旅レポ

シンガポール航空のビジネスクラスでこだわり和食に舌鼓! 実際に乗ってみました

シンガポール航空ビジネスクラスのホスピタリティと美食に感動!

 シンガポール旅行といえば、マーライオンにマリーナベイ・サンズ、カラフルなショップハウスにプラナカン文化と盛りだくさんですが、到着するまでに利用するエアラインも忘れてはならない旅要素。今回は、シンガポール航空のビジネスクラスに搭乗して現地に行ってきました。

 さまざまな文化が交わるシンガポールならではの機内食も好評で、それもそのはず、機内食のクオリティを上げることに力を注いできた長い歴史があるんです。

見てうっとり、食べて納得。一足早い春を「菊乃井」村田氏監修「花恋暦」をチョイス

 日本の春の風物詩・桜。桃色の花々が咲き誇る景色は何度眺めても心奪われる時間です。そんな“桜”をテーマにした機内食が現在ビジネスクラスで提供中。実はシンガポール空港では出発24時間前までに機内食予約サービス「ブック・ザ・クック」の利用が可能。もちろん利用してみました。

 ビジネスクラスでは、「シンガポールチキンライス」から「海鮮バラちらし寿司」に「鰻の蒲焼」「ローストラムチョップ」など希望のメニューをオーダーOK。まさにレストランそのまま、好みのメニューが頼めます。なお、共通メニューとして「シンガポール風チキンサテ」が必ず最初に提供されるのもシンガポール航空らしいですね。

甘めのソースで食欲をそそる「シンガポール風チキンサテ」がまずサーブされます

 今回は、ランチに今日料理・懐石料理の老舗「菊乃井」村田吉弘氏が監修した「花恋暦」を事前オーダー。なお、ファーストクラスの機内食「京懐石」についてはこちらの記事で。

「菊乃井」村田氏監修「花恋暦」。花弁を模した一の重は前菜などが中心
お刺身用のジェルタイプのお醤油はこぼれず、機内食的な心遣いの1つ

 二の重には焼き魚から和え物にお新香、炊合せが並んでいます。美味しいものをちょっとずつと思いきや、見た目以上のボリューム。桜の風味をアクセントに使ったメニューは空の上で日本の四季を感じるにはぴったり。さらに静かで落ち着いた空間での、さりげないCAさんのサーブで食事に集中することができました。

二の重は、ご飯や焼き物、桜風味のメニューが並びます
「あさりの炊き込みご飯」。国際線はあえて白飯ではなく、炊き込みご飯だそう
厚めの白身が食べ応えありの「カレイの菜の花焼き 新玉ねぎの浅漬け 桜パウダー」
お新香もバラエティ豊か、ご飯を口に運ぶ箸が止まりません

 デザートはゆずの香りがすっと抜ける爽やかな一品。ドリンクはシンガポール名物「シンガポール・スリング」がお勧め。なおシンガポール航空ならではの「シルバークリス・スリング」はモクテル対応もOKです。

水物は「ゆずのムース・ケーキ」。ゆずピールがしっかり効いています
食後のデザートにプラスαで「桜アイスクリーム」も。こちらは桜餅風
アルコールのお勧めはもちろん「シンガポール・スリング」
モクテル対応OKの「シルバークリス・スリング」

 なお、フライト中のスナックなどもチェックしてみました。チップスにグラノーラバー。さらにドライフルーツやチョコレートバーなども。機内で映画などを楽しむタイミングはもちろん、無料機内Wi-Fiを活用してのPC作業時のブレイクにぴったりです。

機内でのリクエストで提供されるビジネスクラスのスナックたち。種類も豊富です

ビジネスクラスのシートをチェック! フルフラットで快適な寝心地

 今回利用したエアバス A350-900型機のビジネスクラスは40席。包み込まれるようなシートポットはすべてが通路に直接アクセスでき、1-2-1で配列されています。76インチ(約193cm)のフルフラットシートには、ふかふかなピローとあったかなリネンが。サイドパネルで好みの角度に調整でき、ゆったりとフライト時間が過ごせます。

ビジネスクラスのシート全景
サイドのパーティションで個の空間も生み出せます
フルラットにした状態。大きめピローとリネンで熟睡確実
165cmの筆者が足をグーンと伸ばしきってもまだ余裕です

