ニュース

シンガポール航空、3月4日から日本発着便を毎日10便3000席に。羽田は冬から毎日4便体制

シンガポール政府観光局×シンガポール航空×JTBが連携協定

2024年1月31日 実施

シンガポール政府観光局とシンガポール航空、JTBが連携協定を締結

 シンガポール政府観光局とシンガポール航空、JTBは1月31日、MICEの誘致と新規需要の創出を目的に連携協定を締結した。期間は2年間で、インセンティブツアーや研修旅行を主なターゲットと位置づけ、新商品の開発や人材育成などで協業する。

 具体的には、アジア太平洋地域におけるMICEの開催都市として評価の高いシンガポールと、日本~シンガポール間を1日10便(3月4日以降)で結ぶシンガポール航空、全国に法人支店網を持ちMICEの知見を持つJTBが協力し、MICEオーガナイザーのサポートに加え日本市場における共同調査や旅行コンテンツの開発、シンガポールの販売強化・マーケティング活動、人材育成や継続的な販売強化に向けた制度の構築などに取り組む。

3社の連携協定
シンガポール政府観光局 北アジア局長 セリーン・タン氏

 シンガポール政府観光局 北アジア局長のセリーン・タン氏は、シンガポールでのMICEのメリットとして、シンガポールが太平洋地域のビジネスの玄関口であり、多様な文化を有している点、2023年の国際会議協会(ICCA)グローバルランキングではアジア太平洋都市別会議ランキングの1位を受賞した点などを紹介。MICE向けの多種多様な施設やホテルが提供可能であることや、国として2050年までにカーボンニュートラルの達成をめざすなどサステナブルに関する取り組みに注力している点もアピールした。

 観光局としてはシンガポールでMICEを開催するオーガナイザーに向け、MICEに関する補助金の申請プログラムや、インセンティブツアーや社員旅行を対象にした体験プログラムを無償で提供する「INSPIRE Global 2.0」を引き続き提供していくという。

シンガポール航空 日本支社長 シア・ナムクン氏は「多様なニーズにあった幅広いプロダクトとサービスを提供できることを誇りに思っている」と話す
シンガポール航空 旅客営業部長 木原哲夫氏

 シンガポール航空は、3月4日からセントレア/福岡~シンガポール線を現在の週5便から1日1便に増便。これにより、3月4日以降は羽田・成田・セントレア・関空・福岡の5空港とシンガポール間を毎日10便、約3000席で運航することになる。さらに冬ダイヤからは1日3便の羽田線を4便化して日本路線を週77便化し、コロナ前と同じレベルの供給量まで戻す計画だ。

 旅客営業部長の木原哲夫氏は「出発時間が近い時間帯なので、全国発のMICE団体に効率的な旅程を提供できる。我々の一番の強み」とメリットを強調した。

3月4日以降は毎日10便3000席
機内サービスもアピール

 MICEのグループ向けの特典としては、搭乗時に企業・団体名をアナウンスするウェルカムアナウンス、エコノミークラスのオリジナルヘッドレストカバーを用意。団体の規模によるが超過手荷物の割引や専用チェックインカウンター、ラウンジアクセスなども提供するという。

株式会社JTB 執行役員 仕入商品事業部長 藤原卓行氏

 JTB執行役員で仕入商品事業部長の藤原卓行氏は、提携の詳細について説明。同社のシンガポールへのMICE送客人数を今年中に2019年の70%、2025年までに100%に戻したい目標を明かし、「徐々に海外旅行回復するなか、MICEのビジネス領域の拡大を通して貢献していきたい」考えを語った。

 2022年6月に実施したビジネス客の意識調査でコロナ終息後はリアルでイベントを開催したいというニーズが高かったこと、シンガポールのMICEに対する取り組みなどを踏まえ「総合的に判断し、3社共同での販促連携により、早期復活に繋がるということでJTBから主導して連携協定の提案した」という。

 今後は3社共同で現地調査と旅行コンテンツの開発に取り組む。すでにJTBでは2023年7月に、MICE開催の目的や法人事業を取り巻く環境などについてアンケートや営業担当者からのヒアリングをもとに取りまとめたところ。ニーズとしては社員のモチベーション向上やコミュニケーションの強化、社員と会社とのエンゲージメント強化などが上位に入ったという。

【お詫びと訂正】初出時、シンガポール航空の運航スケジュールに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。