旅レポ
南アフリカ「ダーバン」と「ケープタウン」を巡る旅。南アフリカへ向かう機内とフライトメシ
2018年8月8日 00:00
アフリカ大陸の最南端「南アフリカ共和国」と聞くと、どんなイメージを持つだろうか。日本からは「はるか彼方」とか「季候がよさそう」「ワインが美味しい」「25年くらい前まではアパルトヘイトがあった」「アップルタイザーは旨い」「サファリが楽しめそう」など、断片的なキーワードは思い浮かぶけどイマイチつかみ所がない、という人は多いのではないだろうか。
2010年にはサッカーのワールドカップが開催されていて、2015年にラグビーのワールドカップで日本代表が南アフリカ代表に勝ったことで大きなニュースになったのは、まだ記憶に新しいだろう。ラグビー強豪国として有名だ。スポーツファンには、ワリとなじみがある国かと思う。
個人的には、新しいクルマやオートバイの国際試乗会が多く開催されていて、カラッと晴れた開けたワインディングを駆け抜ける映像をネットでよく見かけ、大自然のなかをドライブをするのによさそうな「クルマ好きの聖地」というイメージがある。強い日差しで乾燥気味、石がむき出しの山間でガードレールもない道を疾走するのは、とても気持ちがよさそう。というような、やはりやや偏ったイメージしかない。
今回、南アフリカ観光局主催のプレスツアーに参加して、南アフリカ「ダーバン」と「ケープタウン」と海沿いの街を巡る機会を得たので数回に分けてレポートしていく。バッチリと南アフリカに行ってきた実体験を通じて、その魅力をお届けしていきたい。最初に入る港町ダーバンでは、5月8日~10日に開催された「Africa's Travel Indaba 2018」と呼ばれる旅行業界向けのトレードショーにも参加し、ケープタウン観光ではサファリも紹介する予定だ。
日本からは香港からの乗り換えが南アフリカへアクセスしやすい
2018年現在、日本からのフライトは残念ながら直行便がなく、香港やドバイなどを経由し、南アフリカの玄関口となるO・R・タンボ国際空港(ヨハネスブルグ)から入国することとなる。今回利用したのはキャセイパシフィック航空で、成田~香港~ヨハネスブルグというルート。香港経由では、ほかに南アフリカ航空が就航していて、この2便をJAL(日本航空)がキャセイパシフィック航空、ANA(全日本空輸)が南アフリカ航空のコードシェア便を運航している。
香港経由のルートは毎日運航している。乗り換えをいとわなければ、アクセスが難しいということはない。
飛行時間は、成田~香港が約4時間+香港~ヨハネスブルグが約13時間で、単に機内の時間を足すと17時間。香港での乗り継ぎ時間は約1時間30分なので、トータルで20時間かからない程度というところだろうか。今回のフライトは以下の旅程だった。
CX505便: 成田(18時30分)発~香港(22時25分)着
CX749便: 香港(23時55分)発~ヨハネスブルグ(翌06時55分)着
ヨハネスブルグからほかの都市やホテルへの移動などを入れると、なかなか気軽な移動とはいかないので、この移動時間も楽しむ余裕がほしい。香港経由以外にも、ヨーロッパや中東などを経由したルートも考えられる。もし時間が許すなら、途中経由地でゆっくり観光を楽しむストップオーバーをうまく使ったりして(追加料金が必要な場合もある)、移動自体も楽しんでしまうのが、個人的にはお勧めだ。例えば今回、実はヨハネスブルグも単なる経由地だったのだが、こういった経由地で休憩もかねて観光すれば、お得に移動も楽しめるハズ。
今回のフライトはすべてエコノミークラス。機内ではとにかくビールを飲んで爆睡するつもりだったのだが(特に香港からのフライトは、時間的に深夜発で早朝着になるので、熟睡できれば時差ボケが最小限で済む)、「キャセイパシフィック航空は機内食が美味しい」と評判を聞いていたので、まずは簡単に機内レポートから始めよう。
キャセイパシフィック航空は、香港を拠点とするエアライン。アジア人好みの機内食が期待できる。特徴的だったのは、朝食の際に選べる中華粥。英語では「コンジー(congee)」と呼ばれているので、オーダーすれば選べる。ポークやチキンの肉などが入っていて、味はシッカリ付いていて、とても美味。それと、夕食時には必ずアイスクリームの配布があるのも、気分転換にうれしかった。
