ボーカリスト琴音の音楽旅

ミラノ風カツレツがアルゼンチンにもある!? ミラネッサ・ナポリターナを作ってみた

アルゼンチンの国民食的な存在の「ミラネッサ・ナポリターナ」

 アルゼンチンといえば日本からは地球の裏側、南米にある国。飛行機も乗り継ぎしなければ行けない遠い国です。

 そして南米の国ではありますが、アルゼンチンはヨーロッパ系移民が多く、その影響を強く受けています。イタリア系移民の多いアルゼンチンは、食文化にもイタリアの文化が色濃くでています。

 例えば、アイスクリームはイタリアのジェラートと同じく乳脂肪分が少なくてサッパリしているし、アルゼンチンではピザやパスタもよく食べられています。そして今回ご紹介する「ミラネッサ」も、アルゼンチンの国民食ですが、もともとはイタリア料理です。日本語でいう、いわゆる「ミラノ風カツレツ」になります。

 アルゼンチンでは、牛肉のミラネッサが多いですが、豚肉や鶏肉で作ったものも人気があります。お肉屋さんやスーパーではすでにパン粉が付いていて、調理するだけのミラネッサがたくさん売られています。

 私もブエノスアイレスにいるときは、お手軽なのでよく買っていました。ミラネッサ用のパン粉「Pan Rallado(パン・ラシャード)」は日本のパン粉よりも細かく、ほとんど粉状のパン粉です。

 アルゼンチンでは日本の荒めのパン粉は「Panko」として、区別して売られています。フードプロセッサーで日本のパン粉をより細かくしてPan Ralladoを作ってもいいのですが、YouTubeでいろいろレシピを見ていたらアルゼンチン人シェフがPankoでもOKと言っていたので、そのまま日本のパン粉で作ってみました。

 今回はミラネッサ・ナポリターナという、ミラネッサにひと手間加えた、ミラネッサの上にトマトソースとチーズを乗せて焼く豪華版を作ってみました。

 アルゼンチンでは、ミラネッサ・ナポリターナのほかにハムや目玉焼きを乗せたミラネッサもあったり、バリエーションが豊富です。今回はチーズを乗せるのでサッパリした鶏むね肉を使いました。

 トマトソースは手作りしましたが、市販のピザソースやトマト系のパスタソースでも代用可能です。トッピングがあると美味しいのですが、ミラネッサを揚げるとめちゃくちゃカロリーが高くなるので、オーブン焼きバージョンのレシピをご紹介します。

「ミラネッサ・ナポリターナ」の材料

鶏むね肉1枚(皮なし、300〜400g)、塩コショウ 適量、ホールトマト 2分の1缶、玉ねぎ 4分の1、オレガノ 小さじ1、ガーリックパウダー 小さじ1

・鶏むね肉1枚(皮なし、300〜400g)
・塩コショウ適量
・ホールトマト2分の1缶
・玉ねぎ 4分の1
・オレガノ小さじ1
・ガーリックパウダー 小さじ1
・卵 1個
・小麦粉 適量
・パン粉 適量
・ロースハム 4枚
・シュレッドチーズ 70g
・オリーブオイル 適量

卵 1個、小麦粉 適量、パン粉 適量
ロースハム 4枚、シュレッドチーズ 70g、オリーブオイル 適量

「ミラネッサ・ナポリターナ」の作り方

1. 鶏むね肉を薄くするため、真ん中に包丁を入れて開いきます。叩いて薄くしてもOK。開いたら塩コショウをして下味を付けましょう。

肉を縦にして間に包丁を入れて開きます
開くとこんな感じに。偶然ですがハート型になってかわいい
両面に塩コショウをして、下味を付けます

2. 下味を付けた鶏むね肉に小麦粉をまんべんなくまぶし、卵を割って溶き卵につけます。そこからパン粉をまぶします。

全体に行き渡るように小麦粉をまぶします
同じく全体に溶き卵を付けます
最後はパン粉を全体に付けて準備完了

3. オーブン皿の上にクッキングシートを敷き、その上に2をのせます。オリーブオイルを回しかけ、200℃のオーブンで35分焼きます(もっと高い温度設定ができるオーブンなら250℃で20〜25分くらいでもOK)。

クッキングシートではなく、アルミホイルでも可能

4. チキンカツを焼いている間に、トマトソースを作ります。まずは玉ねぎをみじん切りにします。

あとでチキンに乗せるので、少し細かめのみじん切りがオススメ

5. フライパンにオリーブオイルと刻んだ玉ねぎを入れ、弱火〜中火にかけます。

油を熱してから玉ねぎを入れると、油がはねやすいので注意

6. 塩コショウ、ガーリックパウダーを入れて少しきつね色になるまで炒めます。玉ねぎがきつね色になってきたらホールトマト、オレガノを入れてトマトを潰しながら煮込みます。

玉ねぎがこのくらいのきつね色になったらOK
ホールトマト、オレガノを入れて、トマトを潰しながら炒め煮にします

7. 少し汁気が少なくなってきたら火を止めます。

このくらいの水分量になったら火を止めます

8. 焼き上がったチキンカツを取り出して、トマトソース、ロースハム、チーズの順でトッピングします。

焼き上がりはこんな感じ。あとでまた焼くので、焼き目はこのくらいにしました
トマトソースをまんべんなく塗ります
ロースハムを乗せます

9. 魚焼きグリルかトースターに入れ、チーズに軽く焦げ目が付くまで焼きます。

チーズをたっぷり乗せて、魚焼きグリルに

10. 取り出して付け合わせとともにお皿に盛り付けてできあがりです。

「ミラネッサ・ナポリターナ」が完成! そのお味は?

 今回はチキンカツをオーブンで焼きましたが、もちろん揚げてもOKです。ちょっと鶏肉が分厚くて、本来ミラネッサは薄いお肉なのでミラネッサというよりはチキンカツ、という感じになりました。次は綿棒などで叩いて薄くしてみようかな。

 しかし実際に食べてみると、しっかり食べ応えがあってお腹にたまって美味しかったです。ミラネッサ・ハポネサ?(ミラネッサ・日本スタイル)なんちゃって。トマトソースのオレガノがよいアクセントになり、ハムとチーズが淡白な鶏むね肉にピッタリでした。ロースハムが薄いのにしっかりコクを出してくれていて驚きです。

チーズの焼き目がたまりません
チーズがとろけてるの最高!

 お昼から作り始めたのですが、白ワインを冷やしておかなかったことを悔やみました。チキンカツはお惣菜で買ってきて、トマトソースとハム&チーズを足すだけでもよりご馳走感がでると思います。

 私が調べたレシピでは、トマトソースを加熱せずにオレガノと調味料を混ぜるだけのレシピもありました。

 もとはイタリア料理でも、アルゼンチンの国民食になっている料理はたくさんあります。タンゴ音楽も、ヨーロッパ音楽に大きく影響を受けています。

 この度、5月28日に発売される私のCD「琴音ミーナを唄う」はイタリア人歌手のMinaの歌った曲をカバーしたものです。アルゼンチン大好きな私ですが、そのベースになっているイタリア音楽も大好きです。

 ヨーロッパやアルゼンチンの音楽が好きなので言語を学んでいますが、言語や食文化、色んな角度から音楽につながっている気がします。

 ミラネッサを作って、このCDをBGMにして食べていただけたらこれ幸い。下記のリンクからもCDを購入できますので、ご興味のある方は覗いてみてください。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。たまにアルトサックスも吹きます。1986年10月10日生まれ。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。ブログはhttp://ameblo.jp/singersax-kotone/