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フィンランド政府観光局、2018年は「サウナ」や「ウェルビーイング」を訴求
フィンランド独立100周年記念交響曲「The Symphony Of Extremes」も公開
2017年11月22日 15:38
- 2017年11月21日 開催
フィンランド政府観光局は11月21日、都内においてフィンランドの魅力を紹介する説明会を報道向けに開催した。2017年はフィンランド独立100周年を迎える年でもあり、説明会では新たな取り組みやキャンペーンなども紹介された。
説明会の冒頭では、フィンランド大使館 文化・報道参事官のマルクス・コッコ氏がマイクを持ち、独立100年に対する思いを述べた。「1917年に独立して以来、フィンランドがここまで成功できた秘訣には『Sisu(シス:フィンランド魂)』があったから」と、勤勉で人情があり、粘り強さがあるといったフィンランド人の国民性について触れた。
また多くの日本人がフィンランドに関心を寄せていることに感謝の気持ちを述べたあと、「クラシック音楽やデザイン、ムーミンなど興味を持つ切り口はいろいろあるかもしれないが、人としては、シャイなところもあるけれど他者を尊敬するところが共通点」と両国民の似ている部分を挙げるなど、フィンランドと日本の身近さを強調した。
続いてフィンランド政府観光局 日本代表の能登重好氏が登壇し、日本人旅行者の数やフィンランドのお勧め観光地などを紹介した。2016年の日本人旅行者数は約10万人超、21万5000泊で、2015年と比べると5.4%増加していることを報告。安定して旅行者数が増加している背景には「熟年カップル層による夏の北欧周遊」「20~60代の全年代層によるオーロラツアーへの参加」「20~40代女性層によるデザインやライフスタイルを目的とした旅行など(通年)」の3つの客層がそれぞれを補完し合いながら数字をキープしていると説明した。
また2018年は「ストップオーバーフィンランド」や「夏と秋シーズン」に力をいれてプロモーションしていくことを発表。サウナやウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)など、フィンランド人のライフスタイルを取り入れたプロダクトを使って訴求していくという。
お勧めのエリアとして、「レイクランド」など中央フィンランドや東フィンランドエリアを紹介。「サウナ」「ベリーピッキング」のほか、8月下旬(月別の可視率では9月10月が高い)からシーズンに入る「オーロラ鑑賞」や美しい紅葉などが楽しめると紹介した。
また今回新たなエリアとして「北緯65度から66.33度の地域(北緯66度33分は北極圏との境)」を紹介。具体的な場所としては、フィンランド人にも人気がある、オウランカ国立公園を有する自然豊かな「Ruka(ルカ)」やリゾート地としても有名な「Syöte(シュオテ)」を挙げた。シュオテはオーロラ鑑賞に最適であるほか、ラップランド型の森林の南限で、樹氷が見られるという。またオウル空港からも近く、フィンエアーなどが運航するヘルシンキ~オウル線の便数も多いため安定して席を確保できるのもお勧めとした。
次に、フィンランド政府観光局 マーケティング部長のヘリ・ヒメネス氏が、フィンランド政府観光局がフィンランド独立100周年を記念して製作した交響曲「The Symphony Of Extremes(シンフォニー・オブ・エクストリームズ)」を紹介した。
この交響曲はフィンランドの人々からDNAを採取し、その遺伝子型をもとに作曲されている。作曲を担当したのは、フィンランドのチェロ・メタルバンド「アポカリプティカ」のエイッカ・トッピネン氏。今回、フィンランド人にフォーカスし、フィンランドの独立100周年を記念して製作した理由について、「今このツーリズムにおいて、トレンドとなっているのは本物というところにあると感じている。というのも、観光地を訪れるツアー客の人は実際に地元の人がどんな暮らしをしているのだろうということに興味を持つ。美しい写真を見せれば満足ということではない。きれいなところを見るだけではなくて、音的にも感じてもらいたいというのが我々の想い」と説明した。
この曲は、実際にフィンランド各地に住む人々からDNAを採取して作っているため、フィンランドらしさや「Sisu(フィンランド魂)」を感じてもらえるだろうとした。
また、現在フィンランド政府観光局が運営するWebサイト「Visit Finland」では、DNAジェネレーターを使用したキャンペーン「あなたのフィンランドのDNAを見つけよう」を行なっている。これは、「もしあなたがフィンランド人だったら……」と仮定して自分のルーツをたどるもので、両親の出身地を入れると地名が出てくる仕組みだ。
ヘリ・ヒメネス氏は「ぜひアプリ活用して、来年はその地に行ってみてください」と話し説明を終了した。