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50年後、1000年後にヒトとアンドロイドの違いはあるか? 万博の石黒浩プロデュース「いのちの未来」パビリオンで考えた

2025年4月13日~10月13日 開催
石黒浩プロデュースの「いのちの未来」パビリオン

 4月13日に「大阪・関西万博(EXPO2025)」が大阪・夢洲で開幕する。ここでは、会期に先立ち実施したメディアデーでの会場内の様子をお伝えする。

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる今回の万博には、8名のプロデューサーが「いのち」についてそれぞれの視点で探究・表現した8つのシグネチャーパビリオンがある。

 そのうちの一つ「いのちの未来」は、“いのちを拡げる”をテーマに大きく3つのゾーンで構成されていて、さまざまなロボットやアンドロイドと出会うことができる。プロデューサーを務めているのは、アンドロイド研究の第一人者で大阪大学教授の石黒浩氏だ。

いのちの象徴として“水“に着目した「いのちの未来」の外観。循環する水膜によるファサードが目を引く
プラチナパートナーである長谷工グループが施工した「いのちの未来」館は水景を活かしたデザイン

 人間とアンドロイドの境界がなくなった未来の、いのちのつながりの在り方を展示する「いのちの未来」。人間がロボットやアンドロイドと共生する未来社会に没入していると、SFの世界だけかと思っていた世界がすぐそこまで来ていることを体感するだろう。

ゾーン1では、日本人が埴輪や仏像、能面などにいのちを宿してきた歴史を展示
アンドロイドとは人間にそっくりな姿形をしているロボットのこと。こちらは「コドモロイド」
パビリオンのメイン展示であるゾーン2は「50年後の未来」という設定。ここで出会うアンドロイドはヤマトロイドやアスカロイドといった名前が付いている
目を見ているとときどきまばたきをする
見てはいけないものを見たようなドキッとするこんな演出も
夏目漱石がモデルの「漱石アンドロイド」も。科学技術と人文学の文理融合を体感できるアンドロイドだという
マツコ・デラックスさんのアンドロイド。テレビ番組の収録シーンだろうか
テレビがアンドロイドだけで成り立つ世界はそう遠くない未来かも?
楽器を演奏したりスポーツをする高度な技術を持ったアンドロイド

 個人的に特に印象的だったのはゾーン3だ。1000年後の世界をイメージした音と光に包まれた幻想的な空間となっていて、ここでは“からだの制約から解き放たれた人の姿”と出会うことができる。1000年後の「いのち」とはどんな形なのだろう? そんなことを考えながら鑑賞した。

ゾーン3は「1000年後のいのちとの出会い」
見つめられるとちょっと怖い
退場時にはアンドロイドアバターの「ユイ」がさようならとあいさつしてくれる
いのちについて思いをはせることができるパビリオン「いのちの未来」へぜひ!