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ANAとJALがセントレアの複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」スポンサーに

ボーイング 787初号機などを使ったチームラボの体験型コンテンツをバックアップ

2017年12月4日 発表

セントレアは、複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」における展示エリアのスポンサーを発表した。左から中部国際空港株式会社 代表取締役社長 友添雅直氏、日本航空株式会社 代表取締役専務 大川順子氏、全日本空輸株式会社 代表取締役副社長 志岐隆史氏、チームラボ株式会社 代表取締役 猪子寿之

 セントレア(中部国際空港)は12月4日、都内で発表会を開き、2018年夏に開業予定の複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」において、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)が展示エリアのスポンサーになったことを発表した。

 FLIGHT OF DREAMSは、ボーイング 787の飛行試験1号機(ZA001)を建物1階に展示し、チームラボが手がける「見る」「読む」「動く」「触る」「聞く」というインタラクティブな体験ができるコンテンツを展開。2~3階にはボーイング発祥の地、米国・シアトル由来の飲食・物販店舗が並ぶ。

セントレアに開業する「FLIGHT OF DREAMS」概要

開業時期:2018年夏
整備主体:中部国際空港株式会社
建設地:南側立体駐車場近接地
建築面積:約5000m2
延床面積:約1万m2
建物:地上3階建て
Webサイト:FLIGHT OF DREAMS

FLIGHT OF DREAMSの建物内にボーイング 787の飛行試験1号機(ZA001)を展示する(画像提供:中部国際空港)

 ボーイング 787型機は機体の35%が中部エリアで製造され、米国のボーイングの工場に輸送され組み立てられている。その縁から、初号機であるZA001号機はラストフライト後にボーイングからセントレアに2015年6月に寄贈された。そのZA001号機がそのまま屋内展示される。

「FLIGHT OF DREAMSの今後にぜひご注目いただければ」

中部国際空港株式会社 代表取締役社長 友添雅直氏

 発表会ではセントレア 代表取締役社長の友添雅直氏が、ANAとJALがFLIGHT OF DREAMSの展示コンテンツについてスポンサーになったこと、787型機主翼スパー内部の骨組みを担当している新明和工業もスポンサーに加わったことを報告し、概要を説明した。

 ANAは「(仮称)超体感演出」と「(仮称)お絵かき飛行機」、JALは「(仮称)紙ヒコーキを飛ばす」と「(仮称)お仕事体験」をスポンサードし、演出をチームラボが担当する。

 また、12月17日にはZA001号機を、建設中の建物内にANA中部空港のトーイングカーを使い移動し、それを一般公開することが発表された。

 ZA001号機が現在駐機している箇所からFLIGHT OF DREAMSまでの移動距離は約900m。途中には公道を横断する場面もあるが、地元警察や関係各所との調整も進んでおり、迂回路などを設けるなどの対策を行なうという。

 一般見学者はセントレア内の臨時駐車場の一部、飛行機の見える丘公園の一部から見学できるようする。移動開始時刻は11時30分ごろで、夕方に作業を完了する予定だ。12月8日にFLIGHT OF DREAMSのWebサイトで詳細を発表するとしている。

12月17日にANA中部空港株式会社のトーイングカーを使いZA001号機を建設中の建物内に移動し、一般公開する

 JALはセントレアと共催で、ボーイング 787型機への理解を深めてもらうイベントとして、セントレア~バンコク線で使用しているボーイング 787型機を使った機体見学会と、現役パイロットによる航空教室を、セントレアの開港記念日である2月17日に実施する。募集方法やイベントの詳細は、2018年1月中旬ごろにJALのWebサイトFLIGHT OF DREAMSのWebサイトで発表するとのこと。

JALはセントレアと共催で、ボーイング 787型機を使った機体見学会と、現役パイロットによる航空教室を2月17日に実施する

 友添社長は「このように施設が完成するまでにもイベントを設け、シアトルの街並みを再現した商業エリアも新しいテナントが決まり次第、情報を発信していきますので、FLIGHT OF DREAMSの今後にぜひご注目いただければと思います」と述べて、説明を終えた。

