旅レポ
首都・スヴァまでフィジー・エアウェイズのATR 72-600型機で移動。日本車が多く走るスヴァの街も散策
2018年8月6日 00:00
フィジー・エアウェイズの成田~ナンディ線に乗ってフィジーを訪問した今回のプレスツアーでは、同社の国内線に乗る機会もあった。今回はそのフライトの様子や空港周辺などをここではレポートしよう。
また、帰り際に取材したナンディ国際空港の出発ロビーにあるラウンジも紹介する。
フィジーの移動には欠かせない飛行機
前回の記事でも紹介したようにフィジーは大小さまざまな島からなる群島国家だ。そのような国では、昔からある船による交通のほか、移動時間を優先した飛行機が国民の足となる。フィジー・エアウェイズでも国内線を数多く飛ばしており、その役目は子会社である「フィジー・リンク」が受け持っている。国際線が数多く乗り入れるナンディ国際空港から主要な島々へ、または首都があるスヴァから本島以外の島へと、毎日多くの便が運航されている。
本島であるビティレブ島には、フィジーへの玄関口となっている西のナンディ国際空港と、首都のスヴァにある東のナウソリ国際空港があり、直線距離で120kmほど離れている。この間も主要な交通路として毎日多くのフライトがある。今回搭乗したのはこちらのナンディ~スヴァ路線だ。
ビティレブ島は火山によって造成された島であり、中央部は1000m級の山なので大きな道路もない。必然的に道路は島の周辺部を通るようになっており、ナンディからスヴァへの道のりはクルマだと3~4時間はかかるので、飛行機の重要度はことさら高い。このようにつらつらと書いているのは実際に体験したからだ。
スヴァまで30分の空旅を楽しむ
ナンディからスヴァへの往路は飛行機だったので、「あっという間に着いた」というのが感想だ。フライトスケジュールを見ると所要時間は30~45分。離陸して上昇し、水平飛行に入ったと思ったら降下を開始する、といった感じだ。
ちょうど島の中央部を飛んでいくわけだが、面白かったのはナンディは晴れていたのにスヴァに近づくにつれて雲が多くなり、雨が降り出していたことだ。もともと雨の多い地域ではあるが、ナンディ周辺は年間降水量が1800mmほどであるのに対し、スヴァは3000mmと非常に多い。山で隔てた地域の違いを実感できたのは地理好きの筆者としては大変興味深かった。余談ではあるが、筆者は地図が大好きで、Googleマップがあれば延々と暇つぶしができてしまう人間である(笑)。
ナウソリ国際空港でATRを見学する
そして降り立ったナウソリ国際空港はとてもコンパクト。長距離国際線が乗り入れるナンディ国際空港は3000m級と2000m級の滑走路を持つが、ナウソリは1800mが1本となっており、ナローボディ機やツインプロペラ機による近距離国際線や国内線が運航されている。ここでは、フライト前のATR 42-600型機や、「ツインオッター」ことDHC-6型機の内部を見学させてもらえた。今回は見られなかったが運航表によると、オークランド行きのボーイング 737-700型機もあるようだ。
スヴァ近郊でフィジーの街並みを観察する
空港を見学したあとは街の見学ということで、首都のスヴァに向かう。ナウソリ国際空港はスヴァのすぐ近くというわけではなく、20kmほどの道のりをクルマで移動する。空港からスヴァの間は現在もっとも発展しているエリアであり、観光地であるナンディとは違った活気のある雰囲気が目立っていた。
途中で見学した市場では色とりどりの野菜や果物、南国の主食であるキャッサバやタロイモにヤムイモ、それにカヴァの元になるヤンゴーナ(胡椒科の木の根)を扱う店がたくさん……。粉末状にしたワカ(Waka)もたくさん……。「カヴァは国民的な飲み物なんだな」とあらためて認識した次第であった。
それ以外では街行くクルマがほとんど日本車であったことに驚いた。聞いてはいたが、トヨタとホンダが圧倒的に多く、左側通行というのもあって街の景色とナンバープレートを除けば車窓からの景色に違和感がそれほど感じられないのはそのせいなのかもしれない。
でも、路線バスに窓ガラスが付いていないのは日本では見られない光景だ。窓はスカッとオープンであり、上部に雨除け用のホロが巻き付けられているさまはフィジーならでは。
そうそう、街中は舗装もそれなりにしっかりとしているのだが、少しでも郊外に出るとたちまちガタガタの悪路がいたるところで顔を出す。それもあってか、帰りのスヴァからナンディまでの3時間はクルマ移動で結構な揺れを味わったので、往路の飛行機がかなり快適だったと思い起こされるわけだ(苦笑)。
快適なプレミアラウンジでフライト前の時間を楽しむ
最後にリニューアルされたばかりのナンディ国際空港にある同社のプレミアラウンジを紹介しよう。こちらのラウンジは、手荷物検査と出国審査を通過したあとの出発ロビーの1階にあり、営業時間は5時から23時までとなっている。座席は約200席が用意されている。利用ステータスを持つ乗客以外も1人当たり99フィジードル(約5450円、1フィジードル=約55円換算)、日本円で約5500円を支払うことで利用できる。
ラウンジ内は新しいこともあり清潔で居心地がとてもよい。シートの多くにはACコンセントやUSB電源が備わっており、無料Wi-Fiと合わせて手持ちのスマホやタブレットを自由に使える。それとは別にビジネス向けにはiMacとプリンタも用意されているので、資料の作成なども可能だ。
一方、ファミリーでも利用できるようにキッズルームやファミリー向けエリアも用意されているので、小さなお子さんを連れた家族も快適に過ごせるようになっている。また、食事や飲み物も数多くのメニューが提供されており、「Fiji Bitter」「Fiji Gold」といった地元のビールや「ハイネケン」、各種カクテルやワインにウイスキー、コーヒーや紅茶といったソフトドリンク、同社のエグゼクティブシェフが考案したビュッフェなどがある。
そのなかには寿司ロールや、ご飯にお新香、さらには味噌汁も用意されており、日本食が恋しくなった人はここでほっと一息つけるかもしれない。そのほか、シャワー設備やクワイエットゾーンも備えているので、ゆっくりとリラックスして過ごしたい人にもオススメだ。
今回、フィジーに滞在したのは3日間だけであったが、「Bula!」から始まる歓迎に南国気分を存分に味わえた。日ごろの喧騒を離れ、フィジータイムを満喫するには1週間はほしいところである。本島以外にも素晴らしい場所は多く、きっと記憶に残る素晴らしいバカンスになることは間違いない。
フィジー・エアウェイズの直行便が復活したことにより、今まで以上にこの楽園が身近な場所になることはうれしい限りだ。Vinaka!(ありがとう)フィジー、また来ます。