まずは、成田~香港の様子から。ここはまだ日本を感じさせる要素が多い。
深夜の乗り継ぎの香港国際空港に到着。ここでは手荷物はピックアップすることなく、そのまま転送される。
長い夜には、夜食のカップ麺をゲットせよ
香港~ヨハネスブルグ間は14時間近くある。長い夜を少しでも楽しむために、簡単な夜食も用意してくれている。夕食後軽く寝て起きたら、トイレに行くついでにでもCA(客室乗務員)にカップラーメンを頼んでみよう。席番号を告げると、お湯を入れて席に持ってきてくれる。このカップラーメンサービスは、一応フライト中は実施しているとのことだが、朝食までの機内が暗くなっている時間が頼みやすい。いわゆる謎肉が入っていないので、日清のカップヌードルではないはずだが、とてもよく似たタイプの麺、やや薄味で食べやすい。
ほかにも、ギャレー周辺にはクッキーやナッツなどの軽食が箱に入って置かれているので、小腹が空いたらチェックしてみてほしい。飲物は頼めば持ってきてもらえる。このギャレー付近での軽食サービスは、ほかのフライトでもよく見かける。
歓迎ムードの南アフリカ入国審査
ヨハネスブルグでは、到着後入国審査を受ける。パスポートの査証欄に2ページ以上の余白が必要だが、日本からは30日以内の滞在ならビザは不要。入国カードの記入も必要ない。ビザなしのレーンが空いているので、そちらに進む。今回出入国の審査ではまったく質問されず、審査官には日本語で「コンニチハ」と「ようこそ!」とニッコリ言われただけでとてもスムーズだった。
公共の施設やホテル、レストランなどでは、基本的に英語が通じる。現地の人々はアフリカーンス語、ズールー語など多数の公用語でも会話しているが、多くの人が英語を話すし、表記もすべて英語なので分かりやすい。
現地通貨はランド。空港内で日本円から両替ができる。空港を出てしまうと、日本円からの両替が難しくなる(米ドルからならホテルなどでも問題ない)。チップ文化があるので、10、20ランドの少額紙幣を少し多めに入れてもらうとベストだ(ツアー時の相場は1ランド=約8.7円)。
今回はヨハネスブルグからダーバンという海辺の港町まで、さらに国内線で乗り継いでいく。手荷物は一度ピックアップして再度預け入れが必要だった。ケープタウンからヨハネスブルグに入った復路では、手荷物をピックアップせずに転送されたので、最終的にピックアップする空港はチェックイン時によく確認しておくようにしたい。
乗り継ぎでは時間があったので、ゲート近くのクラフトビールショップに入った。後ほど知ったが、南アフリカではクラフトビールがちょっとしたブームになっているようだ。クラフトビール以外でも、ビールがとても美味しい国という印象。後に紹介するが、もちろんワインもいける。ビールとワイン好きには実に楽しめる国だ。
エアポート・クラフト・ブリュワーズ(AIRPORT CRAFT BREWERS)
所在地: Domestic Terminal, O.R. JHB, O R Tambo Airport Rd, O.R. Tambo, Kempton Park, 1627(O・R・タンボ国際空港内)
営業時間: 5時~22時
Webサイト: エアポート・クラフト・ブリュワーズ
南アフリカ国内ではブリティッシュ・エアウェイズにて、ヨハネスブルグ~ダーバン、ダーバン~ケープタウン、ケープタウン~ヨハネスブルグを移動した。南アフリカでは、大航海時代から今に至っても、イギリスの影響が残っていることが分かる。南アフリカ国内ではLCCを含め多くの路線が運航している。
BA6215便: ヨハネスブルグ(10時35分)発~ダーバン(11時40分)着
ほどなくして無事に到着したダーバンのキング・シャカ国際空港は、2010年に開港した比較的新しい明るい内装の空港。郊外にある空港を出ると、見慣れない植物が生い茂る風景が一面に広がり圧倒される。
南アフリカ紀行初回は、フライトの様子だけですっかり紙幅を使ってしまった。次回はたどり着いたダーバンを巡ってみる。意外にもカレーがすごく美味しい街だったりするのだ。