「来場者の知的好奇心が刺激されるよう支援していきたい」

チームラボ株式会社 代表取締役 猪子寿之

 続いてチームラボ 代表取締役の猪子寿之が、展示エリアのコンテンツを説明した。ANAがスポンサーを務める「(仮称)超体感演出」は、ZA001号機の実機を床面などを使った大規模なプロジェクションマッピング。「まるでボーイング 787号機が飛んでいるような没入感」を体感できるという。これは吹き抜けの2~3階からもその様子を見ることができる。

「(仮称)超体感演出」のイメージ(画像提供:中部国際空港)

 同じくANAがスポンサーを務める「(仮称)お絵かき飛行機」は、来場者が専用の紙にクレヨンで描いた飛行機が、ドーム空間内の空(壁)を飛び回るコンテンツ。目の錯覚を利用して、立体的に飛んでいるように見えるそう。タブレットを使い、その飛行機のパイロット目線で簡易的な操縦ができ、「楽しみながら飛行機が飛ぶ仕組みも学べる」狙いがある。

「(仮称)お絵かき飛行機」のイメージ(画像提供:中部国際空港)

 JALがスポンサーの「(仮称)紙ヒコーキを飛ばす」は、来場者が紙ヒコーキを折り光のゲート空間に向けて飛ばすと、飛距離によって変わる光のゲートの音や色が楽しめるというもの。数人で一斉に飛ばせば紙ヒコーキの個体差によってさまざまな反応が起きる、「飛ぶ仕組みへの理解を深める」というコンテンツ。

「(仮称)紙ヒコーキを飛ばす」のイメージ(画像提供:中部国際空港)

 そのほかにJALのスポンサーでは「(仮称)お仕事体験」というコンテンツを予定しており、パイロット、CA(客室乗務員)、整備士など航空会社の仕事を「バーチャルの仕組みで体験できるよう」検討中とのこと。

「本物の飛行機が存在することだけでもすごいことですが、実機に加えてデジタルテクノロジを使いインタラクティブな展示を行なうことで、体験を通じ飛行機と航空業界を学んでもらえるよう、来場者の知的好奇心が刺激されるよう支援していきたい」と述べて、コンテンツの紹介を終えた。

ボーイング 787初号機「ZA001」の移動イベントではトーイングを担当するANA

全日本空輸株式会社 代表取締役副社長 志岐隆史氏

 スポンサー企業からの挨拶として、まずANA 代表取締役副社長 志岐隆史氏が登壇し、セントレアではANAは国際線を週に14便、国内線は1日に110便、年間約340万人が利用する「身近で大切な空港」であり、スポンサーの打診を引き受けたと説明。

 また、ボーイング 787型機は200席級の大きすぎないサイズで長距離を飛ぶことができ、2004年の初受領から国際線の主力機になっている機体だと紹介。12月17日のZA001号機の移動イベントでは、グループ会社のANA中部空港がトーイングを担当するが、翼端それぞれから建造物までの距離が約70cmという空間を通過する場面もあるそうで、「技能を上げてトライしていきたい」と語った。そして「新しい画期的な施設が誕生することに大いに期待して、ANAとしてもお手伝いをしていきたい」と挨拶を締めくくった。

JALの「空育」をFLIGHT OF DREAMSのコンテンツを通じても提供

日本航空株式会社 代表取締役専務 大川順子氏

 続いてJAL 代表取締役専務の大川順子氏は、「今回のスポンサーのお話を光栄に、うれしく思います」と感謝を述べ、「時代が移り変わり、技術が進化しても、空と飛行機への夢は変わらないと思います。その思いとテクノロジが融合した場所がFLIGHT OF DREAMSだと思います」と挨拶。

 JALでは次世代に未来を考える機会を提供する「空育」を推進していることに触れ、「(仮称)紙ヒコーキを飛ばす」と「(仮称)お仕事体験」を通じても、その体験ができる場を提供すると紹介。2018年2月17日のセントレア開港記念日に実施する見学会と航空教室でも「ワクワク感のあるものにしたい」とし、「セントレアと中部エリアの発展に寄与できるよう協力してまいります」と述べた。

建設が進むFLIGHT OF DREAMS