ボーカリスト琴音の音楽旅
「奥渋谷ってどこ?」ヴィンテージにグルメ巡りの大人散歩
2021年4月24日 00:00
「奥渋谷」って聞いたことありますか? 渋谷の神泉、松濤から代々木八幡方面に向かうエリアが「奥渋谷」。略して奥渋に面白いお店が集まっているとか。
私も何度も奥渋エリアの神山町を通っているけれど、昼間にゆっくり散策したことはなかったので、お気に入りのお店もある代々木八幡駅から、で自由気ままな1人散歩をスタートしました。
本場アルゼンチンの味そのまま「Mi Choripan(ミ・チョリパン)」
2020年5月にアルゼンチンから帰国した私ですが、やっぱりアルゼンチンの料理が食べたくなるときがあります。代々木八幡駅から徒歩8分ほどのところにある、アルゼンチンのファストフード「チョリパン」専門店、その名も「Mi Choripan(ミ・チョリパン)」へ。
チョリパンとは、アルゼンチンのホットドッグです。チョリソーとは、アルゼンチンでいうところのソーセージ、パンはスペイン語でもパンなので、「チョリパン」。チョリソーというと日本では「辛いソーセージ」をイメージしますが、アルゼンチンのチョリソーは「ソーセージ」全般なので、辛いわけじゃないんです。
ミ・チョリパンは、アルゼンチンに渡り修行を積んだという本格派のお店。店内にもフィレテアードという、アルゼンチン伝統芸術の看板がたくさんあります。
せっかくなのでカスタムチョリパンと、アルゼンチンのマテ茶をチョイスしました。チョリパン、カスタムだけあって野菜もたっぷりで具沢山。人目もはばからず大きな口でいただくと、本当にアルゼンチン本場の味でした。そうそう、このぶっといソーセージに、チミチュリという酸っぱいソースがアルゼンチンを思い出させてくれます。
思った以上に本場の味でビックリしました。油っこいソーセージにさっぱりマテ茶がよく合うんです。パンも、この何ともいえないフカッとした感じがアルゼンチンなんですよ。ブエノスアイレスのスーパーやお肉屋さんで、自分でチョリソーとパン買ってチョリパン作ってたなぁ。
店内もアルゼンチンにちなんだ物がたくさんあり、ブエノスアイレス大好きな私は大満足でした。もちろん、こちらのお店はテイクアウトもやっています。
大人なレディースヴィンテージ「The CORNER Tokyo」
ミ・チョリパンから、富ヶ谷交差点から富ヶ谷一丁目通りに入り神山町方面へ。てくてく歩いて行くとオシャレなカフェやコーヒースタンドがチラホラ。
まだコーヒーという気分ではなかったので、ぶらぶら歩いていると何やらかわいいお洋服屋さんが。ふむふむ、何やらヴィンテージを扱うお店のようだぞ。店名をよく見ずに入り、「おいくらくらいなんでしょ?」とタグを見てみると、なんだか見覚えのある文字が……。
そう、このお店「The CORNER Tokyo」は、以前は青山にあって、よく通っていたお店だったんです。数年前に青山店は閉店してしまったので、寂しく思っていたのですが、まさか奥渋に移転していたなんて。大好きなお店だったんですが気付いたらなくなっていて、あのお店どこかに移転していないかなぁ、と思っていたんです。
店員さんと、今はなき青山店の思い出話で盛り上がり、リーバイスのデニムやヴィンテージTシャツなどをお買い上げしました。昔から古着好きな私ですが、大人になると古着も着続けたいけど、大人な服装も心掛けるようになりました。「古着が好きだけど、大人の女性にも合うアイテムを!」という方にピッタリのお店です。
本に文具に古着?「SHIBUYA PUBLISHING&BOOKSELLERS」
運命の再会に心躍りながら、さらに渋谷方面へ歩くと「本・文具・雑貨」の立て看板を出している「SHIBUYA PUBLISHING&BOOKSELLERS」を発見。どちらも好きなジャンルなので入ってみると、古着や陶芸の展示などもありました「出版する本屋」ということでお店のガラスの奥には編集部が。
販売されているのはデザイン関係の本や、絵本、料理本などどことなくアートを感じさせる本が多い気がします。文具も海外の物や、少しシャレの利いた面白いものがたくさんありました。
ミュージシャンって、譜面を書いたりそれをファイルで整理したり、ミュージシャン仲間に譜面を渡すのにテープで留めたり、意外と文具を使うお仕事なんです。今回は、自分のCDやフライヤーデザインの参考になりそうな本を購入しました。
ビル自体も面白い喫茶店「渋谷SWING」でしばし休憩
そろそろ少し喉も渇いてきたので休憩しようと思い、コーヒーの看板がある「渋谷SWING」に入ってみました。ビルの4階ですが、このビル自体に何か惹かれるものがあって。
写真の展示があったり、エレベーター乗り場がレンガ調になっていたりと、なんだか海外の建物のよう。エレベーターを4階で降りると、ジャズが聴こえてきます。店内に入ると大きなスピーカーがあり、ジャズのレコードがかかっていました。
なかなか自宅で大きなスピーカーを用意するのは大変ですが、こういうところで音楽を聴けたら一番いいですよね。昔のジャズミュージシャンはジャズ喫茶で何度もレコードを聴いて、アドリブを勉強したと聞きました。
コーヒーと音楽を楽しんでエネルギーチャージして、ここからまた富ヶ谷交差点方面へ。
絶品チーズ購入、そしてカッコイイ自転車屋さんを発見
来た道を戻って富ヶ谷一丁目通りを歩き、「SHIBUYA CHEESE STAND」に寄ってみました。オリーブオイルなど、チーズに合う食材も販売されています。
