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トルコ共和国大使館、多様な見どころを紹介する「最新トルコセミナー2017」実施

2017年8月4日 実施

トルコ共和国大使館・文化広報参事官室が最新のトルコ情報を紹介する「最新トルコセミナー2017」を開催。会の冒頭ではトルコ大使館文化広報参事官室 アリ・カラクシュ氏が挨拶した

 トルコ共和国大使館・文化広報参事官室は8月4日、都内で最新トルコセミナー2017を実施した。ここ数年トルコで力を入れているユニークなフェスティバルやトルコ料理を紹介する内容だ。その模様をレポートしよう。

トルコにはイスタンブール、カッパドキア、ケバブ以外にもたくさんの魅力がある

 冒頭ではトルコ共和国大使館・文化広報参事官室のアリ・カラクシュ氏が登壇し、会の趣旨を語った。トルコといえば、「イスタンブール」「カッパドキア」「ケバブ」「アイスクリーム」といったイメージが強いかもしれないが、これはいわば、日本を「東京」「京都」「寿司」「テクノロジ」だけで語るようなものであると同氏はいう。日本にもユニークでリッチな文化があるように、トルコにもまだまだ多様な文化や見どころがあり、「もっとトルコのことを知っていただいて、友好を深めたい」と話した。

絶景や美食が楽しめる旬のローカルフェスティバル

 トルコ共和国大使館・文化広報参事官室の大森正光氏からは、トルコの最新事情やトルコで盛り上がっている旬のローカルフェスティバルが紹介された。

 トルコ最新事情としては、アフロディーテの神殿がある「アフロディシアス」が新たに世界遺産に登録されたことや、ガズィアンテップがユネスコの食文化(ガストロノミー)部門でガストロシティ(美食の街)として認定されたことが紹介された。

 また、フェスティバルとしては、エーゲ海地方でハーブを使った美食が楽しめる「アラチャト・ハーブ・フェスティバル」、色とりどりのチューリップ鑑賞を楽しめる「イスタンブール・チューリップ・フェスティバル」が紹介された。また、トルコ初のチッタスロー(スローシティ)である「セフェリヒサル」の魅力などに触れ、まだまだトルコには一般に知られていない見どころが多数あるということを強調した。

トルコ大使館文化広報参事官室の大森正光氏
アフロディシアスが新たな世界遺産として認定された
トルコドラマがチャンネル銀河で放送中
イスタンブールを猫目線で描いたトルコ映画が日本で公開される
トルコで美食の街として知られるガズィアンテップがユネスコのガストロシティに認定された
ガズィアンテップはピスタチオの大産地で、伝統的なトルココーヒー店、銅製品市場、世界最大のモザイク博物館などが見どころ
アラチャト・ハーブフェスティバルの様子
2017年のブース出店数は1484店。1105店が食品、 286店が雑貨・アクセサリー、93店がハーブスタンド
ハーブスタンドの様子
ハーブを使ったグルメも楽しめる。これはスズキの香草焼
アラチャトの近くには古代イオニア都市「クラゾメナイ遺跡」がある
イスタンブール・チューリップフェスティバルの様子。美しい光景が広がる
エミルギャン公園ではチューリップ花壇とボスポラス海峡を同時に眺めることができる
ギュルネハ公園のスルタンアフメット広場ではチューリップのみで作られたチューリップ絨毯が展開される
チューリップは、トルコの国花。トルコのアナトリア地方はチューリップの原産地の1つであり、オスマン帝国時代にヨーロッパに伝播した経緯がある
トルコ初のチッタスローであるセフェルヒサル(スアジュク)の魅力が紹介された
ディオニュソス神(バッカス)を祀ったテオス古代都市遺跡もある
スアジュク・オーガニックマーケットの様子

イスタンブール・アタテュルク国際空港の安全性をアピール

 続いて、ターキッシュエアラインズ広報の谷本美和氏がスピーチを行ない、同社エアラインの利便性やサービスの魅力をPRした。

 ターキッシュエアラインズは、成田からイスタンブールの直行便を毎日運航しており、トルコ国内へ便利にアクセスできるだけでなく、イスタンブールからヨーロッパ各都市への便も充実しているとアピールした。

 また、ビジネス、エコノミーともに高い評価を得ているという機内食サービスや、世界でもっとも豪華なラウンジといわれている「イスタンブールCIPラウンジ」、乗り継ぎの時間を利用してイスタンブールの観光名所を効率よく回れる無料のツアー「ツアーイスタンブール」などを紹介した。

 加えて、イスタンブールのアタテュルク国際空港の安全性についても言及した。現在はセキュリティが強化されており、出発前の検査に加えて、空港へ入場する人すべてに手荷物検査を義務付けるダブルチェック体制を敷いており、空港内はとても安全であることを強調した。

