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写真で見る、JAL SKY SUITE 777(SS2)

改修された777-200ER型機に導入された「SKY SUITE III」など

2016年6月10日 公開

ボーイング 777-200ER型機で初のスカイスイート仕様となったJA701J

 JAL(日本航空)では ボーイング 777-200ER型機を2002年に東京(羽田)~北京線に就航して以来、中距離国際線の主力として運用、現在は11機所有している。

 同社が所有する777-200ER型機はプレミアムエコノミークラスの有無で2タイプ存在している。どちらもビジネスクラスには「JAL SHELL FLAT SEAT」が、プレミアムエコノミークラスには「JAL SKY SHELL SEAT」が採用されていた。前者は2003年度の、後者は2008年度のグッドデザイン賞を受賞したシートだが、777-300ER型機(JAL SKY SUITE)や767-300ER型機(JAL SKY SUITE II)に導入された「SKY SUITE」シートと比較すると、機内エンタテイメントシステムをはじめとして古さが否めなくなってきていた。

 そこで「1クラス上の最高品質」をテーマに、777-200ER型機向けの新型シートを開発。6月18日の羽田~バンコク線から導入されるのが「SKY SUITE 777」だ。この初号機の登録記号はJA701Jで、時刻表では現仕様が「772」と表記されるのに対し、この新仕様は「SS2」となる。2017年度中に全11機の改修が行なわれ、この8月からは羽田~シンガポール線、2017年1月以降に羽田・関西~ホノルル線、同3月以降にセントレア/成田~ホノルル線に順次投入される予定だ。

機材ボーイング 787-8型機ボーイング 787-9型機ボーイング 777-300ER型機ボーイング 767-300ER型機ボーイング 777-200ER型機
表記JAL SKY SUITE 787(SS8)JAL SKY SUITE 787(SS9)JAL SKY SUITE 777(SS7)JAL SKY SUITE 767(SS6)JAL SKY SUITE 777(SS2)
ファーストクラスJAL SUITE
ビジネスクラスSKY SUITESKY SUITESKY SUITESKY SUITE IISKY SUITE III
プレミアムエコノミーSKY PREMIUMSKY PREMIUMSKY PREMIUMSKY PREMIUM
エコノミークラスSKY WIDER IISKY WIDER IISKY WIDERSKY WIDERSKY WIDER
「JAL SKY SUITE 777」(SS2)に改修されたボーイング 777-200ER型機
ボーイング 777-200ER型機の仕様

全長:63.7m
全幅:60.9m
全高:19.7m
エンジン:米国ゼネラル・エレクトリック製GE90-94B
エンジン推力:44.1トン×2基
最大離陸推力:9万3700lbs
装備重量:1万7270lbs
エンジン全長:193インチ
ファン直径:123インチ
バイパス比:8.3
標準座席数:236/245/312席
巡航速度:905km/h
最大離陸重量:294.8トン
航続距離:1万4040km/1万3100km

コクピットまわり
エンジンは米国ゼネラル・エレクトリック製GE90-94B
ファンの直径は123インチ
ショックコーン。ブレードは22枚
エンジンと主脚の位置関係
前輪。タイヤはブリヂストン製
主輪。こちらはミシュラン製
この前方部分がビジネスクラスになる
Wi-Fi用アンテナ
主翼後部に装着された「SKY SUITE 777」ステッカーで新仕様かどうかが分かる
777-300ER型機の同仕様とは客室ドアの数(-200ERは片側4カ所、-300ERは片側5カ所)で見分けられる
後部ドアから見た「SKY SUITE 777」ステッカー
尾翼まわり
主翼
コクピット
上部スイッチ類
計器まわり

 SKY SUITE 777の客室はビジネスクラスが「SKY SUITE III」、プレミアムエコノミークラスが「SKY PREMIUM」、エコノミークラスが「SKY WIDER」の3クラス。

新仕様現行A現行B
ビジネスクラス42席(SKY SUITE III)56席28席
プレミアムエコノミー40席(SKY PREMIUM)40席
エコノミークラス154席(SKY WIDER)149席284席
合計236席245席312席

