旅レポ
ヨーロッパとアジアの文化が交差する国・トルコの絶景を満喫する(その1)
「三姉妹の岩」「らくだ岩」などカッパドキアの奇岩群を訪ねる
2017年10月2日 06:00
トルコ共和国大使館・文化広報参事官室は、7月5日から9日にかけて、トルコの最大の都市イスタンブル、および同国有数の観光スポットであるカッパドキアを巡るプレスツアーを実施した。
その模様をレポートしよう。
古代の火山活動によって形成されたさまざまな奇岩
最初に訪れたのはカッパドキア。カッパドキアは、トルコの国土のちょうど中央部、中央アナトリア地方にある世界遺産(複合遺産)にも登録されている歴史・自然遺産地区である。カイセリ空港からクルマで1時間ほどの距離にある。
カッパドキアの名物といえば「奇岩」。円錐形、尖頭形、円柱形、キノコ形、帽子をかぶっているように見える形のものなど、それぞれ個性的な形状をしたさまざまな岩石群が、南北約50kmの範囲内に点在している。
近隣にはエルジエス、ハサン、ギュルルといったかつての活火山があり、この奇岩は、数百万年前に繰り返されたこれらの火山活動の噴出物(溶岩が固まった火成岩、火山灰が押し固まった凝灰岩など)が堆積して地層を形成し、それが長い年月をかけて浸食されてできたものだという。こうした火山活動によってできた地層は柔らかく掘りやすいため、こうした奇岩を掘って住居や教会として利用された跡もある。
特徴的な岩には、その形状から「三姉妹の岩」「らくだ岩」などと名前が付けられている。今回は代表的な奇岩スポットをひととおり巡ることができたので紹介していこう。
三姉妹の岩(エセンテペ)
エセンテペには「三姉妹の岩」と呼ばれる有名な3つ1組の奇岩がある。角度によっては2つしか見えないが、背の高い2つの岩の間に寄り添うようにして3つ目の岩がある。この三姉妹の岩付近は周囲より標高が高い位置にあり、周辺の山や畑などを見下ろすことができる。
ラクダ岩(デヴレント渓谷)
デブレント渓谷には「ラクダ岩」や「ナポレオンの帽子」と呼ばれる個性的な奇岩が楽しめる。今回は夕方にごく短時間立ち寄っただけだったが、ちょうどプロのカメラクルーを連れて結婚記念の写真を撮影しているカップルがいた。このように、奇岩のある渓谷を背景にした記念写真は人気があるという。
きのこの谷(パシャバー)
パシャバーには、きのこのような形をした岩が多数並び、「きのこの谷」とも呼ばれているという。高い場所まで上って見下ろすと、眼下に奇岩のパノラマが広がる。この日は抜けるような青い空が広がる快晴で、凝灰岩の白さとのコントラストが実に鮮やか。まさに絶景といえる眺望が楽しめた。
なお、この地域は観光スポットして大規模な再整備が進んでいる最中だということで、露店などは撤去されてモールのような場所へとまとめられ、ライトアップ設備の導入などが予定されているという。
レッドバレーで夕陽を鑑賞
夕陽の鑑賞スポットとして有名なレッドバレー。丘の上にクルマで行ける鑑賞エリアがあり、売店などが並び、家族連れやカップルなど夕陽目当ての客でにぎわう。さらに丘を登って上のほうまで行くこともできる。
夕陽を浴びて岩肌が赤く染まる様子はまさしく「レッドバレー」。空を見上げれば、JPEGでは圧縮のアラが目立ってしまうほどの美しく壮大な自然のグラデーションが展開される。幻想的な夕陽写真が取り放題だ。
ちなみに、「夕日」と「夕陽」はどちらも正しいが、厳密には前者は沈みゆく太陽そのもの、後者は太陽が放つ光を表わすという解釈が多数派のようである。
また、ここでもやはり結婚記念の写真を撮影するカップルとスタッフが何組かいた。図らずも、夕陽を背にカップルが情熱的な口づけを交わす幻想的な写真も撮れてしまった。