ターキッシュエアラインズ広報の谷本美和氏。同社の利便性やサービスの魅力をPRした
ターキッシュエアラインズの実績、就航国、就航地、旅客数とも世界でも上位にランクされる
日本からは毎日トルコ(イスタンブール)へ直行便がある
ヨーロッパ路線も充実。イタリアやフランスの地方都市、バルカン半島へのアクセスも便利だという
数々のアワードの受賞実績があり、2017年は南ヨーロッパのベストエアラインのほか、機内食やラウンジでも受賞した
ビジネスクラスではぜいたくなフライングシェフサービスも
エコノミーの設備も充実。アメニティの配布も行なわれている
機内食には特に力を入れているという
“世界でもっとも豪華なラウンジ”ともいわれている「イスタンブールCIPラウンジ」。シャワールーム、ゴルフシミュレータ、ビリヤードなども完備する
乗り継ぎの時間を利用してイスタンブールの観光名所を効率よく回れる無料のツアーサービス「ツアーイスタンブール」も実施している
イスタンブール・アタテュルク国際空港の様子。セキュリティ強化により、安全性も高いことを強調した

サラーム海上氏がトルコ料理を大いに語る

 音楽評論家であり、中東料理の研究家でもあるサラーム海上氏は、トルコ料理について語った。

 トルコ料理といえば、日本ではケバブ(特に積層した肉を回転させて削っていくドネルケバブ)のイメージが強いが、同氏によれば「ドネルケバブを食べてトルコ料理を食べた気になるのは、屋台の焼きそばを食べて日本食は美味しいといっているようなもの」だという。

 日本にもガイドブックに載っていない多様な料理を提供する飲食店が無数にあるように、トルコにもそうした飲食店が無数にある。そして、日本と違い、トルコではその8割以上がトルコ料理の店であるという。同氏は「それだけトルコ料理は多様で奥深く、かつ地元の人々に愛されている」と語る。

 トルコは、黒海、エーゲ海、地中海と三方を海に囲まれているだけでなく、内陸には森林、山岳地帯まで変化に富んだ風土に恵まれている。また、古くは東ローマ帝国、オスマン帝国が栄えた地であり、シルクロードが通った地でもあり、さまざまな文化が交差してきた歴史がある。

 そうした背景から、トルコ料理は食材も調理法も多種多様。30年前からトルコに通っているという同氏でも「今でも行くたびにはじめて知ること、はじめて見る料理が出てくる」というほど。トルコ料理は、フランス料理、中華料理とともに世界三大料理の1つに数えられているが、「それが当然であるということを、行けば行くほど実感する」と熱弁した。

音楽研究家であり、中東料理の研究家でもあるサラーム海上氏
この会では、同氏が現地で1週間学んできたというトルコの家庭料理を自ら調理し、参加者にふるまった。手に持っているのは、スイカと塩チーズ、ミントのサラダ
スイカと塩チーズは、氏曰く「メロンと生ハムみたいなもの」。別々にセットで出されるのが主流だが、こうしたスタイルもあるという
トルコのチャイ。すっきりとしたクセのない味で飲みやすい
トルコ南東部のグルメの町ガジアンテップの名物肉料理「アンテップ・ケバブ」。鍋に肉、揚げ茄子、野菜、ライスを入れて煮込み、最後に鍋をひっくり返して出来上がる
鍋をうまくひっくり返すとこのようになるという
トロトロになった茄子の食感が絶妙で、肉と野菜の旨みを吸い込んだライスも最高に美味しい
トルコは世界三大料理の1つに数えられている
トルコは地勢、気候に恵まれているうえ、文化が交差してきた歴史があり、そうした背景から多彩な料理が生み出されている
トルコの大衆食堂「ロカンタ」の様子。ロカンタではアルコールは飲めないところが多い
サラーム海上氏お勧めの「メイハネ」(居酒屋のようなところ)
トルコの代表的な料理「メゼ」。前菜や酒の肴系の小皿料理。とにかく多彩
メイハネでの頼み方。近年ではメインディッシュなしですませる方も多いという
トルコの主食はエキメッキと呼ばれるパン。安定供給できるよう政府が価格をコントロールしているという

絶景をバックに展開される魅惑のアートフェスティバル「Cappadox」

 最後に、サラーム海上氏から、2015年から開催されている国際音楽フェスティバル「Cappadox(カッパドキア国際フェスティバル)」が紹介された。

 Cappadoxは、イスタンブールに次ぐトルコ第2の観光地、カッパドキアを舞台に展開される。音楽だけにとどまらず、アート、ヨガ、グルメなど、さまざまなイベントが街中で開催されるという。

 カッパドキア名物の気球が上空が飛ぶなかで開催されたモーニングコンサート、奇岩群にプロジェクションマッピングで演出した幻想的な空間で行なわれたナイトコンサートの様子、同氏が参加したグルメイベントの模様などが伝えられた。

 平常時でも見どころが盛りだくさんのカッパドキアだが、期間中はまた違った特別な体験ができる。トルコおよびカッパドキアの新たな名物となりそうな印象だ。

Cappadoxの参加アーティストのPVが上映された
カッパドキア名物の気球が上空が飛ぶ中で開催されたモーニングコンサートの様子
カッパドキアの絶景とコンサートを両方楽しめるとは実にぜいたくな体験だろう
夜にはこのように奇岩にプロジェクションマッピング演出も行なわれる