。
「ささっとパンフ」は一度アクセスすると情報をダウンロードするため、通信環境のない場所でも繰り返し見ることができる。今のところ日本語と英語に対応しており、スマートフォンの言語設定により自動的に言語を選択して表示される。
ほかの言語にも対応可能なシステムが整っているので、コンテンツが揃えば来訪数の多い中国語(簡体字・繁体字)、韓国語などへの対応も即可能とのことだ。
沖縄バイクシェアを導入する大きなメリットは、単に自転車を貸し出しするだけでなく、利用者の行動状況を把握できることにあるという。どのような時間帯にどのような場所でどのくらいの時間を過ごすかといったデータから、観光プランや街づくりなどに活かすことができる。
OCVBの平良会長は、「クルマで見る風景と歩いて見る風景は違う。自転車の速度も見る風景の幅が広がり、消費効果につながるのではないか。今回導入される自転車が電動アシスト自転車のため、坂の多い那覇市内でも楽に移動できるのでは」と期待を述べた。
実証実験は3カ月程度との発表であったが、ドコモ・バイクシェアの坪谷氏は「ぜひこのまま続けて本格始動につなげられれば」と、NTTBPの南川氏は「那覇市との連携をさらに進め、那覇市観光マップを見ながら回れるようにしたい」と語った。
交通量の多い那覇市は、時間帯によっては渋滞も激しい。観光地への移動手段として、自転車は有力な手段になるだろう。