ボーカリスト琴音の音楽旅
米を牛乳で甘く煮る!? 中南米のちびっ子も大好きなお菓子「アロス・コン・レチェ」を作りました
2020年9月26日 08:00
アルゼンチン・ブエノスアイレス留学から日本に帰国して約4か月。相変わらずブエノスアイレス外国語大学 外国人向けスペイン語講座(レングアスビバス)に東京からリモートで通っている琴音です。
アルゼンチンは現在も外出禁止令中なので、リモートで授業が行なわれています。日本だと深夜2時からのクラスで、進級したはいいものの。スペイン語とよく似たポルトガル語が母語のブラジル人クラスメイトと、グループでの授業に四苦八苦。彼らに圧倒的学習スピードの差を見せつけられながら、なんとか授業についていっています。
そして、スペイン語の「目的語」という概念がまだ完璧に馴染んでいない私。この「目的語」はレシピ説明を用いて学習することが多いです。食いしん坊な私に最も適したレシピ翻訳学習法で、最近は中南米のレシピをスペイン語で検索して翻訳、調理と異国の料理を楽しんでいます。
先日もアルゼンチン人の友人と連絡を取っていて、最近アルゼンチンの料理をよく作っている、と話しました。彼女から「琴音、アロス・コン・レチェも美味しいよ。ぜひ作ってみて。」と言われレシピが送られてきました。レシピを見てみたら「米を……牛乳で……煮る?しかも甘い?」だと? 米といえば、もっちりとした白ごはんで、梅干し、のり、味噌汁、じゃないのか。
日本人の感覚では米を牛乳で甘く炊く、そしてそこにシナモンだなんて考えられない。しかし、百聞は一見にしかず、せっかく友人が送ってくれたので作ってみる事にしました。
アロス・コン・レチェ材料 (6人分)
・お米100g(できればパサパサした感じのお米が望ましい)
・牛乳1L
・砂糖100g
・シナモンスティック2本(なければシナモンパウダー15g)
・レモンピール適量(なければレモンジュース)
・飾り付け用のシナモンパウダーなど
調べてみると、中南米だけではなく世界中で愛されているお菓子のようで、英語だと「ライス・プディング」。特に中南米では、子供に大人気のお菓子だそうです。材料がとてもシンプルで、おおよそ家にある材料で作れます。今回は入れませんでしたが、バニラエッセンスを入れても美味しそうです。ほかのレシピでバニラエッセンスを使うものも見かけました。
私は自宅にシナモンパウダーがあったので、今回はシナモンスティックではなくパウダーだけで作りました。お米も、少し古くなってしまったお米のほうがこのお菓子には適しているので、古米を美味しく食べられるレシピでもあります。
1. 鍋に冷たい牛乳を入れ、レモンピール、シナモンスティック(なければパウダー)を入れて中火で火にかけて沸騰させる
2. 牛乳が沸騰するまでの間に、米を研ぐ。ここでしっかり研いでおくと、あとにでんぷんがあまり出ず食感がサラリとよくなる
3. 牛乳が沸騰したら米を入れ、弱火で40〜50分煮込む。5分おきくらいにかき混ぜる
4. 好みの粘度よりも少しゆるいくらいで火を止める(時間が経つと米が牛乳を吸って、さらに牛乳が減るため)
5. 器に盛り、飾り付け用のシナモンパウダーを茶こしで振る
アロス・コン・レチェの完成です。今回は飾り付けにレモンピールを細かく切ったものも添えてみました。さらにココナッツフレーク、ナッツ類、フルーツを添えても美味しいと思います。
温かいできたても美味しい! 温かいままでも、冷やしてからでもどちらでも美味しいので、お好みで楽しみましょう。シナモンを使っているので、甘く煮たリンゴも合いそう。レモンピールがほんのり効いて、牛乳の乳臭さを抑えてサッパリ食べられます。確かにこれは中南米のちびっ子大好きかも。柔らかいし、口当たりがよくとっても食べやすいです。
1人ですべての量は食べられないので、タッパーに小分けして冷凍しました。自然解凍で半分凍ったまま食べるのも美味しそうです。凍ったまま食べると甘みを感じにくくなるので、甘みを足したほうがよさそうです。
翌日、冷やしたものをいただきました。こ……これはこれでまた別のスイーツに。1つで2つの顔を持つお菓子、アロス・コン・レチェ。冷やすとパンナコッタやミルクプリンのようですが、もっちりしていてタピオカのイメージに近いです。
そして、材料を見れば分かりますが、油を使っていないので意外とヘルシーなお菓子なんですよね。ダイエット中の方でも、甘味料を変えればトレーニング前後に食べられるお菓子になります。
最初は「米を甘く牛乳で煮るなんて信じらない」と思いましたが新たな世界を知ることができました。アルゼンチン人の友人に写真を送り、これで合ってるか聞いたら「バッチリ!」と答えてくれました。
早く彼女と一緒に料理できる日が訪れてほしいものです。その日までに、南米料理のレパートリーを増やしておこうと思います。日本では馴染みのないお菓子ですが、海外の味をご自宅で味わってみるのはいかがでしょうか。