旅レポ

フィジー・エアウェイズの格納庫で「ISLAND OF VATULELE(ヴァトレレ島)」号の命名式に参加

エティハド航空からリースしたエアバス A330-200型機

ナンディ国際空港の脇にある社屋。今回はこちらから滑走路の横にある格納庫を訪問した

 約9年振りに復活した成田~ナンディ線でナンディ国際空港に到着したあとは、フィジー・エアウェイズの格納庫で行なわれた登録記号「DQ-FJP」の命名式に参加した。今回はその模様を中心にレポートするが、その前にフィジー・エアウェイズについて紹介しよう。

 フィジー・エアウェイズは1947年に設立され、1951年に初就航したフィジーの国営航空会社で、フィジーの発展とともに成長してきた。途中、太平洋の最大7つの島国政府が株主になることで地域運営の航空会社として「エア・パシフィック航空」に社名を変更したが、フィジー以外の政府が手を引いたことから、2012年5月に社名を元に戻している。

 現在はナンディ国際空港とナウソリ国際空港をハブ空港として、17か所108地点(コードシェア含む)に就航している。コードシェアを結んでいる航空会社は14社になる。機材については現在のところ18機を所有しているが、今後も増やしていく考えであり、2027年までには23機になる予定だ。

 また、フィジー・エアウェイズでは現在のところ1400人の社員が働いているが、パイロットやCA(客室乗務員)などの訓練は他国の航空会社の施設を使って行なわれていることがほとんどである。それに関しても、今後は自社でトレーニングを行なえるよう、訓練施設を持った学校の設立も計画されている。

会社の概要を説明した会議室には歴代の飛行機の写真が飾られていた。そのなかにはエア・パシフィック時代のボーイング 747型機の姿もあった

エアバス A330型機の命名式でフィジー文化の一端を知る

 午後になると命名式が始まるというので、滑走路脇にある格納庫に案内された。日ごろ、羽田空港でJAL(日本航空)やANA(全日本空輸)の巨大な格納庫を見慣れているとそれほど大きくは感じないが、キレイに整頓され、「SAFETY FIRST」や「ZERO ACCIDENTS」の標語が目に入る。デリケートな航空機を飛ばすために日ごろから行なっていることは万国共通だ。

 すでに格納庫にはエアバス A330-200型機が運び込まれており、その前には多くのフィジーの人たちがござの上に座ってくつろいでいた。今回の飛行機は「ISLAND OF VATULELE(ヴァトレレ島)」の名前が与えられ、その島に住む人たちが招待されたのだ。

 フィジーは300以上の島からなる群島国家であり、島の人たちやその文化を大切にしている。フィジー・エアウェイズの飛行機に自分たちの住む島の名前が付けられることは大変名誉なことであり、お祝い行事なのだ。

 式典ではフィジー・エアウェイズの国際業務部 エグゼクティブ・ジェネラル・マネージャーであるシェナーズ・ヴォス氏や、フィジー共和国の司法長官兼経済・航空大臣のアイヤズ・サイェド=カイユーム氏があいさつや祝辞を述べた。

案内された格納庫にはエティハド航空からレンタルされたエアバス A330-200型機と、ヴァトレレ島から招待された多くの島民が集まっていた
登録記号「DQ-FJP」の名前は「ISLAND OF VATULELE(ヴァトレレ島)」
ISLAND OF VATULELEをいろいろな角度から
フィジー・エアウェイズ 国際業務部 エグゼクティブ・ジェネラル・マネージャー シェナーズ・ヴォス氏
フィジー共和国 司法長官兼経済・航空大臣 アイヤズ・サイェド=カイユーム氏

 航空大臣のアイヤズ・サイェド=カイユーム氏に聞いたところでは、今回の直行便の復活は「経済状況がよくなってきたことが理由の1つ。一番重要にしていることは定期運航するということなので、今後は様子を見ながら増やしていきたい」と、就航と現状の便数について説明してくれた。また、機体の名前として島を選ぶ基準については「際立ってユニークな部分があることが条件です」と話した。

