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ベトナム航空などが、ベトナム旅行やハノイの最新情報を紹介。都内で旅行代理店向けセミナー実施
9月1日に高速道路が開通し、ハノイ~ハロン湾の移動時間が大幅に短縮
2018年9月19日 19:55
- 2018年9月19日 実施
ベトナム航空やハノイ都庁らは9月19日、都内でハノイの最新情報を紹介する旅行会社向けのセミナーを実施した。
日本と現在のベトナム社会主義共和国の関係は、1973年9月21日に外交関係を樹立して45周年を迎える記念の年にあたる。6月にはチャン・ダイ・クアン国家主席が来日し、日本において日越外交関係樹立45周年記念レセプションも開かれている。
セミナーの冒頭であいさつした在日本ベトナム大使館 商務参事官のター・ドゥック・ミン氏は、「2017年2月、日本の天皇陛下がベトナムを訪問。そして、今年の5月はベトナム国家主席のチャン・ダイ・クアン主席が日本を訪問した。お互いの訪問により、政治、経済、商業投資が年ごとに強くなっている」と両国関係の発展についてコメント。
観光面については、「両国がさまざまな活動を行ない、多くの観光客がお互いに訪問する施策を行なっている。年ごとに観光客を増やし、両国の関係が強くなっていくことを願いたい」と、観光を通じた友好関係強化にも期待を述べた。
続いて、ハノイ都庁 観光商業投資促進センター 副センター長のグェン・グー・ベト氏が、ハノイの情報をプレゼンテーション。「ハノイは1000年以上の歴史がある平和な首都でありながら、豊富で多様な観光資源を持つ、ベトナムの2つの主要観光地のうちの1つ」と述べ、さまざまな観点でハノイを紹介。
観光客は2012年から年平均28%の伸びで増加を続けており、「文化的および歴史的な観光、MICE、工芸村巡り、エコツーリズム、スポーツ、ショッピング、グルメなどのツアーがある」とその多様性に触れた。
そのうえで、「近年新しい観光商品が作られた」として、ホアンキム湖周辺の歩行者天国を紹介。ハノイ旧市街の真ん中にあるホアンキム湖の周辺は金曜日の夜から日曜日まで歩行者天国となっており、「皆さまが自分の足で自由に観光、ショッピングをゆっくり楽しみ、魅力を感じていただける」とアピールした。また、ベトナム文化を表現した「トンキンショー」や、ベトナム全国のさまざまな音楽を組み合わせたという「ロンタイショー」などの芸術も日本人に楽しんでもらいたいスポットとして紹介した。
また、詳しくは後述のエーペックス インターナショナルのプレゼンで触れたいが、グェン・グー・ベト氏でのプレゼンでは、9月1日に高速道路が開通したことでハノイとハロン湾の間が2時間半で結ばれるようになったことも紹介した。
次に、ベトナム航空 日本支社 東日本地区 旅客営業部 次長の青木英雄氏が、ベトナム航空の東京(羽田/成田)~ベトナム線を中心に、サービスを紹介。日本からベトナムへの渡航者は2017年に渡航先ランキングで第7位となったほか、ベトナム観光総局発表の数字として、2018年も8月までの時点で前年同期比105%となっていることなどを紹介し、座席供給量やベトナム側の宿泊施設の増加、ビジネス機会の創出などの環境が整うことを条件に「近い将来100万人マーケットになりえるデスティネーション」と力を込めた。
ベトナム航空は9月現在で日本路線に週70便を運航。2018年冬期スケジュールでは、福岡~ハノイ線デイリー化や、関空~ダナン線就航などにより週80便に増便。座席供給量は前年同期比で21.9%増となる予定だ。
東京~ハノイ/ホーチミン線の機材については、7月1日からすべてエアバス A350-900型機になり、プレミアムエコノミーを持つ3クラス仕様の機材に統一した。青木氏は「特に伝えたいのは機内の静音性、居住性がほかの機材に比べて非常に優れていること。特にシニアや小さなお子さまが搭乗されるファミリー旅では、エアバス A350-900型機やボーイング 787-9型機といった機材を利用されると、ベトナムまでの旅行の快適性が増すのでは」とアピールした。
