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JR西日本、電柱をアームでつかんで設置する「電柱ハンドリング車」公開。軌道走行も可能
デモンストレーションを動画で紹介
2017年10月16日 21:09
- 2017年10月16日以降順次導入
JR西日本(西日本旅客鉄道)は10月16日、国内の鉄道会社で初めて電柱を直接つかむ技術を採用した電柱建替車「電柱ハンドリング車」を導入、同日報道向けにデモンストレーションを行なった。
電柱ハンドリング車は、建設用クレーンを製造するタダノとJR西日本グループで電気工事を担当する西日本電気システムが共同開発した工事車両。大型車両としてタイヤで移動するほかに軌道を走ることもできる。踏切などから軌道に進入して現場まで移動、電柱をアームでつかんで設置したり、古い電柱をつかんで撤去したりといった作業を行なう。
JR西日本が導入した電柱ハンドリング車
全長×全幅×全高:8350×2480×3220mm
重量:1万9600kg
開発:株式会社タダノ、西日本電気システム株式会社
従来はクレーン車を使い電柱をつり下げて設置や除去を行なっていたが、周囲の電線や施設との干渉といったスペースの制限があり、クレーンの金具から電柱を外すため高所で作業する必要などがあった。
JR西日本の担当者によると、作業現場によってケースバイケースではあるが、例えば従来は8名前後必要だった作業員が5名前後に、作業時間は約25%減らすことができ、効率化と安全性の向上につながるという。
デモンストレーションで使用した電柱は長さが約10m、重量が約1300kgだったが、電柱ハンドリング車は最長14m、重量約2500kgまでのものをハンドリングできるとのこと。
公開された電柱ハンドリング車は1号車で、開発費込みで1億5000万円ほど。今後JR西日本管内で合計3台の導入を予定している。