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トルコの治安は「驚くほど普通」、日本旅行業協会が視察ツアーを報告

ターキッシュ エアラインズは日本路線にボーイング 777-300ER型機を導入

2018年2月27日 開催

駐日トルコ共和国大使館において、「JATA(日本旅行業協会) トルコ視察報告会」を開いた。写真はトルコ共和国特命全権大使 ハサン・ムラット・メルジャン閣下

 駐日トルコ共和国大使館とターキッシュ エアラインズは2月27日、東京都渋谷区にある駐日トルコ共和国大使館において、「JATA(日本旅行業協会) トルコ視察報告会」を開いた。

 トルコへの日本人渡航者は2012年に20万人を達成したものの、クーデター未遂やテロなどで2017年には4万5000人まで落ち込んでいることを受け、渡航者数回復に向けてトルコ政府観光省が視察ツアーを提案。

 駐日トルコ共和国大使館の協力を得て、JATAの副会長で海外旅行推進委員会の菊間潤吾氏らが1月11日~16日(3泊6日)の日程で現地を訪れた。メンバーはJATA海外旅行推進委員会11社から11名、JATAから3名、駐日トルコ共和国大使館から1名、ターキッシュ エアラインズから2名の合計17名。カッパドキアやイズミールなどを巡り、旅行業関係者らと意見を交換してきた。

羽田、成田、関空から1日3本の日本路線実現に期待

 開会にあたってトルコ共和国特命全権大使のハサン・ムラット・メルジャン閣下が、エルトゥールル号が和歌山件串本町の沖で遭難し、それを日本人が救助して以来「トルコと日本の間には128年の友情の歴史があります」と挨拶。

 さらにイラン・イラク戦争の際、テヘランに取り残された日本人をターキッシュ エアラインズの飛行機を使って救助したこと、その救助機を操縦した機長が後年亡くなった際には、日本から80名がトルコを訪れ葬儀に参列したことは「一生忘れられない出来事」と紹介した。

 そういった友情の歴史を背景に「両国の関係をさらに促進させることが我々の役目」であるとし、日本でさまざまなトルコの文化を紹介する事業を予定しており、そういったイベントを通じて日本人がトルコの文化に触れて、トルコを訪れてくれることを期待すると述べた。

 視察ツアーに参加し、報告会に列席したJATA会員の旅行業界の面々には、海外旅行商品にトルコを取り入れることと、ターキッシュ エアラインズが羽田空港の発着枠を獲得できることへの協力を求めた。

 そしてターキッシュ エアラインズには羽田空港の発着枠の獲得とともに、関空路線も再開し、羽田、成田、関空から1日3本の日本路線実現と、「トルコにいる私の娘もなかなか日本へのチケットが取れずに困っているんです」と述べつつ機材の大型化にも期待すると話した。

日本路線はボーイング 777-300ER型機へ大型化。第3空港には10月29日に完全移転

ターキッシュ エアラインズ 副社長のトゥンジャイ・エミンオール氏は、日本路線には日本語を話せるCA(客室乗務員)が乗務し、日本語の機内誌を用意していることなどをアピール

 ターキッシュ エアラインズ 副社長のトゥンジャイ・エミンオール氏は、1933年に5機で始まったターキッシュ エアラインズは、330機を所有するようになり、そのうち1機の名前がエルトゥールル号で縁のある「KUSHIMOTO(串本)」であり、「トルコ以外の都市の名前を冠する機材はこれのみです」と日本との関係の深さを語った。

 現在成田~イスタンブール線はエアバス A330-300型機で運航しているが、5月7日以降はボーイング 777-300ER型機と大型化されること、日本路線では日本語を話せるCA(客室乗務員)が乗務していること、日本語の機内誌が用意されていること、建設中のイスタンブールの第3空港には10月29日に完全移転を予定していることを紹介。

 また、3月26日から5月31日までの対象搭乗期間でトルコへの往復航空券が4万9000円から購入できるキャンペーンを実施中であることをアピールして、挨拶を終えた。

トルコの治安は「驚くほど普通」。セキュリティはかなり強化されている印象

一般社団法人日本旅行業協会 副会長 菊間潤吾氏

 JATA 副会長の菊間潤吾氏は今回の視察ツアーへの協力者に感謝を述べ、報告を行なった。

 2012年には約20万人いたというトルコへの日本人渡航者が、シリア問題などから約4万5000人まで低下。しかし治安は回復し、諸外国からの観光客も増えている状況で、現地を視察して各分野の責任者と情報交換を行ない、確信をもってトルコへの旅行商品醸成を再開していくことが視察の目的だったと述べた。

 実際に現地を訪れてみるとトルコの治安は「驚くほど普通」。セキュリティはかなり強化されている印象で、交番のような警官の駐在所が設けられ、グランドバザールには警備員も配されている。私服で見えない形で警備をする者、制服で見える形で警備をする者がいて、「ここまでやっていただけるなら安心だなと思った」と話した。

「ヨーロッパの美しい街道・道20選」に選ばれた「エーゲ海オリーブ街道」は、イズミールからエーゲ海への半島にある道。道の脇にはオリーブの木が並び、非常に穏やかな「いかにもエーゲ海だな」という雰囲気で、地元の人たちは明るくとても親切で、とても快適に楽しく旅行ができる場所だと感想を述べた。

 建設中のイスタンブールの第3空港を見学し、「シカゴの空港などと比べても世界で最大級の規模で、とびきり素晴らしい空港で、開港すれば便数も増えるのでは」と期待を寄せた。