 座席はStelia Aerospace製。シート幅は最大26インチ(約66cm)。なお、座席まわりの収納エリアも使い勝手のよいサイズ感。ビジネスパネルにはUSBポートとマルチ電源を完備。ちょっとした物も入るので、食事のときにタブレットなどを立てかけることもできます。

ポート各種はこちらに集約。USBとマルチタイプのプラグも。扉も閉まりますよ
ノイズキャンセリング・ヘッドフォン用&フック
ポップアップタイプの肘掛けは、下げることでスペース確保に一役
リクライニングやライト、コールなどはサイドパネルに集約

 ラストはモニターまわりをチェック。タッチ式の17インチのフルHDモニターを各席に配置。ちなみにアプリ経由でデバイスを接続、次のフライト時に観ていたコンテンツの続きが見れるサービスもあります。

 気になるWi-Fiは、メール送受信から記事入稿ができるほどの速さ。場所や時間にもよりますが、仕事がかなりできると感じました。これは心強い! 特にスイートにファースト、ビジネスクラスはフライト中機内Wi-Fi利用が無料なので、空でのお仕事が捗ること間違いなしです。

17インチのフルHDモニター。13インチのMacBook Airと比較してみました
コントローラーもスマホサイズと大きめ。タッチパネル式で使いやすい
Wi-Fi接続で空の上がオフィスに。速さも十分です

アメニティは自己申告制。欲しいアイテムだけお願いして、エコフライトに貢献

 上級クラスでの搭乗時、アメニティは座席に配置されているものと思いがち。ですが、シンガポール航空では、飛行時間によってアメニティがリクエスト制となっています。ポーチ一式からスリッパに靴下、アイマスクやイヤープラグまで全9種のうち必要なアイテムのみを受け取れます。必要な分だけというのは、とってもエコな取り組みですよね。

公式サイトのアメニティの一覧。意外にもこんなにあったんですね
必要な分だけが今のトレンド。スリッパ、ソックスはすでに配置済みだったのでアメニティキットをお願いしました

 なお、アメニティポーチはペンハリガンとのコラボ。リップバームとフェイシャルミスト、ハンドローション入り。同ブランドは英国王室御用達の称号を持つフレグランスブランドです。以前の香りは「QUERCUS」でしたが、つい最近「LUNA」になったんだとか。まさにギリシャ神話の月の女神を思わせるフェミニンな香りです。

ペンハリガンのポーチはシックなグレー、内側がフレグランス柄の粋な一品。チャームは瓶シェイプです
フライト&滞在中に使える3アイテムがイン。「LUNA」の香りにうっとり

また乗りたくなる、さすがのホスピタリティ。ワンランク上の空旅をさらに充実の時間に

 ビジネスクラス旅は、食事やゆったりとしたシートとともに、ちょっとしたCAさんとの会話で、よりホスピタリティを感じることが多いもの。シンガポール航空では、しっかりとした基本マニュアルにプラスして、CA自身のその場にあった臨機応変な対応にも重点を置いているんだとか。

今回担当してくださったCAの皆さま。「サロンケバヤ」のカラーの違いや足元にも注目です

 今回は、久しぶりのフライトで「かなり冷える」と感じたのですが、それに気づき声かけ後TWGの紅茶を追加でサーブしてくれる場面も。お願いことをしたときも、こちらの状況をしっかりモニターし、タイミングよく声かけをしてくれるなど心遣いも一流でした。

 また、ビジネスクラスのほかの利用客とたくさんのお話をしているのも印象的で、まさにフライト中しっかりと寄り添ったサービスをしてくれる!と安心感も。

寒さが苦手な筆者に気付き、声かけ後TWGのティーセレクションからお勧めの「Silver Moon Tea」を淹れてくれました

 実は筆者幼少期にシンガポール航空を利用しており、CAさんのその美しい立ち振る舞いと優しさが今もなお記憶に残っているほど。今回のフライトでは、ファッションデザイナー・ピエール・バルマン氏デザインのシルエットそのままに、新たなバティックモチーフを採用し進化した「サロンケバヤ」に身を包んだCAさんの変わらぬホスピタリティに再び目がキラキラとなったのでした。

搭乗した羽田8時50分発シンガポール航空631便
相川真由美

ライフスタイル系雑誌の編集アシスタントを経て、IT系週刊誌・月刊誌で10年以上編集者として刊行にたずさわる。現在は、フリーの編集記者として国内外のテーマパークやエンタメ、ならびに観光、ファッション関連を中心に執筆中。