ここの東京ブッラータチーズが美味しいと聞いていたので、今回は本命の東京ブッラータチーズのみ購入しました。後日、自宅でトマトと一緒に食べたら生クリームのようになめらかで、めちゃくちゃ美味しかったです。
そして、さっき通りがかったときに気になった自転車屋さん「BLUE LUG YOYOGI PARK(ブルーラグ代々木公園店)」に。私の愛車・ロードバイクのベルが壊れていて買わないと、と思っていたんです。
店内が広いので、お店のお兄さんにどこに置いてあるか聞いたところ、親切にどんな自転車に乗っているか聞いてから対応してくれました。
店内のディスプレイもかわいいし、小物もオシャレな物がそろっています。今回購入したベルもすごくスタイリッシュで、私のロードバイクにピッタリ合いそうです。
イギリスのアンティーク雑貨に出会える「TIN'S COLLECTION」
富ヶ谷交差点を越えて、代々木八幡駅方面に向かいます。代々木八幡駅からすぐのところに、私の大好きなアンティークショップ「TIN'S COLLECTION」があるんです。
こちらのお店のアンティーク雑貨はほぼイギリスのもので、ご店主のイギリス愛を感じることができます。
私もアンティーク大好きで、ヨーロッパでは蚤の市によく行くんですが「どうやって持って帰るか?」と小さな物を買って我慢していました。が、ここは日本。そう、ある程度大きくても持って帰れる! とはいえ、今回は小さな灰皿を購入。アクセサリー入れとして使うつもりです。
いつか自宅に飾れるスペースを確保したら、アンティークのタイプライターやミシンを買いたいです。日本にいるけど日本じゃない、そんな気持ちにさせてくれる大好きなお店です。
目も舌も美味しい創作和食「四季ごはん 晴れ間。」
そして、この日の夕飯は「四季ごはん 晴れ間。」でおひとり様予約をしていました。こちらのお店は福井食材を扱うお店でして、母方の実家が福井の私としてはたまらないお店なんです。
食器やお箸、箸置きなど、すべてが女子心をくすぐるかわいさで、食事も目で楽しめて味も最高に美味しい! 季節のメニューも多いので、何度来ても楽しめます。私は大体いつもおかずのみのおまかせコース「晴れ間。のゆうげ」を頼んで、食べられそうなら追加で土鍋ご飯を頼んでいます。
飲み物は「伊良コーラ」を注文しました。クラフトコーラということで、しっかりとスパイスが効いていて身体によさそうな味。和食のお店ですが、ワインもかなりの品ぞろえ。日本酒はもちろん福井の地酒を堪能することができます。
まずは「春キャベツのすり流し」。しっかりとキャベツの甘味があって「キャベツ」を感じます。そして、目で見ても楽しい「旬のおつまみ5種盛り」。福井で採れたワラビや小鯛の笹寿司などで、東京にいながら福井の味を堪能。
続いて「茶碗蒸し」は真ん中に桜の塩漬け、周りに豆があしらってあって何とも春らしい。こちらも舌も目も嬉しいお料理です。「桜鯛のサラダ仕立て」はビーツのドレッシングで彩りも身体にもよき。
揚げ物は「福井の山で採れた山菜の天ぷら」。衣が軽くてサックサク、春の苦味が最高に美味しいです。
メイン料理は3種類から選べるのですが、今回は通年メニューの「晴れ間。の特製肉じゃが」にしました。季節によって残り2種のメインが変わります。
こちらの肉じゃが、普通の肉じゃがではなくお芋がマッシュポテトなんです。トロトロの豚バラ肉に、マッシュポテトを食べてみると、「むむ? 何やらトリュフの香りがする!」。
以前、肉じゃがを頼んだことはあるのですが、ご店主に聞いたら豆乳で作っていたマッシュポテトを改良してトリュフオイルを少し入れているそうです。ほんのりトリュフの香りで、贅沢な気分に浸れます。
そして、土鍋ご飯は2〜3人前なので迷いましたが、せっかくなので注文しちゃいました。今回は「旬の新玉ねぎと桜海老の土鍋ご飯」をチョイス。
桜海老は別で唐揚げにして、あとで新玉ねぎと炊いた土鍋ご飯と合わせるというもの。先に桜海老の唐揚げが出てきて、これもツマミにピッタリ(この日はお酒を飲みませんでしたが……)。
これだけでも美味しいのに、土鍋ご飯と合わさるとどうなっちゃうの!? ホカホカに炊けた土鍋ご飯がやってきて、ついに合体のときがやってきました。お出汁の香りと新玉ねぎの香りが立ち上がり、それだけでもう思考回路はショート寸前。
桜海老の唐揚げと混ざって、イスタンブールで購入というめちゃかわいいお茶碗でおめかしして登場です。一口頬張れば、一気にそこは竜宮城。桜海老御殿に到着です、ってちゃんと陸に帰ってこなければ。
桜海老を唐揚げにすることで、より食感がよくなっていて本当に美味しいです。この日はノンアルコールで、最後にトルコのハーブティー「ラブ・ティー」を注文しました。お酒を飲まないときでも、ノンアルコールドリンクもいろいろ美味しいものがあるので十分楽しめます。
お腹いっぱいになって、幸せいっぱいで帰路につきました。まさかの閉店したと思っていた大好きなお店を発見できたり、ちょうど欲しいと思っていた感じのデザイン本を発見できたり。
まるで何かに導かれているようなお散歩になりました。渋谷というと、若者の街のイメージがありますが一歩進んだ奥渋は大人も楽しめるオシャレな場所でした。
まだまだコロナ感染予防に気を抜けませんが、早く安心して外出できる世の中になってほしいものです。そして、私ごとですが5月28日にCDをリリースします。イタリアの有名歌手、ミーナのカバー集です。ご興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。