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好条件の宿泊プランを提案してくれるBIGLOBEの「宿みっけ」

2025年1月30日 取材

「宿みっけ」の通知

 BIGLOBE(ビッグローブ)は、宿泊プランの横断検索サービス「BIGLOBE旅行」のサービスの一環として生成AIを活用した好条件通知サービス「宿みっけ」を提供している。

 さまざまな予約サイトで宿を予約すると、その内容を記した予約完了メールが届くが、これを「宿みっけ」に転送すると、さらに宿泊料金が安くなるプランが見つかった場合に知らせてくれるという無料サービスだ。

 リアライズ事業本部 直販営業部 直販第2グループ シニアプロフェッショナルの縄手真人氏によれば、「宿みっけ」自体は2023年9月に提供が開始されているが、当初は主要な宿泊予約サイト10社の予約完了メールのフォーマットを解析し、条件のマッチングを行なっていたが、予約完了メールのフォーマットが変更されることもあり、都度検知して対応する必要があったという。

 その後、生成AI技術が急速に進化。導入してみたところ、外資系の宿泊予約サイトやホテル各社の直接予約のメールもスムーズに読み取れることが確認できたことから、2024年9月から生成AIを実装し、運用することになった。

リアライズ事業本部 直販営業部 直販第2グループ シニアプロフェッショナルの縄手真人氏

 そもそもISP(インターネット・サービス・プロバイダー)がこうしたサービスを提供していることに違和感を感じる人もいるかもしれないが、インターネットの普及期においてISP各社がポータルサイトを運営しており、同社では総合サービスの1つとして2000年から旅行情報を提供していた。2009年には、国内の宿泊予約サイトを横断検索できるサービスをスタート。これが現在のBIGLOBE旅行のサービスの原型となっている。

 縄手氏によると、提携している旅行会社との会話のなかで、宿泊予約のうち約40%がキャンセルになるという話がある一方、周囲に話を聞くと、予約を取りなおすことでお得に宿に泊まるという話があり、改めて調査したところ、68%の人が予約後に安いところを探すという結果が出た。予約後に宿泊料金の変動を逐一チェックするのは骨の折れる作業だが、BIGLOBEなら代行できると考え、サービス化に着手したのだとか。

予約完了メールの例
「宿みっけ」に転送しておくと、条件がいいプランが見つかった際に教えてくれる

 しかし、見方によっては、ただでさえ高いキャンセル率がさらに高まる可能性もあり、難色を示す提携先が出てきてもおかしくない。現状では同じ条件でより安く泊まれるプランを提案する形になっているが、旅行会社側からは、同じ条件か少し多く支払うことでオーシャンビューの部屋や豪華な食事付きのプランに変更するといった、アップセルにつながる提案に期待する声もあり、必ずしもネガティブな印象を持たれているわけではないようだ。

 今後の展開について縄手氏に聞いてみたところ、インバウンドの外国人旅行客に対し、海外OTA(Online Travel Agent)がアピールしきれていない風呂付きの部屋や部屋で食事できるといった日本の温泉特有のプランを提案していくようなサービスをやってみたいのだとか。

好条件の通知
プランの内容を確認した上で予約できる

 なお、「宿みっけ」で提案できるのは国内の宿泊施設のみとなっており、海外のホテル予約についてはキャンセル期間の条件にバラツキがあるため、対応が難しいとのこと。航空券なども予約後にキャンセル料が発生してしまうため、予約に柔軟性があるレンタカーの方が対応できる可能性があるそうだ。

 基本的には予約完了メールを転送するだけで簡単に利用できるサービスになっているが、どうしてもこの宿でなければ嫌という場合を除けば、「BIGLOBE旅行」アプリでは立地や料金などの条件を設定して検索すると、その条件にマッチしたお得な宿を随時通知してくれるサービスが「宿みっけ」の機能として利用できるようになっているので、これらの機能を上手に使いこなしていこう。