ビジネスクラス

 1-2-1配置で42席が用意されるSKY SUITE IIIはZodiac Seats UKによるもの。全席が通路から直接アクセスできるのはもちろん、フルフラット化も実現。収納やテーブル、可動式アームレスト、ACアウトレット、USBポートをそれぞれに装備している。機内エンタテイメントシステムは最新鋭の「MAGIC VI」となり、17インチのパーソナルモニターで楽しむことが可能だ。

JAL SKY SUITE IIIJAL SKY SUITEJAL SKY SUITE II
座席配置1-2-12-3-2(SS7)
2-2-2(SS8/SS9)
1-2-1
シート幅約52cm約52cm約52cm
ベッド幅(最大)約74cm約65cm約52cm
ベッド長(最大)約198cm約188cm約200cm
モニターサイズ17インチ23インチ15.4インチ
1-2-1配置となるビジネスクラス
機体左側のA席
機体右側がK席
手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)
中央席はG/D席になる
シート横にはアームレストとコントローラーを配置
折り畳み式のテーブルを装備
テーブルを引き出し11インチのMacBook Airを置いてみたところ
テーブル天板はスライドして正面に向けることができる
フルフラット状態
足下
可動式アームレスト
機内エンタテイメントシステムのコントローラー
タッチパネル式の17インチモニター
ユニバーサルACコンセント、USBポート、ヘッドホン端子を装備
専用の収納スペースには身だしなみを整えるのに便利なミラーも
引き出し式の扇形パーティションを装備
東京湯島「くろぎ」黒木純シェフ監修による機内食(和食)。前菜
主菜は和風牛タンシチューと銀鱈味噌漬け
東京麻布十番「山田チカラ」山田チカラシェフ監修の機内食(洋食)。オードブルはオマール海老のカプレーゼ
メインディッシュはアスパラガスのリゾットと和牛サーロインのステーキ。魚も選択できる
ビジネスクラス前方のバースペース
サイドにも小さなバースペースがある
機内Wi-Fiも装備
ビジネスクラスのラバトリーにはウォシュレットが備えられている

プレミアムエコノミークラス

 2-4-2配置となるSKY PREMIUMは40席を配置。他のSKY SUITE機と同様のシートとなっており、JAL SKY SHELL SEATよりシートピッチ、シート幅を拡大。パーソナルモニターも9インチから12.1インチへと大型化している。

SKY PREMIUMJAL SKY SHELL SEAT
座席タイプFIXED BACKFIXED BACK
運航機材SKY SUITE 777777-200ER(W51)
座席配置2-4-22-4-2
座席数40席40席
シートピッチ106.7cm(42インチ)96.5cm(38インチ)
シート幅48.3cm(19インチ)45.4cm(17.9インチ)
モニターサイズ12.1インチ9.0インチ
ベンダーZodiac Seats FranceB/E AERO SPACE
導入年2013年2003年
2-4-2配置のプレミアムエコノミー、SKY PREMIUM
シートピッチとシート幅が広くレッグレストも装備
サイドは2名掛け。プライバシー性を高めるセンターディバイダーも装備している
プレミアムエコノミークラスとエコノミークラスではフードスタイリスト飯島奈美さん監修のメニューが提供される

エコノミークラス

 従来の3-3-3から3-4-2と左右非対称の座席配置となったエコノミークラス。これは同機の使用路線がホノルル線など「ふたりでの利用が多い」ことから採用されたもの。シートはボーイング 777-300ER型機やボーイング 767-300ER型機で採用されている「SKY WIDER」を踏襲しており、シートピッチを現行の31インチから33~34インチに拡大したほか、シートのスリム化などにより足下スペースも最大で約10cm拡大。シート自体の軽量化も図られており、燃料消費量の抑制にも貢献するという。

777-200ER777-300ER767-300ER787-8/787-9
座席配置3-4-23-3-32-3-22-4-2
導入機数11機(予定)13機9機18機
座席数154席147席175席88席/116席
シートピッチ83.8~86.4cm(33~34インチ)83.8cm(33インチ)
シート幅47.0cm(18.5インチ)45.2cm(17.8インチ)48.3cm(19インチ)
モニターサイズ10.6インチ
ベンダーZIMZodiac Seat US
導入年2016年2013年2013年2014年
エコノミークラス中央から後方の眺め
左側通路
左側はA~C席の3名掛け
右側通路。後方がカーブしているのが特徴
右側はJ、Kの2名掛け
ギャレー