 そして命名の際には、フィジーの行事や儀式でかかせない「カヴァ(Kava)」がふるまわれた。歓迎や会合の際にも飲まれるものなので、フィジーではとてもポピュラーなドリンクだ。このカヴァ、胡椒科の木である「ヤンゴーナ」の根を乾燥させ、それを砕いて水に抽出した飲み物であるのだが、見た目は泥水でまったく美味しそうには見えない。遠巻きに眺めていたのだが、そのうち「お前らもこっちに来て一杯やれや」(本当は「遠く日本から来た客人もこちらへどうぞ」だと思う)と言われるがまま、盃(?)を頂戴。

 まぁ、味は……想像していたよりは飲みやすいというか、そこまで苦くもなく、かといって美味しくもなく、とにかく未体験のテイストだった。このカヴァにはリラックスさせる鎮静効果みたいなものがあって、フィジアンにとってはかかせないものらしい。

 その後は機体のまわりをカラフルな布で囲って安全を祈願したり、ヴァトレレ島の人たちに機内を案内していた。フィジーに到着して早々だったが、機体の命名や歓迎の儀式など、フィジーならではの貴重な文化に触れることができた。

日本からの取材班にもカヴァがふるまわれた。中央に見える木製の器「タノア」に入れられた茶色の液体がそれだ。日本の茶道のように、飲む際に細かな作法もある。杯はココナッツの殻でできている
機内を見学するヴァトレレ島の人たち
カラフルな布をつなぎ合わせ、機体を取り囲むように敷いていく
機体の前ではアイヤズ・サイェド=カイユーム氏を囲んで記念撮影も行なわれた
カラフルな衣装が南国フィジーらしい
エティハド航空からリースした機体は、フィジー・エアウェイズの所有機体とは違い、ブルーを基本とした内装。こちらはビジネスシートで、フルフラット仕様になっている
こちらはエコノミークラスのシート。ビジネスシートと同様にブルーを基本とした内装になっている

リゾート地「デナラウ島」に用意されているチェックイン施設

 ナンディ国際空港からクルマで20分ほどの場所に、フィジー屈指のリゾートエリアである「デナラウ島」がある。ここは、シェラトンやウェスティン、ヒルトンといった高級ホテルに、レストランやゴルフ場、ショッピングセンターなどが集まっており、観光客に人気の場所となっている。

 観光客がもっとも集まるエリアであるため、その一角にあるホテル「ソフィテル・フィジー・リゾート&スパ」には、フィジー・エアウェイズのチェックインカウンターも設置されている。空港に行かなくてもこちらで搭乗手続きや荷物を預けることができるので、搭乗客は時間の許す限りデナラウで過ごすことができるわけだ。帰りの間際までバカンスを楽しめる、リゾートエリアならではのサービスと言える。

 ナンディ国際空港からの長距離便は早朝から昼間にかけてなので、カウンターのオープンも朝早い4時30分から昼の12時30分までとなっている。こちらではトランクケースなど手荷物を預けることもできるが、出発まで時間があまりない場合は「ちょっと待って!問い合わせるから」と言われてしまうので、ある程度は余裕を持って利用するのがよいだろう。定時運航を気にする航空会社は別として、この国は“フィジータイム”(よくもわるくものんびり)で回っているので、余計なトラブルに巻き込まれないよう欲張らず過ごしたい。

 次回はナンディ国際空港から首都であるスヴァのナウソリ国際空港まで、フィジー・エアウェイズの国内線に搭乗したときの様子や首都近辺などをレポートしよう。

ナンディ国際空港の西、高級リゾートホテルが建ち並ぶ「デナラウ島」

ソフィテル・フィジー・リゾート&スパのロビーにフィジー・エアウェイズのリゾート・チェックイン施設がある
オープン時刻は4時30分から12時30分までとなっている
計量システムもあるので手荷物の預け入れもOKだが、空港に送るので時間に余裕を持って預けた方がよい
ソフィテル・フィジー・リゾート&スパのエントランス
ホテルは海沿いに建っており、目の前には美しい景色が広がる。こちらは、ザ・ウェスティン・デナラウ・アイランド・リゾート&スパの前で撮影したもの

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。