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新駅「羽沢横浜国大駅」で相鉄・JR直通線レール締結式。「9割以上完成」という駅内部も公開
2019年3月30日 20:22
- 2019年3月28日 公開
相鉄(相模鉄道)は3月28日、新駅「羽沢横浜国大駅」(神奈川県横浜市)において「相鉄・JR直通線(直通線)」のレール締結式を実施した。同線の開業日は11月30日に決定しており、今回の締結式により開業へのステップが一段進んだ形となる(関連記事「相鉄とJR東日本、11月30日開業の直通線共同会見。『二俣川~新宿間で15分の時間短縮』と廣川支社長」)。
直通線は2005年に制定された「都市鉄道等利便利便増進法」に基づいて進められた事業で、相模本線 西谷駅からJR東日本(東日本旅客鉄道)東海道貨物線 横浜羽沢駅付近の約2.7kmを結び、相鉄とJR線が相互直通運転を行なうもの。
羽沢横浜国大駅はJR東海道貨物線 横浜羽沢駅付近に新設される駅で、鉄道・運輸機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が整備主体となり、営業主体を相鉄が担う。また、当駅から東急(東急電鉄)東横線および目黒線の日吉駅間にも約10kmの連絡線を新設する「相鉄・東急直通線(新横浜線)」においても、相互直通運転を行なう予定となっている。こちらは2022年度下期の開通を目指して工事が進められている。
直通線では相鉄 海老名駅および湘南台駅から新宿方面の運行を予定しており、朝ラッシュ時に1時間あたり4本程度、そのほかの時間帯は2~3本程度の列車が設定される。想定利用者数は1日7万人程度を見込み、開業後30年間の経済的価値は6198億円と試算されている。
羽沢横浜国大駅のホームで行なわれた締結式では、鉄道・運輸機構 東京支社 支社長 堀口知巳氏が主催者としてあいさつした。まず、相鉄・JR直通線について「横浜市西部および神奈川県中央部と東京都心部が直結し、広域鉄道ネットワーク」が形成されるとし、「経路の選択肢の増加、所要時間の短縮、乗り換え回数の減少、横浜駅や東海道貨物線などの走行路線の混雑緩和」などのメリットが生まれることにより鉄道利用者の利便性向上、ゆとりある都市生活の実現が期待されるとした。
また、この路線は「営業主体が整備主体に受益を使用料として支払う『受益活用型上下分離方式』を採用しており、鉄道施設を整備所有する鉄道・運輸機構と鉄道事業を運営する相鉄が、この方式の第一号案件として国土交通大臣より認定を受けた」と説明。今回の締結式をもって相鉄・JR直通線が1本につながることができたとして、関係者に感謝を述べるとともに、11月30日の開業に向けて残された工事を進めていくとした。
営業主体となる相鉄 代表取締役社長 滝澤秀之氏は、直通線について「物理的に電車がつながることではなく、東京と相鉄沿線に大きなかけ橋が架かる」と表現。「この架け橋を実りあるものとして提供」できるよう「営業主体であるわが社が頑張っていかなければいけないと思っている」と決意を示した。また、今後さらに2022年度下期に東急と相互直通運転が開始される予定となっていることにも触れ、安全第一で工事が進むことを願っていると述べた。
レール締結式には堀口氏、滝澤氏のほかJR東日本 執行役員 東京工事事務所長 竹内研一氏、日本貨物鉄道 常務執行役員 関東支社長 吉沢淳氏、東鉄工業 代表取締役社長 柳下尚道、NB建設 代表取締役社長 仙道靖夫氏が出席。工具により締め込みを実施したのち、清めの儀、テープカット、くす玉開披と進行。最後にモーターカーによるわたり初めが行なわれ、式典を締めくくった。