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相鉄「12000系」が新宿駅に初乗り入れ。11月30日開業の相鉄・JR相互直通線に向けた試運転
2019年9月2日 20:49
- 2019年9月2日 初乗り入れ
相鉄(相模鉄道)とJR東日本(東日本旅客鉄道)は9月2日、相鉄・JR直通線用に開発された「12000系」の新宿駅初乗り入れを報道公開した。
相鉄・JR直通線は2005年に制定された「都市鉄道等利便利便増進法」に基づいて進められた事業で、相鉄本線 西谷駅からJR東日本 東海道貨物線 横浜羽沢駅付近の約2.7kmを新たに建設し、相鉄とJR線が相互直通運転を行なうもの(関連記事「新駅『羽沢横浜国大駅』で相鉄・JR直通線レール締結式。「9割以上完成」という駅内部も公開」)。
運行区間は相鉄線 海老名駅~JR線 新宿駅(朝通勤時間帯の一部列車は大宮方面へ直通)としており、運行本数は終日で46往復92本を計画(関連記事「相鉄・JR直通線、運行本数/所要時間/停車駅など概要発表。11月30日開業、二俣川駅~新宿駅が最短44分」)。内訳は朝ピーク時間帯が1時間当たり4本、それ以外の時間帯は2~3本が運行される予定となっている。車両は相鉄が12000系、JR東日本が埼京線・川越線用E233系を使用する。
同線の開業日は2019年11月30日が予定されており、この6月から乗務員訓練などを目的とした試運転列車を運行している。当初は品川駅などで折り返しをしていたが、いよいよ本番に向けて新宿駅への乗り入れが実現したことになる。
試運転列車の到着後、相模鉄道 車両課 課長 関根雅人氏と、東日本旅客鉄道 運輸車両部 車両運用計画グループリーダー 淺井琢雄氏が囲み取材に応じた。
初めて新宿に乗り入れた点について尋ねられた相鉄の関根氏は、「いままでいろいろ準備や検討を進めてきたが、ようやく今日、実際に車両が乗り入れることができた。ただ、これで終わりではなく、この路線をお客さまに喜んでご利用いただけるか、どういった路線に育てていけるかが課題」と、喜びつつも慎重な姿勢を見せた。また、JR線沿線の乗客へのアピールについて、「(相鉄線は)横浜の中心を走っている自負がある」としたうえで、「(12000系の)ブルーは横浜の街の歴史などをイメージ。横浜の風をJR線沿線に運んでいきたい」と話した。
武蔵小杉駅をはじめとした混雑区間に10両編成の12000系が入ることについてJR東日本の淺井氏は、「武蔵小杉駅が大変混雑している認識は持っている。今までにも臨時改札を設置したほか、(既発表の)下りホームの増設などの計画を進めている。そういうことを含めた対策をとっていきたい」と話すに留めた。
これまでの試運転については「これまで問題はなく順調。車両の格好は違うものの仕様は極力合わせており、お互い実績のあるもので安定感を追求している」(関根氏)とし、JR側のE233系もすでに相鉄線内全線を走行済みと説明。今後についても「関係する乗務員数が多いため両社で調整しつつ(試運転を)続けていく」と話した。なお、相鉄とJRの乗務員が交代する駅についても調整中とした。