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JAL SKY SUITE IIIのシートを一般公開
足もとをクロスさせスペース効率が優れた独自シート
(2016/3/25 16:35)
- 2016年4月1日発売
JAL(日本航空)は3月25日、東京都港区の六本木ヒルズ・ヒルズ カフェ/スペースにおいて、国際線用のボーイング 777-200ER型機へ導入するビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE III」のシートを公開した。これは、25日から27日まで開催するシートの体験会に先だって報道向けに公開したもの。斜めに配置し、足もとをクロスする独特のシートの詳細が確認できた。
JAL SKY SUITE IIIはベッド長が最大198cmのフルフラット型シート。座席メーカーはZodiac Seats UK社。機内には1-2-1配列となり、全席通路アクセスが可能。中央の2席部分は両席の乗客の足もとがクロスすることで、スペース効率を稼いでいることが特徴。ベッド幅は最大約74cmと従来のSKY SUITEに比べて大きくなっているが、これは高さ調整が可能な可動式アームレストをベッドと同じ高さにすることで肩まわりの空間が広がることを示している。なお、シート幅は約52cmで歴代のSKY SUITEと同サイズ。
体験会で公開されるシートは中央の2席部分。足もとがクロスする部分は、フルフラット時に片方のシートの座面が下降し、もう片方のシートは若干上昇し、足もとの高さが互い違いになる。両席の足もとの仕切りは固い板で区切られておりお互いの足の動きが干渉することはない。
両席の間には可動式パーテーションがあり、離着陸時などは閉めている状態となる。離着陸時にパーテーションを開くシートもあるが、開いているものを閉めるのは日本人気質からは遠慮がちになるため、JAL SKY SUITE IIIでは通常状態を閉めている状態として設計した。可動式としたのは、今後、ホノルル路線に投入すれば、2人連れ旅行に多く利用されることを考慮したためという。
シートモニターは17インチ。現行のシェルフラットシートの約1.5倍となるが、既存のJAL SKY SUITEの23インチに比べるとサイズダウン。その理由はシートに座った乗客の目とモニターの間の距離が大きく離れているJAL SKY SUITEと異なり、JAL SKY SUITE IIIで23インチを搭載すると圧迫感が大きく、適度なサイズとして17インチを選択しているという。
電源コンセントやUSBポートは肩の位置にあり、その前には物を置くスペースがある。パーソナル収納もあり、ケーブルを接続したままのヘッドフォンを収納できるようになっているほか、扉の裏側にはミラーが装着されている。
サイドテーブルは収納式。開いてスライドさせることで、広く、自分に近い位置で利用できる。テーブルのロックが不十分だと赤いマークが目立つようになっており、離着陸時の客室乗務員の確認も確実になっている。なお、フルフラット時は席によって座面が上下するため、サイドテーブルの高さが異なってくる。
JAL SKY SUITE IIIのシートの導入は2017年度までに保有する777-200ER型機全機に実施する。2016年度は7機、2017年度は残る4機に導入する。導入路線は2016年7月に羽田~バンコク線、その後、羽田~シンガポール線、ホノルル線へと展開する。