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培養液のなかで拍動する「iPS心臓」が万博で見られる! ネオアトムが最新医療を紹介、注目パビリオンへ行ってきた
2025年4月10日 21:47
- 2025年4月13日~10月13日 開催
4月13日に「大阪・関西万博(EXPO2025)」が大阪・夢洲で開幕する。ここでは、会期に先立ち実施したメディアデーでの会場内の様子をお伝えする。
パソナグループが出展する民間パビリオン「PASONA NATUREVERSE」のコンセプトは「いのち、ありがとう」。主な展示として、iPS心臓と最新の医療・食を紹介する「からだ」ゾーン、生命の進化を表現した大きな樹で地球の歴史と未来をみせる「いのちの歴史」ゾーン、あらゆる人がいきいきと働き、幸せに暮らすことのできる互助の社会を目指した「こころ・きずな」ゾーンを設けている。
パビリオンのナビゲーターを務めるのは、天才外科医ブラック・ジャックの手によって生まれ変わった新キャラクター「ネオアトム」だ。
中に入るとまず現われるのは、薄暗い館内にそびえ立つ大きな樹のモニュメント。これは「生命の進化」を表現したもので、過去・現在・未来と進化を続ける命のかたちが0~10の地層となり、足元の根から幹、頭上の枝へと無限に伸びていく。
続いて、「ネオアトム」誕生にまつわるショートムービーが楽しめるイマーシブな空間へ。手塚プロダクションが制作した完全オリジナルストーリーを、迫力あるフル3Dアニメーションで観られる。原案は、鉄腕アトムの最終回のその後を描いた物語「アトム還る」(1972年4~9月「小学四年生」連載)。
いよいよその先に展示されているのが「iPS心臓」。iPS細胞や既に実用化されているiPS心筋シートの技術を活用し、製作したもので、直径3cmほどのミニ心臓が培養液中でドクッ、ドクッと小さく拍動する様子を間近に見ることができる。
iPS心筋シートは、同パビリオンのエグゼクティブプロデューサーを務める大阪大学・澤芳樹名誉教授などのグループが研究・開発に携わり、2020年には患者の心臓に移植する手術を世界で初めて成功させている。そんな、未来の医療やいのちの可能性を世界に向けて発信するテーマが込められている。
ほかにも、「近未来のカテーテル手術体験」(体験時間1分)や「自走型マイクロロボット」による血管内治療技術、遠隔操作で山奥や離島での治療を可能にする「空飛ぶ手術室」、センサー付きベッドで自分の眠りの質を測定できる「未来の眠り」のコーナー、高齢者や病気の人でも装着するだけで身体機能が改善・拡張する暮らしのテクノロジーなどを展示している。
また、渦巻きの形をした独特のパビリオン建築も見どころのひとつ。これは、約4億年前に誕生した生命の大先輩“アンモナイト”の螺旋形状をデザインに採用したもので、巻き貝の先端には、希望の未来へ人々を導くかのようにちょこんと座る「鉄腕アトム」の姿が。
パビリオンにはショップも併設しており、iPS心臓を持つ「ネオアトム」のオリジナルグッズなどが手に入る。
©Tezuka Productions