旅レポ

タイ・チェンマイの絶景を巡る(その5)

ここは遺跡か、ランナー王朝か。自家栽培野菜も味わえる「チェンマイ・プラザ・ホテル」

ランナー王朝の遺跡に足を踏み入れたかのような「チェンマイ・プラザ・ホテル」

 近年の健康志向の高まりとともに、世界的にウェルネスツーリズム(ヘルスツーリズム)が注目され始めている。医療、フィットネス、温泉・スパ、食など、健康に関わりのある旅行を総称するウェルネスツーリズムだが、タイはこの分野の先端を走る国の1つだ。

 こうしたトレンドのなか、タイ・チェンマイにあるホテルでも健康を意識した取り組みを始めている。例えば市街地東側、ピン川近くにある「チェンマイ・プラザ・ホテル(Chiang Mai Plaza Hotel)」がそれ。シティホテルとしては珍しく、有機野菜を栽培する農園をもち、同ホテルのレストランで提供しているという。

タイの遺跡や寺院にいると錯覚しそうな内装

チェンマイ・プラザ・ホテル

チェンマイ・プラザ・ホテルの場所

 夜に露店が建ち並ぶナイトバザールにも徒歩2分とアクセスがよいチェンマイ・プラザ・ホテル。その建物に隣接している農園は、広さこそ目測で約50m2だが、チェンマイ・プラザ・ホテルのレストランで提供する野菜の多くと、ハーブやレモンなどをまかなっているという。

 季節によってはフルーツも収穫できるとのことだが、前回「タイ・チェンマイの絶景を巡る(その4)」で紹介したオーガニックレストラン「OHKAJHU」もそうだったように、“有機野菜の自家栽培”が、タイにおける健康ブームの鍵を握っているようだ。

ホテル屋上から見下ろした農園(中央下)
農園は目算で50m2ほどの広さ
栽培しているのは葉野菜が多い
朝食時のレストラン
色鮮やかな野菜、サラダを楽しめる

 チェンマイ・プラザ・ホテルの注目すべきポイントはもう1つある。それは、内装にタイ北部の伝統建築様式である「ランナーデザイン」が施されていること。

 エントランスホールから客室へ向かうエレベータホールまで、天井や壁、柱に彫り込まれた模様、一定間隔で立ち並ぶ像、そのほかの調度品などが違和感なく、溶け込むように配置されており、まるでチェンマイ各地にある遺跡、あるいは古い寺院のような雰囲気をかもし出している。

エントランスホールの様子
エントランスホールにある演台で楽器が演奏されるときもある
客室につながるエレベータホールまでの通路
さまざまな像が建ち並ぶ

 よくある「見た目だけをマネして古くさくした」ようなイミテーションっぽさはない。数百年前に栄えたとされるランナー王朝時代、王城はもしかしたらこんな感じだったのかも……と思ってしまいそうな重厚さすら感じさせる。

 なお、ホテルの規模は12階建て全445室。スタンダードサイズのスーペリアルームとデラックスルームが合わせて437室、スイートルームが8室という構成。自然を感じられるレストランのテラス席、広々としたスイミングプール、トレーニングジム、1000人を収容できるボールルームなども利用可能だ。

デラックスルーム(36m2
バスルーム
さりげない調度品がおしゃれ
こちらはスーペリアルーム(30m2)。デラックスとの違いは広さだが、見た目にはほとんど変わらない
スイミングプール
トレーニングジム
レストランはテラス席もある

日沼諭史

1977年北海道生まれ。Web媒体記者、モバイルサイト・アプリ運営、IT系広告代理店などを経て、執筆・編集業を営む。IT、モバイル、オーディオ・ビジュアル分野のほか、二輪・四輪分野などさまざまなジャンルで活動中。どちらかというと癒やしではなく体力を消耗する旅行(仕事)が好み。Footprint Technologies株式会社代表。著書に「できるGoPro スタート→活用 完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典」(技術評論社)などがある。