旅レポ

フィジーの文化を学ぶため、ジェットボートで山岳エリアの村を訪問

KOROUA VILLAGEでカヴァセレモニーに参加した

 フィジー政府観光局が主催するFAMツアー後半。今回はフィジーの伝統的な文化と山岳部の魅力を知るために「シガトカリバーサファリ」に参加した様子などをレポートする。

 訪れたのはナディから約1時間ほどの場所にあるシガトカタウン。事前予約済みの8時45分から始まるモーニングツアーに参加した。価格はシガトカタウンから出発の場合は大人1人275フィジードル(約1万3750円、1FJD=約50円換算)。ショップ内のカウンターでまずはチェックイン。免責事項を確認し、ボトルウォーターと足などが見えないように着用するスルを受け取り送迎車でシガトカ渓谷を目指す。

チェックインを行なうためにシガトカタウンへ移動。到着すると送迎車が待っている
ショップ内にチェックイン用のカウンターがある
タブレットで免責事項を確認
ドリンクとスルを受け取り準備も万全
お土産屋やカフェも併設。アクティビティ前後で休憩することも

 約30分ほど山道を行くとシガトカリバーへと到着。車内でもビレッジで行なうカヴァセレモニーや、実際に使うカヴァが非常に高価なことなどを解説してもらえる。乗り場に到着すると乗船前の注意事項やライフジャケットの貸し出しなどを受け、いよいよジェットボートへ。

バスの中ではカヴァについてや周辺の自然についてをレクチャー
ライフジャケットを受け取り出発に備える
かなりボリュームのある本格的なライフジャケット
坂を下って乗り場へ
約16名ほど乗り込む

 行きは美しい景色を堪能しながら、キャプテンからフィジーの歴史やフィジーアンについてを途中休憩をとりつつ解説。ヴォイヴォイや皆が木陰で眠る木々、岩山についてや現在のシガトカリバーの利用方法なども学ぶ。実際に洗濯や槍で魚を取る日々の生活のワンシーンを見学。川沿いで働く人々が笑顔で手を振ってくれ、心があたたかくなるのを感じた。現在約17の村のいずれかに行くことができ、毎日日替わりでの訪問となっている。昔ながらの生活が崩れないようにとの配慮と、平等に訪れることで収入の安定を図っていると感じた。

キャプテンがフィジアンや訪問するエリアの解説を随時してくれる
行きに限り水しぶきは基本かからない
かなりスピードも速いため、帽子やサングラスの紛失に注意
フィジーならではの原生植物の解説もしてもらえる
洗濯や魚を取ったり日々の生活を営む人々の姿を見学

 約1時間ほどかけてKOROUA VILLAGEの最寄りの桟橋に到着。村の案内人が出迎えてくれ、熱い砂地を歩きながら10分ほどで村に到着。世帯数や曜日ごとのしきたりなどのレクチャーを受けたあとは、実際の住居を見学。音を鳴らし、知らせるラリのデモンストレーションなども見ることができた。

村の案内人が出迎えてくれた
桟橋を渡り陸地へ
砂地と坂道を進み村へ
村へ入る前にスルで失礼のないように男女ともに支度をする
KOROUA VILLAGEに到着
住居を見学。タパクロスが敷かれ、タパが壁に飾られていた
ラリのデモンストレーションも。かなり大きな音で周囲に響く

 続いてはコミュニティホールで実施されるカヴァセレモニーへ。村長をはじめ住民たちと迎え合わせにツアー参加者が座り、代表者があいさつ。カヴァを捧げる儀式を経て、目の前で作られたカヴァを1人ずつ飲んでいく。全員が飲み終わったところでファミリーとして認定され、レイのプレゼントとともに頬に伝統的な化粧を施す。

住民と訪問者が顔を合わせてカヴァの儀式を行なう
目の前で作られるカヴァ
1人ずつ配られるので最初に手を1度叩き、「Bula!」とあいさつ。そして飲み干したあと3回手を叩く

 ランチタイムには、タピオカの原料となるキャッサバに、タロイモ。フィジーならではの揚げパン、ロティにスープなどが振る舞われる。オールナチュラルで体にもよく、野菜炒めは日本に近い味わいで、その美味しさにびっくり。食事のあとは音楽が鳴り響き生歌やダンスタイムに。まるで家族のような雰囲気に。なお、ドネーションも最後に受付を行なうので、別れの前にスマートに手渡せるように用意しておこう。