プレミアムエコノミーについては、東京~ハノイ/ホーチミン線ではJAL(日本航空)が成田~ハノイ線でプレミアムエコノミーを提供しているが、同路線の全便でプレミアムエコノミーを提供するのはベトナム航空だけであると強調。ベトナム航空のプレミアムエコノミーは優先チェックインカウンターや優先搭乗、預け入れ手荷物のプライオリティタグ付与などのサービスはビジネスクラスと同等ながら、搭乗客が求めやすい価格を心がけているという。
続いて、ハノイ現地の旅行会社であるハノイツーリスト(Hanoitourist)副社長 ファム・ホン・タイ氏が登壇。同社は旅行業のみならず、不動産業としてホテルへの資本参加や大手ショッピングセンター、テーマパーク運営に携わるなど、観光関連業に広く参画していることを紹介。同社が資本参加や経営に携わるホテルには、ベトナム料理を楽しめるレストランや、工芸村で作られた商品を扱うショップがあることから、それらの利用も呼びかけた。
また、年々、同社のサービスを利用する日本人観光客が増えているとし、2020年には訪ベトナム日本人100万人を目標として提示。ハノイの観光地としては、ホアンキム湖やユネスコ世界遺産のタンロン遺跡、ハロン湾などをお勧めしたほか、ゴルフやMICEなど日本人観光客が楽しめるものを調べあげた商品の提供なども行なっているという。
最後に、ベトナム各地に支店を持つランドオペレータであるエーペックス インターナショナル マーケティングで、ベトナム駐在経験も豊富な水林舞子氏が登壇。「年々発展しており、日々の新しい情報を知っていただきたい」として、現在お勧めのハノイ観光情報を紹介した。
まず紹介したのは、ホアンキム湖やハノイ教会、フランクタワー、ホーチミン廟、一柱寺、タンロン遺跡、文廟、オペラハウスなどの主要観光地を巡っている2階建ての観光バス。各所にバス停があり、24時間/48時間/72時間のチケットを購入することで、期限内は乗り降り自由。車内はインターネット接続可能なWi-Fiを完備し、日本語対応ガイドが流れるイヤフォンも用意されているという。「時間がない方は乗り降りしなければ1時間10分ぐらいでまわれる。時間がある方ならディープにまわれる」と推奨した。
次に、ハノイで2番目に高いビルであるロッテセンターハノイ展望台を紹介。65階で高さは253m。フードエリアがあることから「観光途中の休憩がてら、展望台の景色とともにベトナムコーヒーやスイーツを楽しめる」と話した。
続いて、鉄道に関連したスポットも紹介。列車通過時に大慌てで店じまいを始める映像が知られるタイのメークロン市場のように、建物の隙間を縫うような近い距離で鉄道の通過を楽しめる場所が、ハノイ旧市街にあるという。頻繁に行き来するわけではないので運行ダイヤに合わせて訪問する必要があるとのこと。また、手動の踏切を操作する様子なども見られるという。
さらに、ハノイ旧市街の近くにある、フランス統治時代に建設された「ロンビエン橋」を紹介。水林氏曰く「芸術品といっても過言ではない」という鉄骨が美しい橋だ。その近くにあるロンビエン駅から1駅だけ体験乗車するのもお勧めしており、水林氏はロンビエン駅から隣のザーラム駅までの1区間に乗車してみたという。ほぼオンタイムで、車内はクーラー付きといった点や、ザーラム駅には軌間が異なる中国国境への連絡鉄道も乗り入れていることから2種類の鉄路を見ることができる点などを挙げ、セミナーに訪れた旅行代理店担当者に「セットで観光に組み込んでみては」と提案した。
このほか、先にも触れたハノイとハロン湾とが高速道路で結ばれたことの紹介があった。これまでハノイから途中のハイフォンまでが開通していたが、この9月1日にハイフォン~ハロン湾間が開通したことで、ハノイとハロン湾が高速道路で結ばれた。これにより、従来の道路では4時間から4時間半ほどかかっていたのが、2時間半ほどへ短縮されることになった。
さらに途中のハイフォンも港町として栄えた歴史ある街で、フランス統治時代のオペラハウスなど洋風な建築物が多く残る魅力的な観光地であるほか、市内に大型コンテナ船に対応するラックフェン港が開港したことで今後も発展が期待されることから、この新たなルートに沿って「いろいろ巡っていただければ」と呼びかけた。