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JAL SKY SUITE IIIのシートを一般公開

足もとをクロスさせスペース効率が優れた独自シート

2016年4月1日発売

 JAL(日本航空)は3月25日、東京都港区の六本木ヒルズ・ヒルズ カフェ/スペースにおいて、国際線用のボーイング 777-200ER型機へ導入するビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE III」のシートを公開した。これは、25日から27日まで開催するシートの体験会に先だって報道向けに公開したもの。斜めに配置し、足もとをクロスする独特のシートの詳細が確認できた。

 JAL SKY SUITE IIIはベッド長が最大198cmのフルフラット型シート。座席メーカーはZodiac Seats UK社。機内には1-2-1配列となり、全席通路アクセスが可能。中央の2席部分は両席の乗客の足もとがクロスすることで、スペース効率を稼いでいることが特徴。ベッド幅は最大約74cmと従来のSKY SUITEに比べて大きくなっているが、これは高さ調整が可能な可動式アームレストをベッドと同じ高さにすることで肩まわりの空間が広がることを示している。なお、シート幅は約52cmで歴代のSKY SUITEと同サイズ。

 体験会で公開されるシートは中央の2席部分。足もとがクロスする部分は、フルフラット時に片方のシートの座面が下降し、もう片方のシートは若干上昇し、足もとの高さが互い違いになる。両席の足もとの仕切りは固い板で区切られておりお互いの足の動きが干渉することはない。

 両席の間には可動式パーテーションがあり、離着陸時などは閉めている状態となる。離着陸時にパーテーションを開くシートもあるが、開いているものを閉めるのは日本人気質からは遠慮がちになるため、JAL SKY SUITE IIIでは通常状態を閉めている状態として設計した。可動式としたのは、今後、ホノルル路線に投入すれば、2人連れ旅行に多く利用されることを考慮したためという。

シートは進行方向に対して斜めに配置され、足もとがクロスする
左側のシートはフルフラットにした状態で、座面高さが下降していることがわかる
反対側のシートは座面が若干上昇し、足もとが左右席でクロスしている
シートを下降させてフラットになった状態
足もとの様子、足を奥まで伸ばして最大198cmのベッド長を確保する
こちらは座面が上昇する側のフラット状態
上昇側の足もとの様子、上側が奥まで足を入れることができる
シートとフットスペースがフラットになった状態
通常時のSKY SUITE IIIのシート
先の方に行くに従って幅は狭くなる
パーソナル収納は肩の部分にある。手前にスペースがあり、一時的に物を置くこともできる。中央に可動式パーテーションがあり、隣の人との空間を分けている
扉を開くとヘッドフォンが収納してある。コードをはさまないようすき間があいている
電源コンセントやUSBポートが並ぶ。ヘッドフォンのコードもここから出ている

 シートモニターは17インチ。現行のシェルフラットシートの約1.5倍となるが、既存のJAL SKY SUITEの23インチに比べるとサイズダウン。その理由はシートに座った乗客の目とモニターの間の距離が大きく離れているJAL SKY SUITEと異なり、JAL SKY SUITE IIIで23インチを搭載すると圧迫感が大きく、適度なサイズとして17インチを選択しているという。

 電源コンセントやUSBポートは肩の位置にあり、その前には物を置くスペースがある。パーソナル収納もあり、ケーブルを接続したままのヘッドフォンを収納できるようになっているほか、扉の裏側にはミラーが装着されている。

機内エンタテイメントシステムの操作リモコン
シートの操作ボタン
LEDのパーソナルライトは光量を可変できる
アームレストは高さ調整式でシートとフラットにすれば肩まわりのベッド幅を拡大できるほか、高くすれば、就寝時に通路と顔を仕切りプライバシー確保もできる
アームレストの内側には小物収納スペースがある
サイドテーブルを収納した状態。上部のロックがしっかりかかっていないと赤い部分が見えるため客室乗務員の確認がしやすくなっている
テーブルは回転させて利用できる
さらに手前に引くとスライドするため、自分に近い場所でテーブル利用ができる

 サイドテーブルは収納式。開いてスライドさせることで、広く、自分に近い位置で利用できる。テーブルのロックが不十分だと赤いマークが目立つようになっており、離着陸時の客室乗務員の確認も確実になっている。なお、フルフラット時は席によって座面が上下するため、サイドテーブルの高さが異なってくる。

 JAL SKY SUITE IIIのシートの導入は2017年度までに保有する777-200ER型機全機に実施する。2016年度は7機、2017年度は残る4機に導入する。導入路線は2016年7月に羽田~バンコク線、その後、羽田~シンガポール線、ホノルル線へと展開する。

JAL SKY SUITEのシートも展示、VRで搭乗体験も

 体験会では、JAL SKY SUITE IIIのシートのほか、JAL SKY SUITEとJAL SKY SUITE IIのシートも展示、こちらも座り心地を試すことができる。また、シートに座った状態で機内食の提供をVRヘッドマウントディスプレイで体験することもできる。頭を動かせば、ほぼ全方向のシート設備を確認できる。

JAL SKY SUITEのシート
JAL SKY SUITE IIのシート
サムスンのGear VRを使いJAL SKY SUITEを体験できる
用意されるスマートフォンが装着されたヘッドマウントディスプレイGear VRとヘッドフォン

 一般公開は25日の夕方分が17時~20時、26日、27日は11時~19時まで。六本木ヒルズ・ヒルズ カフェ/スペースは森タワー2階にあり、ヒルサイド2Fに面している多目的スペース。各種イベントが行われている場所となる。

JAL SKY SUITEの体験会は、六本木ヒルズのヒルズ カフェ/スペース
一般公開時間は25日の夕方分が17時~20時、26日、27日は11時~19時まで
ボーイング 777-200ER型機の模型も展示

(編集部:正田拓也)