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フィジー・エアウェイズ、成田~ナンディ線に週3便で就航。約9年3カ月ぶりの直行便復活

成田空港100社目の就航航空会社に

2018年7月3日 就航

フィジー・エアウェイズは、成田~ナンディ線に就航。前身のエア・パシフィック航空が撤退して以来、約9年ぶりの直行便再開となった

 フィジー・エアウェイズは7月3日、成田国際空港~ナンディ国際空港線に就航した。同社の前身であるエア・パシフィック航空が2009年3月末に撤退して以来、同路線の直行便の運航は途絶えていたが、約9年3カ月ぶりに復活することになる。

 7月3日から運航する成田~ナンディ線は週3便で運航。ダイヤは下記のとおり。日本とフィジーの間には3時間の時差があり(フィジーが3時間進んでいる)、飛行時間は成田発便が8時間40分、ナンディ発便が9時間5分となる。

成田~ナンディ線の運航スケジュール

FJ350便:成田(21時25分)発~ナンディ(翌09時05分)着、火・金・日曜運航
FJ351便:ナンディ(13時25分)発~成田(19時30分)着、火・金・日曜運航

 機材は、エアバス A330-200型機またはエアバス A330-300型機を使用する。

 同社のエアバス A330-200型機は自社のシグネイチャデザインの273席仕様(ビジネスクラス24席、エコノミークラス249席)、エティハド航空からリースされた254席仕様(ビジネス18席、エコノミー236席)の2種類の座席仕様を運用。また、エアバス A330-300型機(313席仕様、ビジネス24席、エコノミー289席)を使用する日もあるとしている。初便は273席仕様となる登録記号「DQ-FJT」のエアバス A330-200型機で運航した。

フィジー・エアウェイズのエアバス A330-200型機。初便はシグネイチャデザインの客室仕様となる「DQ-FJT」の機体が使用された
フィジー・エアウェイズ 国際業務部 エグゼクティブ・ジェネラル・マネージャー シェナーズ・ヴォス氏

 フィジー・エアウェイズは、成田空港では第2ターミナルを利用。成田発FJ350便の初便が使用した65番搭乗ゲート前では関係者が集まってセレモニーが開かれた。

 主催としてあいさつしたフィジー・エアウェイズ 国際業務部 エグゼクティブ・ジェネラル・マネージャーのシェナーズ・ヴォス氏は、あいさつを超えた心を伝える言葉であるという「『ボラ』の言葉で迎えたい」と切り出し、「フィジー・エアウェイズの精神は、旅客を私たちの家に招待する。家族の一員として考えている。フィジー・エアウェイズで旅行される方は、シート番号で表わされる1人ではなく家族の一員」とのポリシーを紹介。

 そして、機内の装飾やCA(客室乗務員)のサービスなどに言及し、「皆さまは成田という世界トップクラスの空港から出発するが、機内でもワールドクラスを体験になるだろう」とし、ゲート前に集まった多くの搭乗客に向けて「ホテル、旅行会社、すべてのフィジー人は皆さまの訪問が特別なものになると切望している」と言葉をかけた。

フィジー共和国 民間航空局 局長 ライルン・カーン氏

 続いて、フィジー共和国の民間航空局 局長 ライルン・カーン氏があいさつ。フィジーの美しい自然や、ダイビングなどのアクティビティを楽しめることを紹介し、「あなたがフィジーに9回訪れても、家族で訪れても、恋人と訪れても、1人で訪れても、ビジネスで訪れても、レジャーで訪れても、フィジーには、皆さまのために常になにかがそこにある」とフィジー旅行をアピール。

 また、日本の友好関係についても強調し、「この美しい空港、美しい街、美しい国にいられることは素晴らしい経験。日本はフィジー人にいつも驚きを与えてくれる国。我々が日本の伝統と文化を尊敬しており、私たちの国と似ているから。日本は古いものと新しいものが常に平和的に共存している」と話したほか、「フィジー人は日本に旅行することが大好き。私たちは日本に恋している。多くのフィジー人のラグビー選手がおり、日本の大学に数年間留学している人もいる。そして、フィジー人は日本製のクルマ以外、信じていない。トヨタはフィジーで最も人気の自動車メーカー」と述べ、直行便就航によるビジネスの展開にも期待を示した。

成田国際空港株式会社 取締役 営業部門長 荒川武氏

 次に、NAA(成田国際空港) 取締役 営業部門長の荒川武氏があいさつ。「美しい海と珊瑚礁に囲まれた世界有数のリゾート地であるフィジーへの直行便の復活を願う声がたくさん届いていた。我々としても、心待ちにしていたので、この日が迎えられたことをうれしく思う」と、運航復活を歓迎。

 また、成田空港にとってのナンディ線就航について、「成田空港は開港40周年を迎えた。就航都市数では、海外118都市、国内線は19都市、合計137都市で開港以来最多となった。さらにフィジー・エアウェイズは成田空港に就航する航空会社として100社目となる」と、運航実現に尽力した関係者へ感謝を示した。

 ちなみに、この100社目とは現時点で就航している航空会社数で、自社運航ではなくコードシェアで就航している航空会社も含んでいる。成田空港は地元自治体らと2010年に発着枠30万回に合意し、2014年度の30万回まで段階的に拡大していった。その途中、2013年7月に、現在のエアライン営業部が発足し、海外のカンファレンスなどに参加するなどして航空会社を誘致。今回の就航航空会社100社は、そうした取り組みも背景にあるという。

 このほか、成田空港とフィジーの関係について言及。「増加が見込まれる訪日外国人の接客サービスをする人材として、2018年6月にフィジーの方、3名を初めて採用した。フィジーの方は非常にフレンドリーでホスピタリティが高い人柄だとうかがっているので今後も活躍を期待している。今回の就航と合わせて、成田空港とフィジーとの強い深い結びつきを感じている」と話し、今回の成田~ナンディ線によって日本とフィジーの交流が活発になることを期待した。

 荒川氏のあいさつが終わると、シェナーズ・ヴォス氏がフィジー・エアウェイズのシャツを荒川氏へプレゼント。フィジー・エアウェイズのロゴが表面に描かれた、スポーツチームのユニフォームのようなデザイン。背番号は成田発ナンディ線の便名である「350」と書かれた、初便を祝うTシャツだった。

 その後、リボンセレモニーやフォトセッションが行なわれ、搭乗がスタート。21時30分過ぎに駐機場を離れ、21時55分ごろ、B(16L)滑走路から離陸。フィジーに向けて夜空へ飛び立った。

フィジー・エアウェイズのシェナーズ・ヴォス氏からNAAの荒川武氏へ、フィジー・エアウェイズのロゴと「350」便を背番号にデザインしたTシャツをプレゼント
リボンセレモニー
搭乗の様子。地上旅客スタッフのユニフォームもフィジー文化を感じられるデザイン
セレモニーのフォトセッション。左から順に、成田空港マスコットキャラクター クウタン、成田国際空港株式会社 取締役 営業部門長 荒川武氏、フィジー共和国 民間航空局 局長 ライルン・カーン氏、フィジー・エアウェイズ 国際業務部 エグゼクティブ・ジェネラル・マネージャー シェナーズ・ヴォス氏、フィジー・エアウェイズ チーフ・コマーシャル・オフィサー マーク・キャヴァリエ氏、フィジー共和国 駐日特命全権大使 イシケリ・ウルイナイライ・マタイトガ氏、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 石井靖男氏