 帰りの川下りでは、ジェットボートがスピンしずぶぬれになるなどのアトラクション的要素も追加。年齢制限もなく家族一緒に楽しめるうえ約4時間半たっぷりフィジーのことが学べる。各エリアのホテル送迎付きのプランもあり、フィジーを訪れたならば必ず参加すべきアクティビティだと感じた。

家族として迎え入れてもらえ、レイのプレゼント
両方のほほに化粧もほどしてもらえる
ランチにはキャッサバやタロイモ、魚に野菜などを使った地元料理が並ぶ
食後には音楽とダンスタイム
全員参加で舞い、ラストに別れの歌である「Isa Rei」が歌われ村をあとにする

今年で開業50周年の老舗ホテルに宿泊

 シガトカタウンから約30分ほどの「Shangrila's Fijian Resort and Spa」は2019年に開業50周年を迎えたラグジュアリーホテル。島全体がリゾートで、フィジー随一の大きさとも言われているほど。島は3つのカテゴリーに分かれ「Ocean Wing」「Yanuca Lagoon」はファミリー向けで年齢により宿泊可能なエリアが分かれている。「Reef Wing」は完全にアダルトオンリー。さらに食事のフロアも1階と2階でファミリーとアダルトで分かれ、チェックインの場所も異なるなど徹底しているのがポイントだ。

アダルトオンリーのチェックイン棟
リノベーションが完了し、真新しいロビーとなっている
プライベートなヴィラもあるが、基本はこちらの棟に宿泊
ファミリー向けの棟側では毎週日曜の日の入りの時刻にキッズたちが生歌を披露しほのぼの

 今回宿泊したのは海に面した「Reef Wing」と呼ばれるアダルトオンリー棟内のゲストルーム。キングベッドにバスタブ付きのバスルームを完備。窓から海とプールの両方が見える場所だ。

宿泊した「Reef Wing」のゲストルーム
バスタブ付きとなっている
バルコニーから見た朝焼け。手前は雨が降っているが向こう側は晴れている

 ほかにもエリア内にはスパ「Chi, The Spa at Shangri-la」があり、施術後そのまま1泊し、チェックアウトが可能なコースが人気。施術を受けたゲストのみが宿泊できるがハネムーン利用も多いそう。8つのトリートメントを受けて、そのままディナーと朝食がバルコニーで味わえる。施術台の奥にはキングベッドがあり、そのままトリートメント成分を浸透させながら、眠りに落ちることができる。

「Chi, The Spa at Shangri-la」で宿泊者は無料で30分の体験トリートメントが受けられる
スパに施術後そのまま1泊できる部屋も人気
キングベッドでトリートメント後そのまま眠る幸せがかなう

 食事が美味しいのも同ホテルの魅力の1つ。「GOLDEN COWRIE Coastal Italian Restaurant」ではイタリアから呼び寄せたシェフによる本格イタリアンが味わえる。前菜、パスタ、デザートまで美味しいが押しよせ食事レベルの高さを感じるはずだ。

 また朝食も絶品ぞろい。フィジーならではの揚げパン「Baba Kau」も。日本人向けに自分で具材が選べる赤みそ仕立ての味噌汁もあった。フルーツやペイストリーも豊富で時間いっぱいまで味わっていたいほど。エッグベネディクトやオムレツにフレンチトーストなどもオーダーできる。もちろん日本語メニューも用意と心遣いがうれしい。

豊富なペイストリー
赤みそ仕立ての味噌汁は具を自分で選ぶスタイル
フィジーの揚げパン「Baba Kau」も用意されている
グルテンフリーもしっかりガードされたうえで提供
ビーチを眺めながら朝焼けのなか朝食を味わおう

 最終日はフィジー・エアウェイズのナンディ国際空港13時25分発、成田国際空港19時30分着の直行便FJ351便、エアバス A330-200型機を利用。所要時間は約8時間45分。時差は3時間あるが翌日に影響のない時間帯に日本へと戻ってくることができた。行きも帰りも直航便には必ず日本語が堪能なCA(客室乗務員)が乗務しており、初めてのフィジーでも安心。乗務員も笑顔で英語と日本語を交えつつコミュニケーションをとってくれ日本到着の直前までフィジー気分を満喫できた。

帰国便はFJ351便。機材はエアバス A330-200型機
ランチはチキンをチョイス。ご飯がオムライス風で食が進んだ
到着前の食事はベジタリアンミールをチョイス。カレー風味の1品
編集部:相川真由美