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培養液のなかで拍動する「iPS心臓」が万博で見られる! ネオアトムが最新医療を紹介、注目パビリオンへ行ってきた

2025年4月13日~10月13日 開催
ネオアトムが最新医療を紹介! iPS心臓を展示する民間パビリオン「PASONA NATUREVERSE」を見てきた

 4月13日に「大阪・関西万博(EXPO2025)」が大阪・夢洲で開幕する。ここでは、会期に先立ち実施したメディアデーでの会場内の様子をお伝えする。

 パソナグループが出展する民間パビリオン「PASONA NATUREVERSE」のコンセプトは「いのち、ありがとう」。主な展示として、iPS心臓と最新の医療・食を紹介する「からだ」ゾーン、生命の進化を表現した大きな樹で地球の歴史と未来をみせる「いのちの歴史」ゾーン、あらゆる人がいきいきと働き、幸せに暮らすことのできる互助の社会を目指した「こころ・きずな」ゾーンを設けている。

 パビリオンのナビゲーターを務めるのは、天才外科医ブラック・ジャックの手によって生まれ変わった新キャラクター「ネオアトム」だ。

 中に入るとまず現われるのは、薄暗い館内にそびえ立つ大きな樹のモニュメント。これは「生命の進化」を表現したもので、過去・現在・未来と進化を続ける命のかたちが0~10の地層となり、足元の根から幹、頭上の枝へと無限に伸びていく。

過去・現在・未来を表現した「生命進化の樹」。地下から天井まで0~10の地層になっている
「いのちの歴史トンネル」にはパビリオン建築のモチーフにもなっているアンモナイトの化石を展示

 続いて、「ネオアトム」誕生にまつわるショートムービーが楽しめるイマーシブな空間へ。手塚プロダクションが制作した完全オリジナルストーリーを、迫力あるフル3Dアニメーションで観られる。原案は、鉄腕アトムの最終回のその後を描いた物語「アトム還る」(1972年4~9月「小学四年生」連載)。

特別ショートムービー「ネオアトム誕生」のシーン
ブラック・ジャックの手によって生まれ変わったネオアトムの誕生にまつわる完全オリジナルストーリーを迫力あるフル3Dアニメーションで上映

 いよいよその先に展示されているのが「iPS心臓」。iPS細胞や既に実用化されているiPS心筋シートの技術を活用し、製作したもので、直径3cmほどのミニ心臓が培養液中でドクッ、ドクッと小さく拍動する様子を間近に見ることができる。

 iPS心筋シートは、同パビリオンのエグゼクティブプロデューサーを務める大阪大学・澤芳樹名誉教授などのグループが研究・開発に携わり、2020年には患者の心臓に移植する手術を世界で初めて成功させている。そんな、未来の医療やいのちの可能性を世界に向けて発信するテーマが込められている。

iPS心臓が培養液中で小さく拍動する様子を見られる

 ほかにも、「近未来のカテーテル手術体験」(体験時間1分)や「自走型マイクロロボット」による血管内治療技術、遠隔操作で山奥や離島での治療を可能にする「空飛ぶ手術室」、センサー付きベッドで自分の眠りの質を測定できる「未来の眠り」のコーナー、高齢者や病気の人でも装着するだけで身体機能が改善・拡張する暮らしのテクノロジーなどを展示している。

近未来のカテーテル手術体験
遠隔操作で治療する「空飛ぶ手術室」
身体機能を改善・拡張する暮らしのテクノロジー
眠りの質を測定できるセンサー付きベッド

 また、渦巻きの形をした独特のパビリオン建築も見どころのひとつ。これは、約4億年前に誕生した生命の大先輩“アンモナイト”の螺旋形状をデザインに採用したもので、巻き貝の先端には、希望の未来へ人々を導くかのようにちょこんと座る「鉄腕アトム」の姿が。

 パビリオンにはショップも併設しており、iPS心臓を持つ「ネオアトム」のオリジナルグッズなどが手に入る。

グッズショップも併設している
パビリオンは西ゲート側(大屋根リング外)にある
螺旋型のパビリオン建築デザインにも注目。先端に座るのは「鉄腕アトム」
パソナグループが出展する民間パビリオン「PASONA NATUREVERSE」の主な展示ゾーン