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JR西日本とJR東海、ICOCA/TOICA/Suicaなどで新幹線に乗れる「スマートEX」を9月30日開始
東海道/山陽新幹線が交通系ICカード10種に対応。割引運賃も設定
2017年8月25日 20:39
- 2017年8月25日 発表
- 2017年9月30日5時30分 サービス開始
JR西日本(西日本旅客鉄道)とJR東海(東海旅客鉄道)は8月25日、東海道/山陽新幹線のネット予約とチケットレスでの乗車を実現する新サービス「スマートEX」を、9月30日から開始すると発表した。
利用客はインターネットでICOCAやTOICA、Suicaなどの交通系ICカード、クレジットカード情報などを登録し、新幹線のチケットを予約することで、改札に交通系ICカードをタッチするだけで新幹線に乗れるようになる。
発表同日、両社はJR西日本本社において、記者会見を開いた。
会見でスマートEXの概要を説明したJR西日本 執行役員 鉄道本部 営業本部長の室(むろ)博氏は、スマートEXを「思い立ったときすぐにネット予約をして、チケットレスで新幹線を利用できるサービス」と表現した。
スマートEXは事前にPCやスマートフォンを使い、専用のWebサイトで交通系ICカード、クレジットカードなどの情報とともに会員登録を行なう。そして乗車したい新幹線を、シートマップで空席状況を確認しながら座席を選んで予約する。あとは、新幹線の改札で登録してある交通系ICカードをタッチするだけでOKと、手順はとてもシンプル。
年会費などは無料で、対応する交通系ICカードは、Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCAの10種類。本サービスは東海道新幹線と山陽新幹線のみ対応し、JR他社の新幹線への導入は今のところは未定。9月30日5時30分からサービス開始となる。
乗車券・特急券の合計料金は、通常期に大人1名が片道利用した場合、通常料金よりも200円安くなる。ただし東京都区内、大阪市内といった「特定都区市内制度」は適用されない。
このスマートEXにより、週末や繁忙期などの窓口混雑を緩和し、乗客の利便性向上につなげていくほか、年内には訪日外国人向けの同サービスを提供する予定だと展望を話した。
ちなみにすでに提供しているネット予約サービス「エクスプレス予約」は、割安な特別価格で新幹線に乗れるメリットがあるが、年1080円の会費がかかり、専用ICカードが必要になるといった部分でハードルが高く、今後はさらにビジネスユースにフォーカスしていくことになるだろうとのこと。
スマートEXは、観光や帰省などで年に数回新幹線を利用するライトユーザーをメインターゲットにしており、「交通系ICカードは全国で1億枚以上普及しているので、多くの方にこのサービスをご利用いただいて、手軽に東海道新幹線、山陽新幹線に乗っていただけたら」と述べ、説明を終えた。
スマートEX
サービス開始日時:2017年9月30日5時30分
対象路線:東海道新幹線、山陽新幹線
対象交通系ICカード:Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCA
Webサイト:スマートEX
続いてマイクを握ったJR東海 専務執行役員 営業本部長の厚地(あつち)純夫氏は、既存のエクスプレス予約が約325万人に利用され、好評であることに触れつつ、「ネットショッピングのように手軽に一般のお客さまが利用できる便利なサービス」をコンセプトに、JR東海がスマートEXのシステムを設計したと紹介。JR他社には各社の都合や考え方があると前置きし、「手を挙げていただければもちろん本システムを提供したい」と話した。
「スマートEXによって、東海道・山陽新幹線を皆さんに気軽にご利用いただける状況にして、新幹線の利便性がさらに高まることを期待しております」と述べて、挨拶を終えた。
ちなみに9月30日から11月30日までスマートEXのサービス開始を記念して、オリジナルグッズを抽選でプレゼントするキャンペーンを実施するとのこと。