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セントレア、2017年冬に展示施設「FLIGHT OF DREAMS」へボーイング 787初号機「ZA001」を移動
起工式実施、夏にプロモーションイベントを計画
2017年4月27日 14:19
- 2017年4月27日 着工
セントレア(中部国際空港)は4月27日、2018年開業を目指す複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」の起工式を行なった。この施設ではボーイング 787の飛行試験1号機(ZA001)の展示を行なう。
この起工式のなかで、中部国際空港 代表取締役社長の友添雅直氏は「夏にはお客さまにこの施設をよりよく知っていただくためのプロモーションイベント、冬には建物へのZA001の大移動といったイベントを経て、オープンを目指す」と明言。
囲み取材では、「プロモーションは計画中のもので具体的にお話できることはないが、冬の移動は見ものになると思う。皆さんにアピールする方法は検討中」としつつ、「私ども内部だけのイベントに終わらず、皆さんに来ていただける、見ていただけるようなことはぜひ考えたい。ビデオなどで撮って世界の皆さんにも見ていただける工夫もしたい。私が自分の構想で言いすぎるとスタッフに迷惑をかけるが(笑)、しっかり議論しながら皆さんに喜んでいただけるようなことをしたい」とコメント。
この移動については、トーイングカーによる牽引で、現在駐機している場所から、展示施設建屋の中へと移動することになるという。
4月27日に建設予定地で行なわれた起工式には、中部国際空港関係者のほか、設計を担当した日建設計、商環境設計を担当する東急エージェンシー、施工を行なう東急建設の関係者ら、約40名が参列。
神官による一連の儀式ののち祝詞の読み上げや四方のお清めが行なわれたあと、日建設計と東急エージェンシーの代表者が鎌、中部国際空港の代表者が鍬、東急建設の代表者が鋤を入れ地鎮の儀が執り行なわれた。
神事後の直会では、各代表者が挨拶。
中部国際空港 代表取締役社長の友添雅直氏は「ボーイング 787初号機の屋内展示をメインとした複合商業施設。最新鋭かつ歴史的価値のある初号機の屋内展示とともに、商業施設を展開する施設は、世界的にも例がない」と、この取り組みへの意欲を見せた。
また、「2015年6月にZA001がラストフライトでセントレアへ里帰りした際には、たくさんのお客さまがスカイデッキで温かく迎えてくださった。七夕の日に寄贈いただいたことは、今でも鮮明に思い出される」とし、先述したように夏以降に各種プロモーションを行なうことで、広く施設を周知していくとした。
日建設計 執行役員 名古屋代表の西村浩氏は、セントレアとは2005年2月の開港前から20年近い付き合いであることを紹介したうえで、「さまざまな形でセントレアから仕事をいただいているが、FLIGHT OF DREAMSはそのなかでもとりわけチャーミング。素晴らしい施設の設計で、設計者一同、気を引き締めつつも、楽しく取り組ませていただいた」とコメント。
施設について、「鼓の形のように、中ほどがくびれた形体を採っている。これはX形の断面を持った組み柱というものを用いたためで、合理的だと思っている。外から見ると一番くびれている場所が、内側から見ると一番広い部分になっており、787の翼がそこにぴったり収まるように計画した。787の優雅な曲線美を象徴するように、建物は直線的に設計している。また、X型の大きな柱なので、屋根のスパンを短くすることができ、コスト上も合理的」と、その建物の設計を紹介した。
西村氏の説明によると、1階がZA001や各種コンテンツが置かれ、2階が物販や飲食店などの商業施設が入る。3階は建設が予定されている県の大規模展示場やセントレア第2ターミナルとの歩行者動線が用意されるとのことで、「セントレアが南へ延びていくにあたっての重要な場所に立地している」とした。
東急エージェンシー 名古屋支社 支社長の峯辰雄氏は、「日建設計のアグレッシブな設計や、セントレアが次々問われる斬新なご指摘にお応えできるよう頑張りながら、なにより施設の集客、店舗の繁盛を目指してデザインに取り組んできた。出店者との調整は進行中だが、明らかに過去にない施設になると確信している」とコメント。
商業施設については2017年1月に発表があり、米国のシアトルをイメージしたものとなる。1階に米国外初出店となるオフィシャルボーイングストア、2階にはシアトルを中心としたアメリカンテイストの飲食店や物販店など、3階には「スターバックスコーヒー」「THE PIKE BREWING RESTAURANT & BAR」といった店舗が入店を予定している。
峯氏は「2018年夏に、今までどの空港でも見たことのないような空前絶後の施設がその姿を現わす日を心待ちにしている」と挨拶を締めた。
施工者である東急建設 代表取締役専務 執行役員 営業本部長の浅野和茂氏は、FLIGHT OF DREAMSの建設にあたって、「この建物は建築的には難易度が高い建物」と関係者への協力を依頼。「1年ちょっとの工期だが、開業している空港施設内の工事なので、無事故はもちろん、一般の方へのご配慮を怠らないよう精一杯力を尽くしたい」と話した。