旅レポ

タイ・チェンマイの絶景を巡る(その2)

ジャングルを飛びまわるジップライン「Flying Squirrels」がいい感じにクレイジー(4K&360度動画あり)

タイ・チェンマイでジャングルを飛びまわるハードなアクティビティを楽しむ

 絶叫系アトラクションとして人気のジップライン。日本でも各地に広がりつつあるけれど、その大半のコースが1回、多くても数回飛んだらおしまい、というもの。慣れてしまうと「ちょっと物足りないなあ……」なんて感じるのではないだろうか。

 しかしタイ北部に位置するチェンマイには、連続的に少なくとも16回飛ぶことができ、しかも一度スタートしたら途中ギブアップは(ほぼ)許されないジップラインがある。その名も「Flying Squirrels(フライング・スクイレルズ)」。日本語で“ムササビ”、なんていうかわいらしい語感のわりには、クリアするのにたっぷり2時間かかる、かなりハードなアクティビティだ。地元のツアーオペレータであるランベルツアーの案内で、このFlying Squirrelsを体験した。

こだまする人間? 獣? の叫び声。そう、ここはタイのジャングル

2時間ずっと飛びまくるジップライン「Flying Squirrels」

Flying Squirrelsの場所

 チェンマイ市街中心部から北西へクルマでおよそ1時間半ほど、前回の「タイ・チェンマイの絶景を巡る(その1) 標高800mで空中散歩。ボタニック・ガーデンの『キャノピー・ウォークウェイ』」で紹介した「クイーン・シリキット・ボタニック・ガーデン」からさらに奥地へ進んだ標高1000m地点に、Flying Squirrelsのジップラインがある。

 高さ数十mはある自然の樹木を多数利用してつくられたFlying Squirrelsには、スタートからゴールまでトータルで大小16本のジップラインがある。山の斜面や樹上に設けられた32カ所の足場となる「ステーション」の間が、最長で600mのジップラインやアスレチック風のアトラクションで結ばれ、まさに木から木へとムササビのように飛びまわるのだ。

Flying Squirrelsの拠点。ここからトラックの荷台に乗ってスタート地点へ。起伏や凹凸の激しい山道をオーバースピードと思える速度で駆け抜けるので、振り落とされないように注意。筆者の場合、激しい揺れのせいでヘルメットに固定していた360度カメラがもげた
スタート地点付近に到着。完全にジャングル
ジップラインのワイヤーには触れないこと、飛んでいる間は基本的に足を折り曲げておくこと、といった注意事項の説明のあち、有無を言わさず即座にスタート
最初の1、2本目こそ地面からそれほど高くないところを飛ぶ“ウォームアップ”代わりのジップラインだが……
3本目からはさっそく300m級のロングジャンプが待ち受けている

 眼下は常に緑深いジャングルで、手の届く範囲にも枝葉が鬱蒼としている。もし落下すれば(もちろんそうならないよう安全対策はしっかりとられているが)、ジャングルの野獣の餌食になる……ということはないにしろ、ただでは済まないだろう。

このコースの中で最も高いところにあるステーション。筆者自身それなりに高いところには耐性があると思っていたが、足場が狭いうえに木造ということもあって、ちょっと膝が笑っていたのはここだけの秘密
ステーションでの順番待ちの間はこうやって命綱がつながっているので、とりあえずは安心……

 森を縦横無尽に飛び交うコース取りになっており、同じ樹木に高さ違いのステーションがあったりして、場所によってはジップラインが立体交差しているのも面白い。時間帯を分けて10人程度までのグループごとにスタートしていくため、姿は見えなくても森のあちこちから人間のものとも、動物のものともつかない叫び声がこだますように聞こえてくるのは……まさしくジャングルという感じ。

ところどころ立体交差しているので、他のグループが眼下で飛んでいるのを見ることもできる
いくら怖くても途中で降りることはできない。飛ぶしかない
360度動画で見るFlying Squirrels
Flying Squirrelsの4K動画

 終盤になると、もはや何本目かも分からないジップラインやアスレチックを次々に無心にこなしていくことに……。最後の、想像以上に速度が出る滑り台でフィニッシュすると、緊張から解放されるせいかどっと疲れが出る。

 ただ、うれしいのが、終了後にビュッフェが用意されていること。この食事も料金に含まれているのだ。食事をとって疲れを癒やしながら、一緒にチャレンジした仲間たちと健闘をたたえ合いたい。

単なるジップラインだけでなく、こんな風に自転車で渡る場所も。しかも3人乗り
ブランコ橋やスケートボード……
垂直に降りるところも
片足分の幅しかない橋を、なぜかスタッフに揺らされながら歩いたりする
終盤、さらに不安定な橋が待ち受ける
スパイダーネットをクリアすればゴールは目前
最後の寝そべって降りる滑り台。意外にスピードが出るので無事止まれたときはほっとひと安心……

 利用料金は通常2699バーツ(約9500円、1バーツ=約3.5円換算)のところ、当面はキャンペーン価格で1990バーツ(約7000円)。食事だけでなく、参加者にはFlying SquirrelsオリジナルTシャツもプレゼントされる。チェンマイ市街から無料シャトルバスが運行しているので往復の足も心配なし。混雑も予想されるから、あらかじめ予約したうえで行くのがおすすめだ。

ジップラインで汗を流した後は食事をとることができる。料金に含まれているのでおトク感アリ
レストランからの眺めもバッチリだ

日沼諭史

1977年北海道生まれ。Web媒体記者、モバイルサイト・アプリ運営、IT系広告代理店などを経て、執筆・編集業を営む。IT、モバイル、オーディオ・ビジュアル分野のほか、二輪・四輪分野などさまざまなジャンルで活動中。どちらかというと癒やしではなく体力を消耗する旅行(仕事)が好み。Footprint Technologies株式会社代表。著書に「できるGoPro スタート→活用 完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典」(技術評論社)などがある。