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虹に向かってボーイング 787がテイクオフ。セントレア開港13周年でJALが航空教室
バンコク行きの787型機を子供たちが間近で見学
2018年2月19日 06:00
- 2018年2月17日 実施
JAL(日本航空)とセントレア(中部国際空港)は2月17日、小学生とその保護者を対象にボーイング 787型機を間近で見学するイベントを行なった。これは、2018年夏に開業を予定している複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」が、ボーイング 787型機の飛行試験1号機(ZA001)を主な展示物としていることから、開業プレイベントとして実施したもの。全国から320組の応募があり、当日は東海3県を中心に東京や静岡、京都などから13組26名が参加した。なお、この日セントレアは2005年2月17日の開港から13年を迎えている。
「ボーイング 787型機 スペシャル見学会」と銘打たれた本イベントは、10時20分発バンコク行きJL737便を駐機場で見学、滑走路脇で見送る前半と、セントレアビルの会議室を使った現役機長による航空教室の後半に分かれていた。
荷物などの検査を受けてバスに乗り込んだ参加者は、9時過ぎに駐機場へ向かい、まずは機内を見学。出発準備を控えて限られた時間しかなかったため記者らは入れなかったが、飛行機に乗ったことのない児童もいたようで、新鮮な体験になったはずだ。
続いて、ギアまわりやエンジン、主翼、カーゴスペース、尾翼など機体の間近を歩きながら見学。接続されたケーブルや各部の形状の理由などを聞きつつ、30分ほどかけてじっくり見て回った。ちなみに、駐機場だけでなくバスの車内でも現役の機長やCA(客室乗務員)、整備士が同行して子供たちの質問に答えていた。
このあと場所を移して、乗客が預け入れた荷物がコンテナに収納される様子を見学し(保安上の理由で撮影不可)、国際線では国際貨物扱いになることや、多いときでは1機で600個ほどの荷物があること、1つのコンテナには40~50個のスーツケースが収納できるが、入れるスタッフのセンスが問われる場面であることなどが説明された。
バスへ戻るとJL737便のプッシュバックがちょうど始まり、参加者を乗せたバスがトーイングカーを追いかけるように駐機場を進む。安全な距離でバスを降りて、「ご搭乗ありがとうございます」と書かれた横断幕を広げて全員で手を振って見送り。さらにバスは滑走路の端へ先回りし、車内から離陸の瞬間を見学することができた。このとき、滑走路の先には虹がかかっており、JL737便は虹を越えるように離陸していった。なお、この日のJL737便は定刻より3分ほど早く出発したという。
イベントの後半は会議室に移っての航空教室。見学にも同行したボーイング 787型機の機長 髙見圭一氏が登壇して、休憩を挟みつつJALが運航するボーイングの機材や飛行機の基本、飛行機が飛ぶまでのスタッフの役割などを説明した。
髙見機長は1990年に入社、ボーイング 747/737/777型機の副操縦士を経て、2004年に777型機の機長、2011年からは787型機の機長を務めている。自身の操縦する787型機については、カーボン素材を多く使うことで軽量化されたことや、カーボン採用で腐食しにくくなったため加湿器を搭載できるようになったこと、航続距離が伸びて東京からはニューヨーク、ロンドンはもちろん、(数字上は)アフリカや南極まで飛べることなどが披露され、子供たちも熱心に聞き入っていた。
途中でクイズを出題するなど子供たちが飽きない工夫も凝らしてあり、残念ながらこの日は志望者がいなかったが、「ぜひ飛行機や空の仕事を好きになって、パイロットを目指してほしい。みんなが大学を卒業するのは10年後くらいなので、私は引退しているかもしれないが、待っています」と締めくくった。